億単位という資産額を明かしたのは、Gカップアイドルとして人気を博したタレントの杉原杏璃(42)。芸歴25年以上の杉原が、多額の資産を形成した方法は「投資」。その『財テク』を活かし、現在では投資の講演活動や投資で得た利益ではじめた補正下着ブランドを展開している。ABEMAエンタメでは、タレント、投資家、実業家の顔を持つ杉原に独占インタビュー。そこで明かしたのは、株式投資を初めて、10年足らずで億を超えた資産形成術。さらに、2024年3月に突如、所属事務所が倒産した時の心境を告白。「お金」に向き合い続けた杉原の生き方に迫る。

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「グラビアアイドル=ちょっとおバカさん」のイメージに違和感…将来の不安から始めた投資

 1998年、16歳で芸能界入りした杉原。ブレイクすることを夢見て19歳で上京し、オーディションやレッスンに明け暮れていた。なかなか芽が出ないまま、気づけば23歳。将来の不安を感じた杉原がはじめたのが投資だった。

杉原:芸能界のお仕事だけではご飯が食べていけず、お金のために始めたのが株式投資。当時ネット証券の走りで、ガラケーとかノートパソコン1つで家にいながらにして(投資が)できるという時代だったので。だったらバイト代わりになるなと始めました。私、高卒だし経済専攻もしていないですし、専門的な知識って全くなくて(投資を)始めるときって、証券会社のハウツー本を1冊買っただけなんですよ。全く企業の業績を見るとか売上高見るとか、経常利益見るとかハテナみたいな感じでしたけど、私は100万円ぐらいしか預金がなかったので、その中の30%ぐらいを使いました。当時大金でしたけど、好きな銘柄を買ってみて、1カ月ぐらいしてやり方がわかっていなかったので、1カ月ぐらいしてガラケーの(ネット証券の)マイページ見て「1万上がっている!すごい!」とか。

 大胆とも思える行動のウラには、当時、杉原を取り巻く環境が影響していた。

杉原:グラビアアイドルがどうしても「ニコニコ笑っていて楽しそうな仕事で楽して稼げていいよね」みたいな。「グラビアアイドル=ちょっとおバカさん」みたいな、抜けているっていうイメージがあって。皆さんとご飯食べている中で、経済のお話とかビジネスのお話になると「ごめんごめん。分からないよね」みたいな。もう、はなから「あなたたちには分からないですよね」っていう線引きをされたのが悔しくて、そういう知識を知りたいけど、お金を自分で動かさない限り注力できないので、実際に自分のお金を使って運用することで、ちょっとずつ経済のニュースも勉強していきました。

リーマンショックで大打撃…投資方針を変更「興味がある企業を大前提に」

 25歳ごろから、グラビアアイドルとして人気になり、写真集発売や雑誌の表紙を飾ることも増え、芸能活動が軌道に乗った杉原。しかし、投資の方は苦しい局面を迎えた。

杉原:私が初めて3年後にリーマンショックが来て、そこで痛い目見て。資産が少ないながらも半分ぐらいに減ってしまったところから、何も考えずにやっぱりやっていたらお金ってなくなってしまうんだなと気づきました。

 2008年、アメリカにある大手投資銀行の経営破綻による金融危機、いわゆる「リーマンショック」のあおりを受け資産が半分に。その時の経験から学んだことは…

杉原:自分の身近にある詳しい企業さんというのは、新商品が出たとか、これがめちゃめちゃ売れているとか、調べやすいところなので、自分の強みを生かしたジャンルを買えば、長期で持ってても株を応援する気持ちでずっと長く持てる。よく分からない自分とかけ離れたような、私でいうと機械系とかが全然分からないので、そういうところを買っても、なんで業績が上がっているのかというところは分からないし、調べる気にならない。なので、やっぱり好きな企業、興味がある企業を大前提に持っておく方が買いやすいのかなと思います。

