ウクライナのゼレンスキー大統領(ロイター=共同)、韓国の尹錫悦大統領

 【ソウル、キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領と韓国の尹錫悦大統領は29日、北朝鮮のロシア派兵確認後、初めて電話会談し対応を協議した。ゼレンスキー氏は3千人が既にウクライナ国境の近くに配置され、今後約1万2千人に達する見込みと伝えた。尹氏は、北朝鮮が参戦した場合「実効的、段階的な対応措置を取る」と述べ、将来的な攻撃用兵器供与の可能性も示唆した。

 両首脳は、ウクライナ侵攻が国境を越え、国際的な戦争に発展していると確認、両国の接触を増やし、特使を交換することも申し合わせた。尹氏は現代戦の経験が乏しい北朝鮮が「(戦場で得た)経験を朝鮮人民軍全体に習得させた場合、韓国の安全保障に大きな脅威となる」と訴えた。

 韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は29日、朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長ら幹部を含む先発隊が前線に移動したとの情報があり、確認中だと明らかにした。キム氏は金正恩朝鮮労働党総書記の軍側近の一人で、ウクライナ軍筋によるとロシア派遣部隊の統括役を担っている。