巨人打撃コーチ時代の橋上秀樹氏

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 巨人は21日のCSファイナルステージDeNA戦(東京ドーム)に2―3で惜敗し日本シリーズ進出を逃した。

 就任1年目の阿部慎之助監督が掲げた「1点を守り切る野球」はリーグトップのチーム防御率2・49が示すように体現できた。一方で来季の課題は462得点(リーグ4位)に終わった攻撃面だ。チーム打率こそ2割4分7厘(同2位)と合格点だったが、81本塁打(同3位)、59盗塁(同4位)と振るわず投手陣に負担をかけた。

 チームの得点力アップを目指すため、経験豊富な橋上秀樹氏(58=現オイシックス監督)を一軍作戦コーチとして迎えることが検討されている。阿部監督にとって母校・安田学園高の先輩に当たり、巨人には2012年から3年間在籍。一軍戦略コーチや打撃コーチを歴任し、現役選手だった阿部監督は橋上氏の助言で12年にキャリアハイとなる打率3割4分、104打点で首位打者と打点の2冠に輝いている。

 当初、フロントは4年ぶりのリーグVを果たした一軍コーチ陣について、士気も考慮して動かさない方針だった。だが、紙一重の戦いを経験した指揮官は全球団からターゲットにされる来季のさらなる苦戦を想定。関係者によれば、橋上氏を招聘するため山口オーナーに直接進言したという。球団側も指揮官の熱意を最大限くむ方針で、楽天でもヘッドコーチを2度経験した橋上氏が作戦面で手腕を発揮することになりそうだ。
 
 リーグ優勝という大きな使命を果たしながら日本一への道を閉ざされた阿部巨人。できる限りの手を打ち、悔しさを晴らす。