2022年10月に9年ぶりの復活を遂げたSOPHIAが、本当の意味でのリスタートをきった。2024年にバンド結成30周年、2025年にデビュー30周年を迎えるSOPHIAは、この連続するアニバーサリーを2年間にわたって祝福することが恒例となっている。30th Anniversary企画のコンセプトは“もう一度SOPHIAがデビューする”というもの。2024年夏のライブハウスツアー<SOPHIA TOUR 2024 “Dear Boys and Girls and”>は、1995年デビュー時に開催した全国ツアー<SOPHIA TOUR '95 "Dear... Boys & Girls">をオマージュしたものだった。そして、30th Anniversary第二弾として10月末から11月頭にかけて行われる公演が、<SOPHIA Premium Symphonic Night in 横浜BUNTAI>、<SOPHIA LIVE 2024 “スターライトヨコハマ”>、<SOPHIA LIVE 2024 “スターライトコウベ”>といった3本だ。

◆SOPHIA 画像

10月30日に開催される<SOPHIA Premium Symphonic Night in 横浜BUNTAI>は、2024年3月に開催されたフルオーケストラとの共演による<SOPHIA Premium Symphonic Night in 大阪城ホール>の一夜限りの再演となるものだ。さらには、2007年に横浜赤レンガ倉庫、2008年には神戸メリケンパークで開催した伝説の野外イベント<スターライト>シリーズの復活が、<SOPHIA LIVE 2024 “スターライトヨコハマ”>(10月31日@神奈川・横浜BUNTAI)、<SOPHIA LIVE 2024 “スターライトコウベ”>(11月4日@兵庫・神戸国際会館こくさいホール)となる。

BARKSはSOPHIAの現在について、三部構成でじっくりと話を訊いた。その第一弾は30th Anniversary ライブとなる<シンフォニックナイト>再演と<スターライト>復活、第二弾は10月23日にリリースされるミニアルバム『BOYS and』、第三弾はバンドの現在と未来。まず第一弾では30th Anniversaryライブにスポットを当てて5人に訊いたロングインタビューをお届けしたい。



   ◆   ◆   ◆

■復活できたことを噛みしめるために
■原点に立ち返る必要があった


──現在SOPHIAは、結成30周年のアニバーサリーイヤー真っ只中です。まずはこの結成30周年をどんな気持ちで受け止めているのか聞かせてください。

黒柳能生(B):30周年という言葉に俺は縛られてなくて。残り少ない人生のなか、あと何本ライブができるか分からないんだから、まず1本1本を全力で楽しむというフラットな気持ち。ライブをやる理由が30周年にあるのなら、せっかくだったらみんなで楽しみたいと俺は思ってる。大事な周年であることに間違いはないから。

赤松芳朋(Dr):1本1本なにもかも、めっちゃ大事にしたなという気持ちでいっぱいです。

都啓一(Key):30年間、こうしてミュージシャンをやれてるのはありがたいことだと思ってます。30年前はそのときしか見えてなかったので、30年後もミュージシャンをやってるなんて想像もしてなかった。一生やりたいと思っていた、とはいえね。実際に30年経ってみて、変わらずこうしてインタビューを受け、レコーディングをして、ツアーを回って、ということができてるというのは凄いことだと思います。ありがたいですね。


▲松岡充(Vo)

──30年経っても、当時と同じように5人で集合インタビューを受けているところも凄い。バンドが大きくなればなるほど、さまざまな要因から個別インタビューになりがちですから。

都:これが復活後、まだ2回目ですけどね(一同爆笑)。

豊田和貴(G):こうしてオリジナルメンバーでいまだにバンドができて、活動できていることは尊いと思うし。今、最高に楽しいので幸せです(笑)。

都:作文してきたメモを読んでる?

豊田:いや、ほんまにその言葉以外出てこないだけ。だから、メンバーみんな、元気でいてくれてよかったわ。元気がないと笑顔になれないので。

松岡充(Vo):30周年はたしかにありがたいことなんですけど、その“ありがたい”は一体誰に対してありがたいなのか。でも、それしかないんですよ。言葉にするとしたら。

都:分かる。

──活動休止期間はあっても、SOPHIAがここまでメンバーチェンジなく、30年続いてきた理由はなんだと思いますか?