「30歳か31歳ぐらいの年齢で“億”行きました」現在のポートフォリオを紹介

 自分の興味のあるジャンルを買うことを株式投資のマイルールに。ゲーム好きだった杉原は当時、過渡期を迎えたスマートフォン向けゲームアプリ市場に目をつけた。

杉原:時間はかかりましたけど、(投資を)始めて5年くらいで1000万円いきました。そこが1つの私の中でのゴールでした。私、基本的に貯めたお金はあまり外に出金しないので、複利でずっと貯めたお金もプラスして運用できるので、1000万円貯まるとそこからのスピードが早まって、7〜8年で億に行きました。30歳か31歳ぐらいの年齢でした。ようやくこれでちょっと不安じゃないなって思えました。私が不安定なお仕事をしているので。固定給でもないし、もう1つ支えてもらえる柱があったら良いなって投資を始めたので、この別の柱がしっかり立ってきたなと、30歳になってようやく、ちょっと安心したかなっていう区切りです。

ーー情報を集める時に一番重要視していることは? 

杉原:「株探」っていうサイトとかあとは「四季報」だったりですかね。「株探」一番使いますね。あと「みんかぶ」も見ますし、「Yahoo!ファイナンス」も見ますし、Xも見ます。一通り無料のサイトとか、有料でももちろん取ってはいるんですけど、日経新聞とか、午後10時くらいから深夜1時近くまで見るので。あとは朝の7時30分くらいから市場が始まる9時くらいまで見るので、結構見ています。1日4〜5時間くらい使っているんじゃないですかね。もちろんゲームとかしながらやっていますけど、リビングで寝ながらに近いぐらいの体勢で。楽屋とかでも売買してます。

 杉原の株式資産構成、いわゆるポートフォリオはこちら。高配当や優待銘柄を狙った株が20%、投資信託20%、中長期の株30%、短期で売り買いする銘柄が20%、そして、外国株が10%だ。

杉原:こだわりは年齢とともに短期の銘柄をちょっとずつ少なくしていって、ほったらかしにできるような大きな会社さん銘柄にシフトするように、楽に運用したいという気持ちでシフトしていっています。株と投資信託と暗号資産とFXと不動産投資、この5つを今やっています。
新NISAはもちろんMAXで成長投資枠と積立投資枠どちらも使っています。非課税枠なので、通常20.315%の税金を利益に対してお支払いしなきゃいけないのが株式投資なんですけど、そこが0円でいいって、スーパーでお買い物にしても税金って消費税払うところが利益が出てもお金取られないって、私の中では最高なシステムだなと思っているのでフルに使っています。だけど年を重ねるごとに不動産に比重は置きたいなと思っています。(市場を追いかける)株はちょっとしんどいので、老後は家賃収入みたいな方にシフトできればいいなと思って
いずれは一棟を買いたいなという夢です。今、京都を探しています。大前提は私が、とにかく戦国時代が大好きなので、最悪空室になったら自分がプライベートで使えばいい土地じゃないと怖いかなって思い、好きなエリアにしています。

 20年近く投資を続けてきたことで、タレントとしての活動の幅が広がり、いまでは投資に関する講演会やメディア出演のオファーも増えたという。

所属事務所が破産「ギャラも未払いが数千万ぐらいある」

 タレント、そして投資家として順風満帆に進んでいたところ突如、2024年3月に所属していた芸能事務所「フィット」が破産。杉原も大きな損害を被ったという。

杉原:びっくりしました。私のギャラも未払いが数千万ぐらいあるんですけど、ある日突然だったので。もちろん社長からは電話ありましたけど、もう破産なので何もすることはできない。「お金を返すこともできないですし、何かをどうにかすることは一切できないので、破産管財人の方が入るので、自分たち(会社)は何もできません」というお話だったので。「何も当人同士とは話せません」みたいな状態なので、本当に何もできませんでした。ある日突然こういうことは皆さんにも起こり得るということなので、それを踏まえて人生のリスクヘッジが必要だなと改めて思いました。

