AdobeがContent Credentialsによってクリエイターが作品を保護し、認証表示を受けられるようにする新しい無料ウェブアプリ「Adobe Content Authenticity」を発表しました。

Media Alert: Adobe Introduces Adobe Content Authenticity Web App to Champion Creator Protection and Attribution

https://news.adobe.com/news/2024/10/aca-announcement

Content Credentialsは、デジタルコンテンツの「成分表示ラベル」のようなもので、誰でも自身の作品に付与できる安全なメタデータであり、作成者の情報と、それがどのように作成され編集されたかについての背景情報を提供します。



Adobeは2019年にContent Authenticity Initiativeを設立し、デジタルコンテンツの透明性を確保するための業界標準としてContent Credentialsの普及を推進しています。Adobeは「誤情報やAIで生成されたディープフェイクへの懸念が高まる中、Content Credentialsは製作者にとって重要なツールとなっており、デジタルコンテンツに関する重要な情報を提供できるようにすることで、消費者が信頼性を見極める手助けをしています」と述べています。

Adobe Content Authenticityは、Content Credentialsを一括で簡単に付与し、画像や音声、動画などのデジタルコンテンツに署名することができるウェブアプリです。さらにクリエイターは、Content Credentialsに含まれる氏名やウェブサイト、SNSアカウントといった情報をカスタムできるとのこと。これらの情報を付与することで、クリエイターは帰属情報の認証表示によって、無断使用や誤った情報から作品を保護し、信頼を確保することができるとAdobeは述べています。



また、Adobe Content AuthenticityにはGenerative AI Training and Usage Preference(生成AIのトレーニングと使用に関する設定)機能が実装されており、クリエイターがContent Credentialsを通じて「自身の作品を生成AIモデルのトレーニングに使用してほしくない」という意志を表明できるようになります。加えて、Generative AI Training and Usage Preferenceの設定が適用されたコンテンツはAdobe Stockへの投稿はされないとのこと。



さらに、AdobeはGoogle Chrome用のContent Authenticity拡張機能とAdobe Content Authenticityの検証ツールをリリースし、SNSやウェブサイトに投稿されたコンテンツに含まれるContent Credentialsを復元して表示できるようにすることも発表しました。

Adobe Content Authenticityで付与されたContent Credentialsは、コンテンツのライフサイクル全体を通じてクリエイターの作品に安全に関連付けられた状態を維持し、来歴情報が削除されたり、コンテンツのスクリーンショットが撮影された場合でも復元することができるとのこと。これを実現するために、Content Credentialsは、デジタル指紋、見えない電子透かし、暗号署名付きメタデータを組み合わせ、デジタルエコシステム全体でContent Credentialsが損なわれず、検証可能な状態を維持できるようにするとAdobeは述べています。



Adobe Content Authenticityのウェブアプリは、2024年11月から2025年2月末の四半期中に無料のパブリックベータ版が提供される予定。以下のサイトの「Join waitlist」をクリックすることでウェイトリストに登録できます。

Adobe Content Authenticity Beta

https://contentauthenticity.adobe.com/

また、Google Chrome用の拡張機能は以下で配信されています。

Content Credentials - Chrome ウェブストア

https://chromewebstore.google.com/detail/content-credentials/dmfbmenkapmaoldfgacgkoaoiblkimel