赤松:まず生きてるからだよね。30年もあったら…そこで誰も死ななかったということ。それと、一人ひとりのSOPHIAに対する愛情じゃないですか。

都:それもあるけど、意外とそんなこと考えてなかったのかも。目の前のことを必死にやるしかなかったので。だから悪い言い方をすると、空っぽ。“あー、そういうことだったんだ”って後から意味が分かるっていうかね。これで、松ちゃん(松岡 充)も空っぽだったら、絶対に無理だったと思うんです。逆に、全員が自主的にガンガンいってたら、それはそれでダメになってた。SOPHIAはそうじゃなかったんですよ。もちろん、なにか議題がテーブルに上がれば、「それをやるなら、こういうのもある」みたいな意見はあるけど、根幹は松ちゃんに委ねてた。結果、それでうまく続いているんだと思います。

豊田:誰か一人でも辞めてたら、もしかしたら解散してたかもしれないし。でも誰も辞めんかったからかな。


▲豊田和貴(G)


▲黒柳能生(B)

──結成30周年アニバーサリーイヤーの第一弾として2024年夏、デビュー時の全国ツアー<SOPHIA TOUR ‘95 “Dear...Boys&Girls”>をオマージュしたライブハウスツアー<SOPHIA TOUR 2024 ”Dear Boys and Girls and“>を開催しました。当時と同規模のライブハウスで全国7ヵ所、チケット代も当時の価格のままというのは衝撃的でしたが。皆さん、やってみていかがでしたか?

赤松:狭いライブハウスにこれだけの人数が入るんだ!?っていう景色は正直凄かったです。だから、お客さんもステージの俺らも、お互い暑くて大変でした。あと、めちゃくちゃお互いの顔が見える距離だったのが新鮮でしたね。昔もライブハウスはやってましたけど、この年齢でまたあれを経験できたのがよかった。

黒柳:舞台が狭いとか照明がすげぇ近いとか、会場の天井が高かったり低かったり、場所場所によって個性がいろいろあったけど、俺たちがやることは一緒だからさ。けど、ライブハウスによっては照明が点くだけで体感温度が5℃ぐらい上がるところもあったりして、久しぶりに大汗をかくライブをやったなって感じ。“ライブハウスってこうだったな”っていうのを思い出した。

都:復活したSOPHIAの初ツアーが、結成30周年に合わせて、“30年前のツアーをオマージュしてのライブハウスツアー”って、企画としては面白いですよね。なかでも、どれが一番しびれたかって、3,090円っていうチケット価格。この物価高のご時世に、そこまで一緒にするのか!?って。

──これ、元々は誰が言い出したんですか?

都:松ちゃんです。けど、俺もそういうのが好きだから、「そこまでこだわりたいんやな、分かった」と。だって面白いじゃないですか。もちろん他のミュージシャンからは言われましたよ、「ライブハウスを回るのは面白いけど、いろいろ大丈夫なの?」って(笑)。キャパに対してお客さんもパンパンで大変だから、「君らも30年前に戻って頑張って」と言ってるようなツアーだったんですけど、それでも最後まで無事に回れた。当時をできるだけ再現した形でライブハウスツアーをやるというのは、なかなかできないことだと思いますよ、他の人は。“あの伝説ライブを今に再現”みたいなコンセプト公演はよくありますけど、俺らは伝説のライブじゃなくて、一番最初のデビューツアーの再現ですから(笑)。


▲都啓一(Key)


▲赤松芳朋(Dr)

──だはは。伝説でも何でもない、バンドのスタートライン(笑)。

都:そう。それを当時と同じ価格、THANK YOU=3,090円でやるからこそ伝わると思ってて。そこを信じたいんですよ。正直、“6900円でええやん?”とも思うけど、それだと違う。それを今できるSOPHIAは本当に凄いと思うし、それを楽しめるお客さんも凄い。これが30th Anniversary企画のスタートなんて、最高だと思います。

豊田:めちゃめちゃ愛されてるバンドだなと思いました。久しぶりにやる楽曲でも、そのイントロが鳴っただけでファンは反応するんですよ。すっごい笑顔になったり、笑ってるのに泣いてたり。ライブハウスだから、プレイしながらみんなの表情が一斉に目に入ってくるっていうのは、本当に絶景で。それが今回のライブハウスツアーの醍醐味でしたね。オリジナルメンバーでいまだに活動できてて、ステージでプレイするだけで、お客さんから凄まじいリアクションが返ってくる。めちゃめちゃ愛されてる空気がお客さんから漂ってるなって。こんなに素晴らしくて、尊いことはないよなって気持ちを噛み締めながら、最後の最後まで楽しめました。

