衆議院議員総選挙(27日投開票)の東京15区(江東区)には、5人が立候補している。日本共産党・小堤東候補(当選0回)は、公約について「国勢で学費を今すぐ半額にして、無償化へ」「労働時間削減の社会をつくる」と述べた。

【映像】学費の実情を訴える小堤東候補

―自己紹介を。

 日本共産党の衆議院15区候補の小堤東です。私は街頭で5000人以上の若い皆さんからお声を伺う活動をしてきました。大学門前宣伝、高校門前宣伝、夜の駅頭宣伝などで若い方からお話を伺いましたが、大学の学費が高くて進学を諦めたという高校生、 長時間労働、低賃金で苦しい社会人の方、 たくさんのお話を聞いてきました。これは自己責任ではなく、政治が作り出してきたもの。自民党政治が作り出してきたものであり、変えていかないといけないのが立候補の決意です。

 趣味は将棋で、最近のプチ自慢は、藤井聡太七冠に勝ったことがあるプロ棋士の方に、将棋の大会で小学校の時に勝ったことがあることです。頑張っていきたいと思います。よろしくお願い致します。

―5000人以上の方には具体的にどういう内容を。

 例えば、高校門前宣伝で「将来は何時間労働がいいですか」とお話を聞いたときに、高校生は6時間、7時間がボリュームで、 今の8時間労働プラス残業を、嫌だと思っている高校生は多いと実感しています。他にも学費の問題やジェンダー平等など、様々なテーマでお話を聞いてきました。

 もう一枚同じシールボードがあって、(労働時間の12時間に)4枚貼られているのですが、共通していることは、このくらい働かないと賃金をもらえないんじゃないかと思っている。日本の低賃金、これが長時間労働しないといけないと。実際に今、残業しないと生きていけない方もたくさんいらっしゃると思う。日本共産党は最低賃金を1500円に引き上げるとともに、 長時間労働を是正する、 7時間労働制の提案を行っています。

―小堤氏が考える公約は。

 中小企業支援で最低賃金1500円以上、7時間労働制、 そして残業時間も1年360時間までに規制することを厳格にやっていこうと、働き方の問題で提案しています。非正規雇用を正規雇用に転換していくことも提案しています。

 また、大学の学費は無償化に向けて今すぐ半額にしていくこと。 奨学金も借金ではなくて給付制に変えていく。今奨学金を返されている方の半額を国が援助してしていく。入学金もゼロにしていこうと提案しています。大学の学費について、首都大学東京(現:東京都立大学)の門前で対話を繰り返したことがあります。その中で学生の貧困の実態を目の当たりにしました。例えば、「昨日500円弁当を食べてしまい、 贅沢してしまった」と落ち込んでいる母子家庭の大学生や、大学院まで行って奨学金を900万円借りてしまい、借金を背負って社会に出なければいけない人、入学金が支払えず、派遣で3年働いてお金貯めて大学に行った人などいました。私の父親の世代は国立大学15000円でしたが、 今は53万円、東京大学は値上げして64万円、 自民党政治によって引き上げられてきている。

 失われた30年で給料も上がらないので、 奨学金を借りている人も増えている。30年間で奨学金の借金総額が17倍の10兆円になっていることを、 政治の力で減らしていかないとけない。私自身がやってきたこととして、当時の首都大学東京で、学費を免除する制度があり、それは経済的に困窮されている方は免除できたのですが、 東京都の予算が少なすぎて、免除されるはずの100人以上があぶれていました。この実態を東京都議会に提出し、日本共産党の都議団が質問をしたら、予算措置が取れて、経済的に困窮していれば免除されることになりました。その後、日本共産党の都議団が都議会で追及を続けて、 来年度から東京都立大学の学費は、東京都民なら無料になることになりました。日本共産党の都議団は今、野党第一党なんです。なので、日本共産党を伸ばせば、学費は値下げするし、無料になっていく。今度は国勢で学費を今すぐ半額にして、無償化へ進めていきたいと思っています。

