夜長を照らす月は秋の風物詩のひとつだ。この時期、飲食店ではたまごを月に見立てる“月見メニュー”が並ぶ。そのなかで高い認知度を誇るものといえば、マクドナルドの月見バーガーシリーズだろう。

【画像】全8社21種類の「月見バーガー」を食べ比べ! 差が付きやすいのは卵、しかしパイナップルで勝負する“異色店”も…

 しかし、それ以外の月見メニューについて知っている人がどれだけいるだろうか。今回、月見系バーガーをはじめとした21種類の月見メニューを実食しランキング化。「もう一度食べたい月見メニュー」を決した。(全2回の1回目/続きを読む)

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 食べ比べの条件は、できたての商品を店内で食べることと、残さず食べること。同じ日に何個も食べると評価に影響する可能性があるので、9月中旬から1日1〜2店舗を巡った。評価基準は以下の通りだ。

<評価の基準>

コスパ…満腹感と値段の兼ね合い

味…もう一度食べたい味か

ジャンク感…食べた後の罪悪感

食べやすさ…口や手を汚さずに食べられるか

 あくまで個人の感想であることは断りつつ、さっそく発売日が早い順から見ていこう。

たまご加工品が大活躍 トレンドは半熟系の月見?

【ケンタッキー・フライド・チキン】8月29日〜なくなり次第販売終了

 2016年から、年に1度月見系メニューを販売しているケンタッキー・フライド・チキン(以下、KFC)。2024年はバーガー2種と、定番メニューのツイスターに「目玉焼き風オムレツ」を挟んだ「月見ツイスター」を展開。同店の月見要素である「目玉焼き風オムレツ」は、とろっとしているのが特徴だ。

 ちなみに「目玉焼き風オムレツ」は本物のたまごではなく、卵加工品となるので“たまごっぽい何か”と捉えたほうが近い。他店でも、それぞれ卵加工品を使用している場合には別称で表記しているのでそちらに準じる。

●とろ〜り月見チーズフィレバーガー/540円

コスパ:★★★
味:★★★
ジャンク感:★★★
食べやすさ:★★

 

<コメント>
 レギュラーメニューの「チキンフィレバーガー」に目玉焼き風オムレツとチェダーチーズをトッピングした一品。KFC特有のスパイスが効いた風味を感じるチキンフィレが、1ピース丸ごと入っているのでお得感がある。

 

 肝心の目玉焼き風オムレツは白身が厚く、黄身ソースはとろみが強い。食感は目玉焼きに近いものの、半熟たまごが醸し出す特徴的な甘さまでは感じられなかったのが惜しい。

●とろ〜り月見和風チキンカツバーガー具沢山タルタル/590円

コスパ:★★★

味:★★★★

ジャンク感:★★

食べやすさ:★★

 

<コメント>

 定番メニューの「和風チキンカツバーガー」に、目玉焼き風オムレツと具沢山タルタルソースを加えたバーガー。公式情報によると、約10種類のソースの中から「具沢山タルタルソース」が選ばれたとのこと。

 

 たしかに、チキンカツに絡めた醤油風味のテリヤキソースとタルタルソースは相性が良い。目玉焼き風オムレツは味の主張がそこまで強くないため、全体の味をマイルドにしてくれている点がGood。

●とろ〜り月見ツイスター/480円

コスパ:★★★

味:★★

ジャンク感:★★

食べやすさ:★★★★

 

<コメント>

 人気定番メニューの「てりやきツイスター」に目玉焼き風オムレツをトッピング。ツイスターの先端に目玉焼き風オムレツが刺さっているので、ほかのメニュー以上に“たまごのような何か”の味がダイレクトにわかる。

 

 ほかの半熟たまご風のメニューはソースが垂れるので食べにくいなか、こちらのツイスターは棒状のため手や口を汚さずに食べられたので、味以外の部分もポイントが高かった。

「月見系バーガー」を5種類と最多展開したロッテリア

【ロッテリア】8月30日〜10月中旬予定

 ロッテリアの月見系バーガーの月見要素は半熟“風”たまごで、こちらもKFCと同じ卵加工品だ。何より驚いたのはバーガーの種類の多さだ。今回調査したなかでは最多の5種類を展開している。

●和風半熟月見 絶品チーズバーガー/590円

コスパ:★★

味:★★★

ジャンク感:★★★★

食べやすさ:★★★

 