──松岡さんには、今回の“デビューツアー再現”を企画した理由からお伺いしたいんですが。

松岡:SOPHIAはバンドだというのが根底にあるから、この5人がいれば、それだけで成立するんです。そんなの当たり前だって思うかもしれないけど、デビューしてからどんどん活動規模が大きくなるにつれ、サポートしてくださる方々も増えて、その方々のお陰で、僕らは用意してもらったステージに立つだけでよくなった。だけど、こうして復活できたことをもう一回噛みしめるために、原点に立ち返る必要があった。もう一回、素の5人だけの音楽を確認したほうがいいんじゃないかと。だからこのツアーを企画して、メンバーに提案したんです。そうしたら、さっき都が言ったように「やりたい」「おもろいやん!」って反応があった。さっきの質問の回答になるんですけど、そういうメンバーだからこそ、SOPHIAは30年続いたんだと思うんです。

◆インタビュー【2】へ


■30年間、変わらないためには
■それぞれが変わり続けなければならなかった


──今、改めて原点に立ち返ることに意欲的なメンバーたち。頼もしいです。

松岡:その上で、長くバンド活動を続けられているということは、ある意味音楽ビジネス的にも成り立っているということで。そんななかでも、“俺らはバンドやぞ”っていう、その大事な部分をちゃんと忘れずにいた。他の言葉に言い換えると、それぞれを信頼しているんです。だからここまでバンドが続いたんだと思うし、“デビューツアー再現”みたいな無茶をやるのも怖くない。だってね、3,090円というチケット代にしても、「ビジネス度外視してアホちゃうか!? なにやってんねん」って言う人もいると思うんです。だけど、それを「おもろいやん!」と言ってくれるメンバーと、再びタッグを組んだトイズファクトリーがいてくれたから可能になった。ずっと、はみ出した活動をしてきてるんですよね、SOPHIAは。

──はみ出すことがSOPHIAなりの処世術というか。

松岡:普通とか王道とか言われるような流れがあるんだけど、でもSOPHIAは、そのぬるま湯に浸らないようにしてきましたよね、この30年間。常に全体を冷静に見て、“ここにいたらあかんやん”と思ったら、5人固まってドロップアウトしてきた。そうしたら、その先に活動休止があったんですけど…。でも、そこから復活できた。であれば、ライブも原点に戻ろうと。今回のライブハウスツアーはステージにメンバーとメンバーが出す音しかない訳だから、誰かが手を抜いたらすぐ分かるんです。「ちゃんとしろよ、ジル!」って(一同笑)。そういう5人の凸凹したSOPHIA観をオーディエンスにリアルに観てもらったライブハウスツアーでした。

──チケット代まで当時と同じにする必要が?

松岡:ありました。“変わっていない”ことを伝えるために。「もしも君が迷ったなら」の歌詞じゃないけど、“僕らは変わらないから”と言い続けてきたんです、この30年間。ただ、変わらないためには、それぞれが変わり続けなければならなかった。今も変わり続けてるから、バンドも進化してる。それはすべて変わらないためで。そのことが3,090円という価格や、これからリリースする『BOYS and』に表れているんです。


▲松岡充(Vo)

──“デビューツアー再現”と並行して、全会場でファンクラブ会員限定イベント<Eternal presents Dear SOPHIAns>を開催していったところは進化した部分ですね。

松岡:そうですね。復活したとき、ファンクラブ“Eternal”にたくさんの方々が戻ってきてくれた。ファンクラブってライブチケットを取れるっていうのが一番の魅力だったりすると思います。だけど復活後の僕らは、日本武道館や大阪城ホール、Kアリーナ横浜など大規模な会場でずっとライブをやってきたから、ファンクラブに入ってなくてもチケットを取れるチャンスはあったと思うんですよ。そんな状況だったのにもかかわらず、Eternalに戻ってきて、さらにEternalシートという高額なチケットを買ってくれた人たちって、本当に僕らの復活を待っててくれた人だから。そういう人たちのためにイベントを提供したかったんですよね。

──ファンクラブ会員限定イベントは、やってみていかがでしたか?

赤松:これがめっちゃ面白かったんですよ!

都:ジルのアンパンマンが一番面白かった。トーク&ライブという構成だったんですけど、そのなかでファンから「アンパンマンを描いてください」というリクエストがあって。

赤松:みんなそれぞれが描いたアンパンマンを見せたんですけど。全然アンパンマンじゃない人がいて…ジルです。

豊田:エグいやつを描いたんですよ、俺(笑)。でもあれ、ウケてたよな?