ー幅広い世代に伝えていく意味での公約は。

 消費税の5%減税だったり、年金も今減ってますので、増える年金に、そして医療介護も充実にということも申し上げています。どうしてもこの失われた30年の話をすると、現役世代の話になりがちですが、高齢者も大変なんです。年金もアベノミクス以降7.8%も減っていますし、30年間で国保料は1.5倍、介護保険料は2倍になっています。その上に消費税が増税され、物価も高騰していることで、今、高齢者支援もしないといけないのに、 例えば自民党さんや維新、国民民主さんは、この高齢者の福祉を削って若者支援をしようという発想があるんです。この高齢者と若者に分断を持ち込む政治に未来はないと思っています。アベノミクスで大企業富裕層を大儲けしていますから、適切に課税をすることで、年金の引き上げや消費税5%減税、介護福祉の充実といった財源を作っていくのが日本共産党の提案です。

―政治とカネ問題については。

 政治とカネは、裏金の問題、そして、江東区の汚職腐敗という両方があり、メディアの皆さんも政治不信と言ったりしますが、自民党の問題なんです。そこを一緒に語らないでいただきたい、というのが一つあります。例えば、裏金の問題でどのようにしていくのかと言いますと、 日本共産党がやっていることをみんなやれば裏金は一切なくなります。日本共産党は企業団体献金を受け取らない、そして政治資金パーティーを開かないことをやってきた唯一の政党です。政治資金パーティー、企業団体献金を廃止すれば裏金はなくなるんじゃないかということを提案しています。実は30年前から、企業団体献金禁止法案を国会に提出をしています。この30年、見向きもされませんでしたが、裏金問題が始まって、他の政党の皆さんも企業団体献金まずいんじゃないかという意見も出始めてるんです。だから、今回の総選挙で日本共産党を大きく伸ばしていただくことが、この企業団体献金を全面禁止していく。政治資金パーティーも禁止して、裏金根絶につながることが今訴えていることです。

 江東区の腐敗の問題は、改めて振り返ると、この5年間で8人の自民党政治家が逮捕されたり起訴されたりしています。うち二人は衆議院議員の方でした。あと維新の会の方が一人、区議会議員さんで書類送検されている方がいらっしゃる。そういう状況にありますが、これも政治とカネの問題なので、普段からお金をもらう関係、企業も含めて団体も含めてお金をもらうことをやめていくことが必要だと思います。もらうにしても国民から個人献金という形に抑えていくということが必要だと思うんです。ですので、裏金問題とも通じますが、この企業団体献金を禁止にしていくことが、一番汚職・腐敗をなくしていく力になりますし、そのために日本共産党がやっていることをみんなでやろう、というのが私の提案になります。

―幸せな社会を作っていくためには。

 労働時間の削減です。日本は年間約300時間、ヨーロッパ諸国よりも労働時間が長いです。毎日、働いて寝ての繰り返しで、土日も体を休めるのが精一杯。また、介護、育児、家事という問題もあり、これがジェンダー不平等の社会で女性に押し付けられてきたことで、 日本の女性は睡眠時間が世界で一番短いと言われています。1日7時間、週35時間、そして残業も適正し、自由な時間を増やすことが幸せにつながっていくと思います。8時間労働制プラス残業という働き方は、77年前にできた制度。そこから生産力は大幅に引き上がっているにもかかわらず、それが財界にたまるけど、賃上げ、 労働時間の短縮につながっていない問題は、 幸せを考えたときに大きな問題。政治がそこを追求し、労働時間削減の社会をつくる先頭に立つべきだと思っています。日本共産党は企業団体献金を一切受け取りませんので、 この財界にも忖度せずに物をのせることで、労働時間を削減しよう、そして自由な時間を増やして幸せをつかもうというのが、 この選挙で一番訴えたいことです。

(ABEMA NEWS)