日立製作所の米国子会社であるHitachi Digital Servicesは10月9日、信頼性の高い生成AIを構築、拡張、運用するフレームワーク「R2O2.ai」を提供開始したことを発表した。このフレームワークは、R2O2.aiは、AIワークロードの構想から大規模展開までのギャップを埋め、信頼性、責任性、観測性に優れたAIモデルを高速かつ効率的に提供することを目的とし、システムの信頼性やレジリエンス、セキュリティ、コスト効率を向上させる「Hitachi Application Reliability Centers(HARC)」の拡大にも貢献する。

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R2O2.aiは、Hitachi Digital ServicesのAI導入経験を活かし、業界共通の課題解決とAI導入のために構築された25 以上のカスタムモデルの包括的なライブラリで構成され、効率的なデータ適応とモデルの再利用を促進し、目的に特化したソリューションの展開を可能にする。このプロセスにより、これまで数か月かかっていた PoCから本番稼動までの移行が数週間で完了するとしている。また、ビジネスや業界の重要な課題に対応し、業務効率の向上、ダウンタイム削減、倫理基準の順守を支援する包括的なソリューションを提供する。

Hitachi Digital ServicesのCSOであるラジェッシュ・ラジャパン氏は、次のように述べている。「R2O2.aiは、HARCの提供をAIまで拡大します。R2O2.aiは、設計から構築、運用に至るまで、お客さまが次世代のAI技術を採用することを支援します。HARCの考え方をもとに、R2O2.aiは、目的に適したモデルを特定する段階から、業界のベストプラクティスを組み込むことで、開発者が効果的なAIソリューションを設計できるようにします。また、将来を見据えた設計と構築により、目的に合ったモデルを特定することで、高信頼かつ安全で最適化された運用を実現するフルライフサイクル・ソリューションを提供します。」

Hitachi Digital Servicesは、様々な業界でAI/MLソリューションを導入している。例えば、米国の車両運行会社では、R2O2.aiを活用して車両の故障を予測してダウンタイムを削減。英国のスマート病院では、R2O2.aiによるインテリジェントな患者管理システムを導入して退院までの時間短縮とケアの改善を実現した。また、大手プライベートエクイティファームでは、M&AプロセスをAIで効率化したという。