<コメント>

 ロッテリアの人気メニュー「絶品チーズバーガー」に、和風てりやきソースを使用。もともと絶品チーズバーガーに入っている4種のチーズの風味が強く、和風半熟月見限定で入っている“ゆずマヨ”の味は残念ながらあまり感じられなかった。

 

 そして、ロッテリアオリジナル「とろ〜り半熟風たまご」は、前出のKFCで使われた目玉焼きオムレツに比べると薄く、その魅力を十分に発揮できていなかったように感じる。

●和風半熟月見 てりやきバーガー/520円

コスパ:★★

味:★★★

ジャンク感:★★★★

食べやすさ:★★★

 

<コメント>

 半熟風たまごの“とろみ”が、全体の味をまろやかにしている点が高評価。一方で、甘めのてりやきソースの味が舌に残るので、ジャンク感も感じられる。

●和風半熟月見 旨辛てりやきバーガー/590円

コスパ:★

味:★★★★

ジャンク感:★★★★

食べやすさ:★★★★

 

<コメント>

 前出の「和風半熟月見 てりやきバーガー」に、ハラペーニョと唐辛子、にんにく、ビネガーを使った「特製旨辛ソース」を加えたバーガー。

 

 旨辛ソースのにんにくが、辛さにコクを与えていて美味だった。半熟風たまごが旨辛ソースをとうまく混ざり合うので、辛いものが苦手な人も食べやすいはず。

◇ 

●トリュフ薫る半熟月見 絶品チーズバーガー(9月17日〜)/590円

コスパ:★★★

味:★★★★

ジャンク感:★★★★

食べやすさ:★★

 

<コメント>

 9月17日から“洋風”半熟月見バーガーとして登場した。洋風の絶品チーズバーガーと、特製デミソースの組み合わせは違和感がなく、バランスも◎。また、限定で加えたトリュフは、香りも風味もしっかりついており「薫るトリュフ」の看板に偽りなしだった。

●和風半熟月見 エビバーガー/590円

コスパ:ーーー

味:ーーー

ジャンク感:ーーー

食べやすさ:ーーー

 

<コメント>

 ロッテリアの人気バーガー「エビバーガー」に和風ソースと半熟風たまごをプラスした「和風半熟月見バーガー」。2024年9月30日現在、いくつか店舗を回ったが、どこも「和風半熟月見 エビバーガー」の販売を終了しており、食べることは叶わなかった。

パイナップルを月に見立てたバーガーキング

【バーガーキング】8月30日〜

 昨年、パイナップルを月に見立てて(?)月見系バーガーデビューを果たしたバーガーキング。同社は2年目もゴールデンパインを挟んだ「パインツキミ」を貫いたのだ。

●パインツキミバーガー(大)/990円

コスパ:★★★

味:★★

ジャンク感:★★

食べやすさ:★

 

<コメント>

 公式情報によるとパインツキミバーガー(大)のバンズは、直径が約13cmもあり、他店のバーガーに比べても巨大なので、満腹感を得たい人におすすめ。

 

 バーガーキングのパティは、直火焼きでビーフを100%使用しており、肉肉しさは◎。そして鬼門のゴールデンパインだが、予想よりも甘さ控えめ。ケチャップの酸味とパインの組み合わせは成立していたが、マヨネーズとの組み合わせは意見が分かれるかもしれない。

◇ 

●チポトレ・パインツキミバーガー(大)/990円

コスパ:★★★

味:★

ジャンク感:★★★★

食べやすさ:★★★

 

<コメント>

 スタンダードなパインツキミバーガーに、特製の「チポトレソース」を使用したバーガー。チポトレとは、赤く熟したハラペーニョを乾燥させ、燻製にしたメキシコの伝統的な香辛料とのこと。

 

 ひと口目に感じたのは、チポトレソースの“辛さ”だった。辛味がパインの存在を薄めてくれるが、パインツキミバーガーとしてそれが正しいのかはわからない。

※記事中の情報は10月25日時点のものです。販売時期などは変更になっている可能性があります

 後編ではマクドナルドやコメダ珈琲店の月見メニューを紹介する。

マックでもモスバーガーでもない...味部門で唯一の星5だった「月見バーガー」は?《月見メニュー21種類食べ比べ》〉へ続く

(清談社)