謎の「青い“クラゲ”」出た! メーターの「表示」何を意味する? 点灯した時の“心構え”とは
道路交通法には「“青クラゲ”の状態が基本」と記されていた!?
クルマのメーターパネル内に、横に泳ぐ「青いクラゲ」のような表示灯が点灯していることがあります。
夜間に点灯していることが多いですが、この“青クラゲ”は何を表しているものなのでしょうか。
青いクラゲが横に泳いでいるようにみえるのは、「ハイビーム表示灯」です。
【画像】「えぇぇぇぇ!」これがメーターにある「謎の表示」の正体です(16枚)
ヘッドライトが上向きになっている状態(ハイビーム)のときに、青く点灯します。
近年は、ハイビームとロービームを自動で変更してくれるシステム「自動切替型前照灯」、たとえばトヨタの「オートハイビーム」(メーカーによって名称は異なる)が搭載されているクルマが増えていますが、自動でハイビームに切り替わった際も、この表示灯で確認ができます。
クルマのヘッドライトに関しては、道路交通法第52条において次のように記されています。
「車両等は、夜間道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。」
前照灯については、道路運送車両の保安基準において規定されている走行用前照灯、いわゆるハイビームのことを指し、ロービームはすれ違い用前照灯といいます。
ハイビームとロービームの使い方については、国家公安委員会が作成する交通安全教育の指針である「交通の方法に関する教則」の第6章にあります。
「前照灯は、交通量の多い市街地などを通行しているときを除き、上向きにして、歩行者などを少しでも早く発見するようにしましょう」
つまりハイビームが基本という訳です。
もちろん、交通量の多い市街地の道路などではロービームでOKです。
そうではない道路では基本的にはハイビームで走行し、対向車と行き違うときやほかのクルマの直後を通行しているときのみ、下向きに切り替える、というのが原則なのです。
高速道路を走行中に関しても「夜間は、対向車と行き違うときやほかの車の直後を通行しているときを除き、前照灯を上向きにして、落下物や交通事故などにより停止した車を少しでも早く発見するようにしましょう」とされています。
一般道と同様に、周囲にクルマがいないときはハイビームにしておく必要があります。
近年は「自動切換え」機能が普及しているが注意すべき点も
ただ、走行中に度々対向車が現れる状況だと、切り替えが面倒であるほか、気づくのが遅れてしまえば対向車を眩惑させてしまうことにもなりかねません。
これを解決してくれるシステムが、先ほども触れたオートハイビームなどとよばれる自動切替型前照灯です。
対向車などの接近を感知し、自動でハイビームとロービームを切り替えてくれます。
ただし、JAF(日本自動車連盟)が2019年に実施した「ユーザーテスト」の実験によると、オートハイビームは対向のクルマには反応したものの、歩行者や自転車に対しては自動でロービームに切り替わることがなかったといいます。
対向するバイクに対しても、対向するクルマよりも反応が遅かったりしたほか、街灯やガードレールの反射板などがあると、切り替えが不安定になることもあったという結果でした。
トヨタの取扱い説明書に記されるオートマチックハイビームの注意書きにも、「ハイ・ロービームの切り替え自動制御は状況により限界があります」とされているほか、「道路状況および天候状態等によっては、ご利用になれない場合があります」とあり、やはりドライバーが必要に応じて手動で切り替えることが必要です。
切り替えているうちに「あれ、いまどっちだっけ」となったときには、“青クラゲ”の表示灯が点灯しているかどうかで確認しましょう。
また市街地走行中に誤ってハイビームになっていないかチェックするときにも、この表示灯で確認をするようにしてください。
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警察庁によると、夜間にクルマが直進中、歩行者と接触し死亡事故となってしまったケースでは、ハイビームを活用していれば、衝突回避できた可能性が高いものが一定数あったといいます。
ハイビームはロービームよりも2倍以上遠くから歩行者を確認できるといわれます。
事故を未然に防ぐため、交通量の多い場所を除いては原則ハイビームで走行するようにしましょう。