これまでスマートホームの魅力や導入方法、さまざまなライフスタイルにおけるニーズに合わせたスマートホーム機器の導入方法について紹介してきました。今回は、防犯対策に役立つスマートホーム機器を紹介します。

まずは“基本のキ”であるドア・窓施錠をしっかりと

窃盗犯などの侵入を防ぐためにまず大事なことは「施錠をしっかりすること」です。警察庁「刑法犯に関する統計資料」によると、2022年に発生した住宅における侵入窃盗の認知件数1万6524件のうち、約46.8%を占める7731件が「無締まり」、つまり玄関ドアもしくは窓を施錠していない状態で侵入されているという結果が出ています。筆者も窓を開けっ放しで扇風機で涼を取っている状態のまま出かけてしまったこともあり、「ドアのカギは閉めても窓は非施錠」という状態になってしまうことも多いのではないでしょうか。

 

こうした状態を防ぐためには、玄関ドアならカギの開閉を自動化できる「スマートロック」、窓なら「ドア・窓開閉センサー」を導入したいところ。

 

今回はおすすめ製品としてCANDY HOUSEの「SESAME(セサミ)」シリーズを紹介しましょう。指紋認証や暗証番号での解錠が可能なスマートロックに加えて、ドア・窓センサーなどをラインナップしています。

 

スマートロックの「SESAME 5 Pro」(実売価格7678円・税込)に「SESAMEタッチ Pro」(同4378円)を組み合わせることで、16桁までのパスワードと指紋認証、手持ちのSuicaや社員カードなどのICカード(FeliCa、MIFARE規格に対応)で解錠できるようになります。さらに別売のスマートリモコン「Hub3」(同2178円)を組み合わせることで、カギの開閉情報を離れた場所から確認したり、遠隔操作したりできるようになります。

↑CANDY HOUSEのスマートロック「SESAME 5 Pro」

 

↑指紋認証や暗証番号での解錠ができる「SESAMEタッチ Pro」

 

↑SESAME 5 Proを遠隔操作できるスマートリモコン「Hub3」

 

↑スマホ向け「セサミ」アプリの画面

 

もう一つ追加導入したいのが「オープンセンサー」(同1078円)です。SESAMEシリーズはほかのスマートロックと違って開閉センサーを内蔵していないので、ドアが万が一何かに引っかかって閉まっていない状態でも、そのままカギを締めてしまう場合があります。このオープンセンサーを追加することで、そういったトラブルを防ぐことが可能。他社製品と違い、ドア枠からカギのサムターンが離れていても難なく感知できるのが強みです。

 

オープンセンサーはドアだけでなく窓や引き出しなどにも使えるので、窓が開けっ放しのまま出かけたらお知らせするといった活用法もできます。

↑SESAME 5 Proをオートロック対応にできる外付け開閉センサー「オープンセンサー」

 

 

スマートリモコンやスイッチロボットなどで在宅を装う

先ほど紹介した「刑法犯に関する統計資料」によると、2022年の住宅侵入窃盗の認知件数1万6524件のうち、家人が留守中に侵入する「空き巣」が1万553件(約63.9%)、家人が就寝中に侵入する「忍び込み」が4162件(約25.2%)、家人がいる中で侵入する「居空き」が878件(約5.3%)と、圧倒的に留守中が多くなっています。そうなると、次の手段として考えられるのが「在宅を装うこと」です。

 

特に出張などで数日以上家を空けることが多い人は対策した方がいいでしょう。おすすめしたいのは、以下の方法です。

・スマートリモコンで照明を自動的につける
・スイッチロボットで壁スイッチを押して自動的に照明をつける

 

先ほど紹介したCANDY HOUSEの「ハブ3」のほか、「スマートホーム初心者が最初に買うべき!『スマートリモコン』選びの条件と使い道」で紹介したスマートリモコンでも照明のリモコンを学習することで遠隔操作できるようになります。

 

CANDY HOUSEは壁スイッチなどのボタンを遠隔操作できるスイッチロボット「セサミボット2」(実売価格2178円・税込)もラインナップしており、これを利用すればリモコンが使えない照明でも遠隔操作できるようになります。

↑壁スイッチなどのボタンを遠隔操作できるCANDY HOUSEのスイッチロボット「セサミボット2」

 

セキュリティカメラやスマートドアホンなどで万全対策

自宅のセキュリティを万全にするためには、やはりセキュリティカメラの導入がおすすめです。人感センサーで人や物の動きを検知して自動的に撮影できるのはもちろんのこと、アラート音を発生させることで侵入者を追い払う機能を持つものもあります。おすすめのアイテムとしてアマゾンの「Ring」シリーズを紹介しましょう。

 

スマホアプリで遠隔応答したり、動作を検知すると自動録画したりしてくれるスマートドアホンの「Ring Battery Doorbell Plus」(実売価格2万4980円・税込)や、屋内用の有線カメラ「Ring Indoor cam」(同4980円)、センサーライトとセキュリティカメラを一体化した屋外用カメラ「Ring Spotlight Cam Plus Battery」(同2万4980円)などをラインナップしており、玄関から室内、庭などの屋外まで家の内外をしっかり防犯できます。Ringのスマートドアホンや無線カメラはバッテリーが共通なので、予備を用意しておけばバッテリーが切れる前に交換でき、常に自宅のセキュリティを万全に保つことができます。

↑アマゾンのスマートドアホン「Ring Battery Doorbell Plus」

 

↑屋内用の有線カメラ「Ring Indoor cam」

 

↑センサーライトとセキュリティカメラを一体化した屋外用カメラ「Ring Spotlight Cam Plus Battery」

 

↑スマホ向け「Ring」アプリの画面。ドアホンや屋外カメラなど複数の映像を一覧で確認できます

 

そのほか、これまでにも何度か紹介してきた+StyleやSwitchBotなどのプラットフォームでも屋内用、屋外用のカメラをラインナップしています。1つのアプリで家電の操作のほか、カメラ映像も確認したいのであれば、自分が使っているプラットフォームの製品で揃えるのもおすすめです。

↑+Styleの「ホームカメラ PS-CMR-W03」(実売価格6480円・税込)

 

↑SwitchBotの「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」(同1万2980円)

 

防犯対策としてセンサーライト付き屋外用カメラを導入するのが一般的ですが、屋内用の場合は同居する家族のプライバシーの課題もあります。家族がいる場合は、庭やベランダに出る掃き出し窓など泥棒の侵入経路になる場所を撮影するよう設定し、室内はほとんど映らないようにするなど、プライバシーの保護を検討したいですね。