もう替える? 購入すべき? 「冬タイヤ交換」時期はいつがベスト? 毎年慌てる前に…! タイヤのプロが解説

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「冬タイヤ」いつ履きかえるべき?

 タイヤは季節ごとに適したものに交換することが推奨されています。とくに冬は雪の上でも走行できるスタッドレスタイヤに履き替える人が増えますが、いつ頃交換するのがベストなのでしょうか。

 また毎年、10月頃からカー用品店やタイヤ販売店では「冬タイヤ」を積極的に宣伝し始めます。しかし、雪が降るのは大体12月頃。早い気もしますが、いつ頃購入するのが良いのでしょうか。

スタッドレスタイヤは残りの溝が50%を切ると使用禁止の場合がある

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 クルマのタイヤは、季節や地域の状況に応じて適切なものを選ぶことが必要だと言われています。

 とくに積雪時には、冬用タイヤとして知られる「スタッドレスタイヤ」を装着することが望ましいです。

 スタッドレスタイヤのゴムは柔らかく、温度が低いところでも硬くなりにくいという特徴を持っています。

 夏用タイヤのゴムは、温度が低下すると硬くなってしまう性質があります。

 ゴムが硬くなると道路との密着力が低くなりタイヤの摩擦力が悪化するおそれも。

 一方で夏タイヤとゴムの成分が異なるスタッドレスタイヤの場合は低温化でも摩擦力を維持し、雪の上でもグリップ力を発揮することができます。

 そのため、特に降雪地域での走行はスタッドレスタイヤが必要不可欠なのです。

 では、夏タイヤから冬タイヤに履き替えるタイミングはいつ頃がベストなのでしょうか。

 これに対し、都内のタイヤ販売店の担当者は次のように話しています。

「スタッドレスタイヤは路面が温かい状態だと痛みやすいので、積雪が少ない地域でも気温が下がってくる11月、12月ごろを交換の目安にしていただけると大丈夫だと思います。

 一方で積雪が多い地域などは、10月から履き替えておいたほうが安心です」

 スタッドレスタイヤは夏場の使用も不可能ではありませんが、積雪路などへの対応を考慮された性質上、夏場の熱い路面には向いていません。

 そのため、年中スタッドレスタイヤを装着することはおすすめできないようです。

 気温が低くなってくる11月や12月を目処に履き替えを検討するようにしましょう。

 一方、都内など積雪が少ない地域に住んでいる人は、わざわざ履き替えるのが面倒だと思う人も多いかもしれません。

  しかし、都市部でも2月ごろには数十cm以上の積雪を記録する場合もあります。

 このような万が一の事態に備えて、スタッドレスタイヤのストックを持っていると安心です。

 また、夏でも冬でも対応できるオールシーズンタイヤを使用するという手もあります。

 オールシーズンタイヤでは、夏・冬問わず基本的にどの季節にも対応して走行することができます。

 雪道でも走行可能なので、タイヤの取り外しの手間を省きたいという人や、雪の少ない地域の人は、オールシーズンタイヤを使用してもよいかもしれません。

オールシーズンタイヤ、どこまで対応できる?

 すべての季節で使えるという「オールシーズンタイヤ」ですが、実際に夏タイヤやスタッドレスタイヤと比較した場合、性能としては同じレベルを果たすことができるのでしょうか。

 まず、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤを比べた場合についてみていきましょう。

 これについて、前出の販売店の担当者は次のように話しています。

「オールシーズンタイヤは雪道での走行は基本的には可能です。

 ただ、基本的に凍っている道路の上での走行には対応しておりません。

 そのため、降雪量の多い地域ではオールシーズンタイヤではなくスタッドレスタイヤを使用するようにしましょう」

 オールシーズンタイヤは、冬タイヤ規制のある道路でも通行が可能です。

 しかし、凍った道路での使用にはふさわしくありません。

 常に雪が降っていたり、気温が低いような地域の場合、夜や朝方に道路が凍ってしまう場合があります。

 このように凍った状態の道路のことを「アイスバーン」と呼びます。

 とくに、アスファルトが濡れているように見える「ブラックアイスバーン」は目視での判断が難しいため注意が必要です。

 オールシーズンタイヤはこうした凍った道路の走行では本来の性能を発揮出来ない恐れもあります。

積雪が少ない地域でも突如として大雪に見舞われることもある

 一方で、積雪時以外の乾いた路面におけるオールシーズンタイヤと夏タイヤを比べた場合はどうでしょうか。

 前出の担当者は以下のように述べています。

「夏タイヤは、サイズや性能が様々あります。

 音が静かだったり、雨に強いなど、特徴がタイヤによって異なります。

 そのため、オールシーズンタイヤに比べて選択肢が多く、自分の需要に合わせて選ぶことができます」

 夏タイヤとの差異でいうと、例えばタイヤの溝の切り方などがあります。

 夏用タイヤの場合は、水を排出するような仕組みで切り込まれていますが、一方の冬タイヤは雪の上での走行が可能なよう、水を引っ掻くようなイメージで溝が切り込まれています。

 そのため、オールシーズンタイヤのほうが音がうるさくなりやすいという弱点があるようです。

 他にも、経済的な面で見るとオールシーズンタイヤは優秀ですが、タイヤのへりや耐久性を鑑みると夏場や雪が降らない時期は夏タイヤを使うのがベターとも考えられます。

※ ※ ※

 夏タイヤから冬タイヤに交換する時期は、地域にもよるものの早くて10月、遅くとも11月から12月の寒さが増してていく時期が目安となっています。

 あまり雪が降らない地域や交換の手間が面倒という人にはオールシーズンタイヤもおすすめです。

 しかし、夏タイヤ・冬タイヤそれぞれ性能が大きく異なるので、居住地域やニーズに合わせて検討するようにしましょう。