空中から投下された支援物資が直撃し亡くなったサミ君(3)のおじ、モハメドさんは物資の中身を取り出して「こんな物のために私たちの子どもが死んだ」と訴えた/CNN

(CNN)パレスチナ自治区ガザ地区中部で、空中から投下された支援物資に当たって3歳の男の子が死亡したと家族が訴えている。

「私たちがここに座って朝食を食べていた時に、飛行機が支援物資を投下した。それを見て、私たちのテントにあまりに近かったので恐怖を感じた」。ガザ南部ハンユニスでサミ・アイヤドさんはCNNにそう語った。

アイヤドさんと孫のサミ君は近くの仮設テントに逃げ込もうとしたが、落ちてきた支援物資のコンテナがサミ君を直撃した。即死だった。

「彼らはパラシュートで支援物資を投下して、その物資が私たちの孫を殺した。何のために? 支援などいらない。息子は逝ってしまった」。父のマフムード・アイヤドさんは憤る。

テントの中にいたサミ君のおばといとこも、投下された支援物資のために負傷した。いとこの女性は顔にけがを負い、おばは足を骨折した。

サミ君のおじのモハメドさんは、支援物資の荷物を開封すると、中身を取り出してCNN記者に突き付けた。「こんな物のために私たちの子どもが死んだ。マメだと! これが私たちの尊厳か? パック入りの紅茶が? パック入りの砂糖が?」

ガザで人道危機が深刻化の一途をたどり、陸路が封鎖される中、各国は食料支援を届けるために空中から投下する手段を使うようになった。しかし支援団体はイスラエルの同盟国に対し、イスラエルを説得して厳重な封鎖を緩めさせ、陸路で支援物資を搬入させるよう求めている。

支援物資の空中投下は危険かつ屈辱的だとガザの住民は訴え、支援の中身についても疑問を投げかけている。医療支援団体によれば、ガザに投下された物資の中には、例えば電子レンジで温めなければならない食品などが入っていたこともあった。