“トヨタ「ルーミー」のライバル” スズキ新型「ハイトワゴン」そろそろ登場!? 高性能エンジン搭載&軽量化実施か? スライドドアもめちゃ便利な「ソリオ」次期型はどうなるのか
コスパの高さが魅力! スズキ小型車随一の人気者「ソリオ」はどうなる!?
スズキの小型ハイトワゴン「ソリオ」は、現行モデルが2020年12月に誕生してから4年目に突入しており、次期型の登場もそう遠くないと思われます。
はたして次期ソリオはどのようなクルマになるのか、予想します。
ソリオはもともと、軽ハイトワゴン「ワゴンR」をベースにコンパクトカーサイズへ拡大した「ワゴンRワイド」に端を発しています。
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その後「ワゴンRプラス」「ワゴンRソリオ」と名称を変え、2005年に“ソリオ”となりました。
そこから数えると、現行モデルは2020年12月に誕生した4代目です。
ボディサイズは、全長3790mm×全幅1645mm×全高1745mm、ホイールベース2480mm。
小柄な車体によって、狭い道のすれ違いや駐車場での取りまわしも楽々とこなすことができる一方で、荷室や後席は広々しており、特に後席空間の使い勝手の良さは、「これぞ究極のドメスティックカー」といえる魅力があります。
もちろん、最新の運転支援機能もしっかりと搭載されています。
こうした数々の魅力に加え、ガソリン車は164万円から、マイルドハイブリッド車も192万円からと、コストパフォーマンスに優れているのもソリオの優位点といえます(価格は消費税込み)。
自販連調べによる2024年度上半期(4月から9月分)の販売順位でソリオは20位(2万5448台)にランクインしました。
これは、軽を除いたスズキの小型乗用車のなかでは、コンパクトカー「スイフト」(25位/1万5785台)を抜いて国内トップに位置します。
月販4000台から5000台を売り続ける人気ソリオですが、これまで5年から6年おきにフルモデルチェンジされていることを考えれば2025年か、遅くとも2026年までには5代目モデルが登場することになります。
そんな次期ソリオで気になるのは「電動化」技術です。どのような展開となるのでしょうか。
次期「ソリオ」が採用する「電動化技術」とは
現行型のカタログ燃費は、マイルドハイブリッド車で19.6km/L(WLTCモード燃費、以下同)、駆動用モーターとAGS(オートギアシフト)を組み合わせたスズキ独自のストロングハイブリッドで22.3km/Lです。
ライバルのトヨタ「ルーミー」/ダイハツ「トール」はハイブリッド非採用で18.4km/Lに留まっており、大きなアドバンテージとなっています。
このように現行型ソリオも決して悪い燃費ではありません。
しかし、今後より厳しいCO2排出規制の時代を控え、トヨタのコンパクトハイブリッドカー「ヤリス」や「アクア」のような、カタログ燃費30km/Lを超えるストロングハイブリッドも必要になります。
ただ筆者(自動車ジャーナリスト 吉川 賢一)は、ソリオは次期型でもマイルドハイブリッド車を中心にラインナップするのでは、と予測しています。
スズキは、2024年7月17日に発表した「10年先を見据えた技術戦略」において、これまで培ってきた軽量プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」技術をさらに進化させて軽量化に取り組むとしています。
軽量化は、製造時に必要なエネルギーや、動かすためのエネルギー、そして材料の仕様量も削減し、さらにはリサイクルに必要なコストも減らせる、と多くのメリットが多くあります。
衝突安全性が背反となりますが、スズキは「HEARTECT」技術によってこれをクリアするとしており、軽量化を突き詰めることで、燃費性能を改善してくるのでは、と考えられるのです。
またハイブリッドシステムも、軽量かつコストも抑えたものを採用する模様です。
スズキの技術戦略では、既存の軽自動車用12Vマイルドハイブリッドシステムを、次世代では48Vマイルドハイブリッドシステム「48Vスーパーエネチャージ」へ進化させると記されています。
2023年12月に発売を開始した新型スイフトに搭載した、最大熱効率40%を達成した高効率エンジン技術も、今後軽から小型車まで水平展開するとしており、この2つの低燃費技術を組み合わせるものとみられます。
トヨタ式のように大容量の駆動用バッテリーを搭載するストロングハイブリッドにすれば、大幅な燃費改善は見込めますが、その分クルマは重たくなり、コストも上がるなど、ユーザーが期待する「コスパに優れたソリオ」という美点からは外れてしまうかもしれません。
その点で次期型ソリオは、あえてストロングハイブリッドを搭載せず、軽量化したうえでハイブリッドシステムの48V化や熱効率40%のエンジン技術の投入により、さらなる燃費向上を達成してくると考えられるのです。
技術開発は困難がつきものですが、今後のスズキエンジニアの開発力に期待したいところです。