都:笑ってくれた。こういう企画はホールツアーではできないことなので、楽しかったですよ。


▲豊田和貴(G)


▲黒柳能生(B)

──そして、デビューツアー再現のライブハウスツアーに続く、30周年アニバーサリー企画第二弾として、今年3月に大阪城ホールで開催したSOPHIAとオーケストラとのコラボライブ<SOPHIA Premium Symphonic Night>を、10月30日に神奈川・横浜BUNTAIで再演することが決定しています。

松岡:大阪城ホールの<Symphonic Night>を観られなかった人や、もう一度観たいと思っている人、さらに、もう一度演りたいと思ってる僕らもいる。そのために今回、再演を決めました。フルオーケストラとの共演って、簡単には演れないことなんですよ。前回、“これが最後だ”と思っていたものをもう一度演らせてもらえるのは、S0PHIAがもう一度復活できたのと同じぐらいの奇跡なんです。だから、もう二度とないだろうな。大阪で初めて演ったとき、僕らが予想していた以上の感動や、得たものがあって。自分たちが創ってきた曲が“こんな響き方をするのか!?”って実感できて。SOPHIAの新しいライブが生まれた気がしたんですね。

──あの日<Symphonic Night>のステージで松岡さんは、「SOPHIAの新しい宝物ができました」とおっしゃってましたもんね。

松岡:はい。だから、あの日と同じことを演りたいんですけど、そうならないのがSOPHIAなので、中身はちょっとだけ変わると思います。大阪と東京では楽団も異なるので。

──<Symphonic Night>はオーケストラとバンドががっつりコラボするパートに加えて、松岡さんと都さんだけがコラボするパート、バンドだけでパフォーマンスするパートがありましたが。今回、新たに変わるパートがあるとしたら?

松岡:今はまだ構想段階ですが、SOPHIAだけのパートや、オーケストラとバンドがセッションするところが少し変わるかもしれないですね。


▲都啓一(Key)


▲赤松芳朋(Dr)

──<Symphonic Night>を演ってみて、やはりいつものライブとは違いました?

豊田:全然違います。日常生活では絶対に味わえないような優雅なひとときなので。豪華なメンツと極上のサウンドでプレイできる訳だから、そりゃあもう天国に一番近い気持ちです(一同笑)。

松岡:天国に一番近いって、死にかけてるってこと?

豊田:ハッピー過ぎて死んでもいい。それぐらい楽しかったってことです。俺らの必殺技のオンパレードがオーケストラが加わることによって、さらに必殺技のオンパレードになるので。とにかく最高でしたよ。

──普段と異なるステージは、緊張するものですか?

赤松:はい。めっちゃ緊張しました。通常は僕のカウントから「さあ行こうぜ!」って始まる訳ですけど、この日は後ろのオーケストラのタイミングに合わせて入るので、めっちゃ緊張感がありました。

豊田:曲のシメもマエストロに合わせるからね。

赤松:僕のタイミングとは違うんですよ。その緊張感が面白かった。前回の<Symphonic Night>を踏まえて、今回は僕、リベンジしたいことがあるので。必殺技を用意して挑もうと思ってます。

──<Symphonic Night>はおめかしをした来場者もたくさんいらっしゃいましたが、今回ドレスコードはありますか?

松岡:バンバン汗をかくときはTシャツとタオルが必須ですけど、今回はそうじゃないので。優雅な気持ちで聴いてもらいたいから、ご自身がリラックスして楽しめる服装でいいんじゃないかな。ちょっとドレッシーに着飾ったほうがいい人もいれば、肌に馴染んだゆったりめの服装のほうが落ちつくという人もいるでしょうから。まあ、僕らは全員タキシードで行きますけどね(笑)。

都:会場に入るときから。

松岡:ポマードでビシッと髪の毛をかためて。

赤松:レッドカーペットを用意してもらって、そこを歩いて会場入りします!

◆インタビュー【3】へ
◆インタビュー【1】へ戻る


■30周年が終わった瞬間になくなるかも
■それぐらいやりきろうと思って


──アレンジやプレイ的にも<Symphonic Night>は、通常の公演とは大きく異なりますね。

都:これだけは言っておきたいんですけど、本当に凄い公演なんです。僕はバンドパートではシンセを使いますけど、オーケストラと演るときはグランドピアノだけ。ただ単に、バンドとオーケストラが一緒に演りましたとか、そういうレベルのものではないんです。もう二度とできないと思っていたものを今回、横浜でできるのはすごく嬉しい。これが人生で最後かもしれないから、もう一度ステージで、あの音を体感できることが楽しみですね。

黒柳:俺は、<Symphonic Night>ではコントラバスの人たちと違うベースラインを弾いてるんですよ。自分のベースも、たくさんの楽器や音符が積み重なって出来るアンサンブルのなかの音のひとつで。その重要性を考えると、一人が間違えるとアンサンブル全体を崩してしまう。だから、特別な緊張感があったんだよね。でも、そこで全部の音がハマったときは、この上なく気持ちいい。だからこそ絶対に外せないと思いながらプレイしてたし、それゆえに面白かった。特に低音の響き方が面白くて、最後にはニヤニヤしながらプレイしてたね。

──歌も普段とは異なる歌唱法になるんでしょうか?

