Sライト級無敗のホープ対決は渡来美響に軍配 関根幸太朗に4回TKO勝ち 王者・李健太への挑戦権獲得
◇プロボクシング日本スーパーライト級最強挑戦者決定戦8回戦 渡来美響(三迫)<TKO4回1分49秒>関根幸太朗(ワタナベ)(2024年10月26日 東京・後楽園ホール)
日本スーパーライト級最強挑戦者決定戦が行われ、同級2位の渡来美響(25=三迫)が同級1位の関根幸太朗(26=ワタナベ)を4回TKOで下し、無敗同士の対決を制し6戦6勝4KOとした。
渡来がテクニックで圧倒した。立ち上がりから左フックを見せながら右ストレートを次々にヒット。ガードを固めて前進する相手の動きを左ジャブで止め、L字ブロックでガードする完璧なディフェンスも披露。4回には左アッパーで一瞬相手の動きを止め、強烈なワンツーをヒットさせると、最後はロープ際で猛ラッシュ。防戦一方の相手を見てレフェリーが試合をストップし「想定通りにいった試合。ほとんど打たれることなく終われたこともよかった」と涼しい表情を浮かべた。
米国合宿の経験が生きた。この試合に向け、2度の米ラスベガスで合宿を敢行。元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)を知る、ドン・ハウス・トレーナーの指導を受け、これまでは守備重視だった戦い方を見直した。「攻撃の姿勢を学べた。自分のボクシングの引き出しが増えた」。連続KO勝利に成長を実感し、「初黒星をつけるというモチベーションで戦った」と東洋大時代から知る拓大出身の相手から完勝を飾った。
この勝利で日本同級王者・李健太(28=帝拳)への挑戦権を獲得。「(日大だった)アマ時代から活躍していたし、よく知っている。正統派のサウスポー」と1メートル80の左構えの王者との大一番を見据える。一方で自身の23年8月のウー・ジウ(中国)戦を引き合いに出し、「同じようなタイプのサウスポー選手とやって、その選手に勝てた経験が生きる試合になると思う」と自信も口にする。
王者への挑戦もあくまで通過点であることを強調。「世界タイトルに挑戦するためにプロになった。李健太選手をなめているわけではないが、あくまで日本タイトル(獲得)は世界への必須条件。一試合一試合こなして、周りに認められるようにやっていきたい」と言い切った。
一方の初黒星を喫した関根は「やったことのないタイプだった。実力を出し切れず、自分にむかつく」と肩を落とした。左眼窩(がんか)底骨折の疑いもあり、試合後は病院へ向かった。