英語を話すときはどんなことに気をつければいいのか。SNSフォロワー数累計90万人の「英語学習インフルエンサー」こあらの学校さんは「同じ英単語でも、日本人が聞いて思うものと海外の人が思うものが違うことはたくさんある。たとえば『恋人』を辞書で調べると『lover』と出てくるが、ネイティブには『愛人』と聞こえてしまう」という――。

※本稿は、こあらの学校『読まずにわかる こあら式英語のニュアンス図鑑』『カンタンなのになぜか伝わる こあら式英語のフレーズ図鑑』(ともにKADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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■英語で「トイレを借りてもいいですか?」はどう言えばいいのか

海外で急にトイレに行きたくなった! そんなピンチなとき、ちゃんとトイレを借りたいことを英語で言わなくてはいけません。

でも日本人が海外に行くと便器借りがちな説がある どういうことでしょうか。

トイレだから……「toilet」! 借りるだから「borrow」だよね。

「トイレを借りてもいいですか」と言いたいから……じゃあ……「Can I borrow the toilet?」だ! 実はこのフレーズ、ネイティブには「便器を借りてもいいですか?」と言っているように聞こえてしまうんです。

アメリカでは「toilet」は便器の意味で使われます。「borrow」は借りて別の場所で使うことを言うため、トイレを使用させてもらいたいときは「May I use the restroom?」が正解です。

トイレを借りてもいいですか?

● 誤り: Can I borrow the toilet?(便器を借りてもいいですか?)
● 正しい表現: May I use the restroom?(トイレを使ってもいいですか?)

でも実際は、「Toilet?」だけでも言いたいことは伝わるので、あんまり難しく考えなくて大丈夫。単語だけでも伝わります!

出所=『カンタンなのになぜか伝わる こあら式英語のフレーズ図鑑』(KADOKAWA)

■「Lend」「Borrow」「Rent」はどう違うのか

ちなみに「貸す」「借りる」を意味する英単語も覚えにくい単語ですよね。

英語の「Lend」「Borrow」「Rent」という3つの動詞。これらの単語はすべて「貸す」「借りる」行為に関連しているものですが、使い分けは正しくできますか?

実はこれらの単語は、無料か有料か、またどちらが貸す側か借りる側かで使い分けられます。

Lend(貸す)

⇒無料で物を貸す場合に使います。

たとえば、Shall I lend you an umbrella?(傘をお貸ししましょうか?)。

Borrow(借りる)

⇒無料で物を借りる場合に使います。

たとえば、Can I borrow your umbrella?(傘を借りていいですか?)。

Rent(貸す/借りる)

⇒有料で物を貸すまたは借りる場合に使います。

たとえば、「貸す」の意味だと、I rent a room to a student.(学生に部屋を貸している。)。

「借りる」の意味だと、I rent a room from a kind landlord.(親切な大家さんから部屋を借りている。)。

無料なのか有料なのか、そして貸すか借りるかが判断のポイントです。これらの単語を使い分けてみてくださいね。

出所=『読まずにわかる こあら式英語のニュアンス図鑑』(KADOKAWA)

■「I like dog」=私は“犬の肉”が好きです

自分が好きな動物について話したいとき、自分が何の動物が好きかを英語で言うのはカンタン! と思っていませんか?

犬が好き、猫が好き、ウサギが好き、コアラが好き……好きな動物の種類を相手に伝えたいとき、どう言いますか?

え?「like」を使えばいいでしょ? 犬は「dog」だから「I like dog.」!

こう考える方も多いのではないでしょうか。

しかしこう言ったとき相手には、「私は犬の肉が好きです。」と聞こえているかもしれません。

「I like dog.」だとdogが数えられない名詞として扱われてしまうため、犬という種類ではなく「犬の肉」と聞こえてしまうんです。つまり、犬が好きって言いたかったのに、犬の肉が好きと言っていることに。

数えられる名詞にするための「s」を忘れることで起きてしまう誤解。ぜひ気を付けてください。

私は犬が好きです。

● 誤り: I like dog.(私は犬の肉が好きです。)
● 正しい表現: I like dogs.(私は犬が好きです。)

出所=『カンタンなのになぜか伝わる こあら式英語のフレーズ図鑑』(KADOKAWA)

ちなみに「好き」の気持ちを表現する英語のフレーズをほかにもご紹介します。好きを意味する英単語といえばまず「like」が思い浮かびますよね。でもただ好きではなく、とっても好き、大好き、私の好きな気持ちは「like」よりもっともっとずっと大きい!

