Image: Keio University

傍から見たらヘンな人かも。

ここ数年の完全無線イヤホンは、ハウジングの側面をタッチして操作できるモデルがいっぱいありますよね。一昔前の有線タイプからするとすごい進化だと思います。

慶應義塾大学の理工学部では、そのタッチすら使わない操作方法が研究されています。

新手法法「EarHover」

それは手元のデバイスで行うのでも、音声指示でもなく、空中で手を動かすジェスチャーによるもの。

その鍵は「音漏れ」なのだそうです。

研究者たちが採用したのは、イヤホンなどのヒアラブルデバイスから、人間には聞こえない超音波信号を音漏れとして再生し、空中ジェスチャーを行う手に反射したときに発生するドップラー効果を検知させるシステム。

イヤホンに備わっているスピーカーとマイクで実行できるので、追加機器が不要なのも大きな利点。

ついでに手が汚れていても問題ありませんし、非接触で操作ができます。

どんなジェスチャーを使う?

最初に提案されたのは、立てた指や手のひらを耳に近づけたり遠ざける「ハンドスワイプ」。または指か手を反時計回りに90度ひねって戻す「ツイスト」。

他にも手を耳から身体の前に伸ばしたり近づけたり、手を握って開く動作、耳を中心に手で円を描く、親指と小指を立てた電話のマネで手首を回転させるなど、27種類がありました。

Image: Keio University

そこから予備実験で認識しやすい7種類を選び、13人の被験者に4種類の環境下で実験。

日常的な手の動きと間違って誤認する確率を1.8%に抑え、80%ほどの正解率で認識できることが分かりました。

いろんなデバイスに応用できそう

まだまだ製品に実装されるまで確立していませんが、人によってはタッチ操作より直感的でやりやすいでしょうね。

そのうちマウス操作や、アレクサのように音声認識デバイスもジェスチャーで使えたら、発話障害の人にも使えることでしょう。

しかし、救急車が通り過ぎる時にしか思い浮かばない「ドップラー効果」が、こんな技術に活かせるだなんてねぇ?

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Source: Keio University (1, 2) via 知財図鑑, X