石破内閣の閣僚らの落選相次ぐ、小里農相は辞意も…霞が関の官僚「これから補正予算案もあるのに」
今月1日に発足した石破内閣で就任したばかりの閣僚らの落選も相次いだ。
埼玉5区では、法相の自民党・牧原秀樹さん(53)が、立憲民主党元代表の枝野幸男さん(60)に敗れ、比例復活もかなわなかった。28日未明、さいたま市の事務所で支援者を前に、「まだ何も現実を受け止められない」とぼう然とした様子で語った。
法相就任直後、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連の会合に繰り返し出席していたことを公表し、批判を浴びた。「お前は法務大臣にふさわしくない、と(有権者に)ご判断いただいた。受け入れたい」と肩を落とした。
鹿児島3区では、農相の自民・小里泰弘さん(66)が議席を失った。28日未明、鹿児島県薩摩川内市の事務所で取材に応じ、「議員ではなくなるわけだから、当然大臣でもなくなる」と辞意を漏らした。
東京・霞が関の官僚たちからは不安の声が聞かれた。
牧原法相と門山宏哲・法務副大臣がそろって落選した法務省では28日朝、始業前から多くの職員が出勤し、対応に追われた。
弁護士でもある牧原法相は法務行政に明るく、再審制度の見直しなど重要課題を抱える同省を率いるリーダーとして、官僚からの期待は大きかった。ある職員は「人が代わることで今後に影響が出ないか心配だ」と顔を曇らせた。
小里農相が落選した農林水産省でも、職員から「いくらなんでもこんなに短命とは。これから補正予算案もあるのに……」と戸惑いの声が聞かれた。農水省は食料安全保障強化に向け、基本計画の策定を進めている。ある幹部は「自公がどのように連立政権をつくるかで次期国会の法案通過の難度が変わる。連立の行方に注目したい」と話した。