そういうとき

○I adore dogs. 私は犬を心から愛している。

さらに強い気持ちを込めたいときは

○I’m hooked on dogs. 犬に夢中だ。

という表現があります。自分の熱い気持ちを伝えたいときはこのようなフレーズも使ってみてはいかがでしょうか。

■「I have four families」=私は“家庭”を4つ持っています

4人だから「four」かな? 1人じゃないし、ファミリーを複数形にしないといけない?

えっと「I have four families.」? 違うんです。これだと、「私は家庭を4つ持っています。」になってしまいます。

「family」は、家族のメンバーひとりひとりではなく、家庭全体のことを指します。そのためfour familiesだと家庭を4つ持っていることになってしまうんですね。

4人家族と言いたいときは「We are a family of four.」と言いましょう。

我が家は4人家族です。

● 誤り: I have four families.(私は家庭を4つ持っています。)
● 正しい表現: We are a family of four.(私たちは4人家族です。)

出所=『カンタンなのになぜか伝わる こあら式英語のフレーズ図鑑』(KADOKAWA)

■「複数の人数」を言うときの正しい表現とは

ちなみに4人の人間について英語で言うとき、その4人が、「何人もいる中での4人」か、「対象となる人全員が4人」かで冠詞「the」の有無が変わってきます。

「一部を指す」か「全員を指す」かをまず考えてみてください。

複数の中の誰か

○Four of them came to the party. (彼らのうち4名がパーティに来た。)

→ グループの中から一部の人だけがパーティに来たことを表します。

一方、

対象の全員

○The four of them came to the party. (彼らの4人全員がパーティに来た。)

→ 全員がパーティに来たことを強調しています。

このときは「The」を付ける必要があります。

複数の人数を言うときの表現、正しく言えるようにしておきましょう。

出所=『読まずにわかる こあら式英語のニュアンス図鑑』(KADOKAWA)

■「lover」はネイティブには「愛人」と聞こえてしまう

恋人って英語で何と言うのだろう? 検索してみると「lover」っていうのが出てきた!

こあらの学校『カンタンなのになぜか伝わる こあら式英語のフレーズ図鑑』(KADOKAWA)

じゃあ「This is my lover.」でいいかな。

こう思ってしまいそうですが、じつは「lover」はネイティブには「愛人」と聞こえることがあるから注意が必要です。

ネイティブが普段使う自然な表現は「partner」。なので恋人を紹介したいときは「This is my partner.」を使ってみてください。

こちらは私の恋人です。

● 誤り: This is my lover.(こちらは私の愛人です。)
● 正しい表現: This is my partner.(こちらは私の恋人です。)

出所=『カンタンなのになぜか伝わる こあら式英語のフレーズ図鑑』(KADOKAWA)

ほかにも同じ単語でも日本人が聞いて思うものと海外の人が思うものが違うことはたくさんあります。

たとえば「Mansion」は日本人は集合住宅の「マンション」をイメージするけれど、オーストラリアでは「豪邸」を意味したり、「Sushi」は日本人にとっては握りの「寿司」がすぐ頭に浮かぶけれど、オーストラリア人はSushiと聞くと「のり巻き」を連想します。

ぜひ様々な英語の表現を覚えてみてくださいね!

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こあらの学校(こあらのがっこう)
英語学習インフルエンサー
オーストラリア在住のこあたんが校長の「世界中どこでも楽しく生きられる」を目指す学校。楽しく、分かりやすく英語を学べるイラストをX(旧Tiwtter)及びInstagramで毎日発信。大人になるまで海外経験がなく、もともとは英語に苦手意識があったこあたんだからこそ分かる、英語学習者が本当に知りたいポイントを伝えている。特にXは一目で内容が分かる可愛いイラストとシュールな面白さが支持され、フォロワー数は77万人超。
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