その後、ユーロドルは1.0815ドル付近と本日安値圏での取引が続いている。本日の為替市場はドル買いが強まっているほか、ECBの積極的な利下げ期待からユーロ自体も上値の重い展開が続いている。目先は8月初めに強いサポートとなっていた1.08ドルちょうどの水準をブレイクしてくるか注目される。

 フィッチ・レーティングスがECBの利下げペースについて、9月に同社が示した「グローバル経済見通し」における予測よりも速める可能性があると指摘。しかし、6月に始まった今回の利下げサイクルでは、金利は合計で2.00%ポイント低下し、2025年末には2.00%になると予想しているようだ。

 ECBは先週の理事会で政策金利を0.25%ポイント引き下げ中銀預金金利を3.25%に引き下げた。12月の理事会でさらに0.25%ポイントの引き下げが行われ、来年を通して3月からの四半期ごとに0.25%ポイントの引き下げが行われ、年間で計1.00%ポイントの引き下げが行われると見込んでいる。

 しかし、賃金やサービス価格のインフレが依然として高いことを反映し、来年の大半を通じて金利は抑制的な水準に留まるだろうとも述べている。フィッチは、ユーロ圏の中立金利を2%と見ており、今回の金利サイクルにおけるターミナルレート(最終到達点)も2%になると予想している。

EUR/USD 1.0816 EUR/JPY 163.10 EUR/GBP 0.8329

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美