とちぎテレビ

任期満了に伴い31日に告示される知事選挙を前に、立候補を表明している2人が29日までにそれぞれの公約を発表しました。

【福田 富一氏】

6期目を目指す現職の福田富一氏・71歳は29日、「とちぎの挑戦2024」と題した政策集を発表しました。「あとひと踏ん張りすると決意した」と心境がつづられ、「人への投資」など5つの柱をテーマに107の取り組みを掲げています。

そのうち新規の取り組みは69含まれていて、特に少子化については、関係者などおよそ20人で作る「栃木県人口未来会議」を設置し、2026年度の予算化を目指して抜本的な施策を提言してもらうとしています。

また、LRTと東武鉄道の接続については東武鉄道の意見を聞いたうえで、「LRT化をするのか相互乗り入れにするかふさわしい形態を支援していく」と説明しました。一方、新モビリティによる奥日光地域へのアクセス強化では、ケーブルカーやロープウエーなどを候補にカーボンニュートラルへの効果も含め議論すると述べました。

福田氏はそのほか、給食費の無償化や「女性活躍推進フェロー」と「とちぎ若者会議」の設置、新しい園芸団地や産業団地の創出などを掲げました。そして、多選批判については「短くても問題を起こす人はいる。長くても何をすべきかが確立された行政運営を行えば弊害に行きつかない。そういう県政運営をしてきたつもりだ」と答え、「身命を賭して取り組む」と述べました。

【針川 佐久眞氏】

同じく知事選挙に立候補を予定している、新人で市民団体「栃木革新懇」事務局長の針川佐久眞氏・74歳も29日までに公約を公表しました。

針川氏は今回会見は開きませんでしたが、「いのちを守りはぐくむ栃木へ」「くらしと地域経済、農業を元気にする栃木へ」など5つを柱に、医療と健康、介護・福祉・教育など35の個別政策を掲げています。

特に、公共事業については宇都宮市が進めるLRTの西側延伸について、住民投票を行うよう求めるほか、県が美術館や図書館、文書館を県体育館の跡地にまとめて移転整備する「文化と知」の創造拠点構想を見直すとしました。

また、最低賃金を1500円以上に引き上げ、非正規から正社員への転換を支援することや教員の過重労働をなくすため小中学校の30人学級化も進めるとしています。そのほか、公立の夜間中学の増設や災害で一部損壊した住宅への見舞金制度を新たに作ることも目指します。

知事選挙はあさって31日に告示され、県議会議員・鹿沼市選挙区の補欠選挙や宇都宮市長選挙と同じ11月17日に投開票が行われます。一方、事前審査に訪れた46歳の女性は29日、出馬を断念する考えを明らかにしました。