「東京に住んでいると何億あっても足りないような気がする」数億貯めても消えない不安

 「不安」を解消するためにはじめた投資。運良く成功した杉原は、「渇き」とも似た感情を抱えている。

杉原:エルメスを買ってやろうとか、ミシュランを全部制覇しようとか、最初はあったんですけど、それも年齢とともになくなりました。もう自分が持ってもしょうがないかなって思っちゃったんでしょうね。物を置くのが嫌いなので、家にあるのは少数精鋭でいいなって。自分の家を倉庫とかにしたくないし、コレクションの部屋にもしたくないので、少数精鋭で広い空間があればいいなと思う方なので。自炊したいし、体型を気にしたいので、外で食べると太るし…とかなので何もないです。

ーー現在の総資産額は?

杉原:そこは数億としか言っていないので1億以上であることは確かですけど…。数億貯められているので、40代のうちに5億を達成できれば別にいいかな。それでもやっているんでしょうけど、ゴールがないんですよ。結果死ぬまでやっているんじゃないですか。ただ不安でしょうがないんじゃないですか。将来に対する不安とか病気になったらどうしようとか。今のお仕事がなくなったらどうしようとか。全てはそこを補うための精神安定剤じゃないんですけど、東京に住んでいると何億あっても足りないような気がするんですよね。贅沢はしないって思っていますけど、それでも生活水準って若干上がっていくのであれば、あるだけ心の余裕になるし、何かあった時にガッと使えるので。どこまでいったら安心ってあるんですかね。分からないです。いくらあっても不安なのかもしれない、安定剤と言いながら、不安でもあるっていう表裏一体ですね。

ーー増やした資産の使い道は?

杉原:全然使い切ろうっていうのはさらさらなくて、不動産もやっぱり物なので財産になるなと思って買っているので。自分の身内とかが後に使ってくれればいいなと思っています。多分散財したところで何の満足度もないので、本当にかっこいい話でもなんでもなくって、家族が笑顔でいてくれたら、その方が物を買うよりすごくうれしいので、家族とかを含めて自分のちっちゃな周りが幸せになればいいなと思っているので、きっと使い切らないでしょうね。

「仕事の嫌なことを忘れられる。そういう存在の方にめぐり会えたら」再婚願望を告白

 「家族のためにお金を増やすことが幸せ。」そう語る杉原に、新しい家族を再び持つ可能性について尋ねた。

杉原:(再婚願望は)全然ありますよ。そりゃだってしたいじゃないですか。やっぱりお姫様扱いしてくださる方にキュンってなりますよね。君がかわいいよとかって最初のうちだけでも言ってくれるとテンション上がるので、毎日そう言ってもらいたいです。何回失敗したっていいと思いますし。そうじゃないと、着飾っても意味ないしスタイル維持しても意味ないので。自分がやっぱりへこんでいるときに「大丈夫だよ」って支えてくれたり、家に帰ると違う世界にふっと行けて、日常の仕事の嫌なことを忘れられるみたいな。そういう存在の方にめぐり会えたらいいかなと思います。

 最後に、投資家、実業家としても成功した杉原の芸能活動との向き合い方を聞いた。

杉原:投資で沢山のお金を得ることによって、日常では全然使わないんですけど、家を買うとかしているし。それもローンを組んでいるので、もし暴落が来たときのために、このローンを自分一人で返さなきゃいけないと思うと、やっぱり本業も一生懸命やらないとと思っていて。軍資金をちゃんと稼がなきゃっていうので、より真面目になったかもしれないです。今までなら取らなかったような仕事も全部取ってくださいっていうようになったかもしれないです。昔の方がもっと生意気で「なんで私がやらなきゃいけないの」「こんなにちっちゃい水着とか着たくない、やらない」とか言っていましたけど、後半は全然やっていましたからね。真逆になりました。

(『ABEMA NEWS』より)