松岡:はい。発声の仕方から違います。そうじゃないと、歌が埋もれてしまうんですよ。大阪城ホールの<Symphonic Night>がなぜあそこまで感動的なものになったかというと、SOPHIAの楽曲1曲ずつを全部解剖して、シンフォニックライブのためだけにアレンジし直してるからなんです。本当に緻密に創ってるからこそ、1曲1曲が唯一無二の構成になっている。そのために、凄い時間と労力を費やしました。



──「Replay」や「Place〜」は、オーケストラが楽曲をさらに深掘りして、いままで見えなかった解釈を引き出すようなアレンジになっていました。

松岡:僕らの音楽だけをポンと渡してアレンジしてもらったのでは、ああはならない。「ここはこういう意図でやってたの? だったらこういう音色で、こういうプレイはどう?」っていう意見交換を積み重ねた上で、ステージで演奏してるので。そういう意味では音楽レベルが非常に高いんです。

──さっき都さんもおっしゃってましたが、単にオーケストラアレンジでSOPHIAの楽曲が楽しめるとか、そういうシンプルな話ではないんですね?

松岡:メンバー5人+オーケストラ30人ではないんです。SOPHIAのメンバーが35人になってるんですよ。だから、さっき都が「ピアノだけにした」と言いましたが、僕らもアプローチを変えてオーケストラに楽曲アレンジを渡しているんです。

──都さんがいつも弾いているパートをオーボエが担当した曲とかありましたもんね。

都:そうそう。

松岡:ドラムパートをパーカッション奏者に渡すために、ドラムフレーズをシンプルにしたり。

都:「街」のイントロテーマもシンセではなく、管楽器用にアレンジしたり。

松岡:だからといって、根本になる音が貧弱になってはダメだから、一つひとつ時間をかけてアレンジしたんですよ。そこは本当にこだわりました。楽器に人生をかけている人たちが集まったオーケストラを信頼して、各々に音を託し、僕らだけではできない世界を創ったのがこの公演です。だから、今回は特にシンフォニック公演に来てほしいですね。“SOPHIAって曲がいいよね”と思ってくださってる方々が<Symphonic Night>を観れば、“やっぱりこんなに素晴らしい音楽を創っていたんだ”ってことが改めて証明されているはずだから。マエストロも、そこはすごく驚いてたんですよ。「SOPHIAって本当にいい曲を作ってるね」って、俺ら何回も言われましたから。



──オーケストラとのコラボレーションライブ<Symphonic Night>の後には、2007年に横浜、2008年に神戸で開催した野外イベント<スターライト>シリーズを、今回は屋内に場所を移して、10月31日に横浜BUNTAI、11月4日に神戸国際会館こくさいホールで復活させますね。

松岡:今回、リスペクトの意味で当時の<スターライト>を多少意識しつつ開催しますが、元から“<スターライト>はこれ!”という決まった形式はないんですよ。だから、<Symphonic Night>とは真逆で、僕ら5人だけで<スターライト>をやります。今回は横浜も神戸も屋内での開催ですが。

──2007年の横浜と2008年の神戸は、全く違う内容でしたが。

松岡:そこはSOPHIAなので、同じにはならないです。

──そして、10月23日にはミニアルバム『BOYS and』のリリースが待っています。さらに2025年は、SOPHIAのデビュー30周年。アニバーサリイヤーは続いていきますね。

松岡: 30周年が終わった瞬間に音沙汰がなくなって、なんにもなくなるかもしれない。それぐらいやりきろうと思って、まだまだいろいろ企画を考えているところです。

──結成30周年とデビュー30周年、2年間にわたって全力ですね。それでは最後に、ファンへメッセージをお願いします。

黒柳:SOPHIAがあることを信じて、あったらやるよ…それぐらいの気持ちじゃないと俺はテンションが続かない。今、覚悟を決めてやってるから。あったら会おうよ。

赤松:1本1本のライブが大事なので、自分も楽しむし、みんなにも楽しんでもらえるようなことをやっていきたいと思います。

都:ライブハウスツアーから30周年イヤーが始まってるから、今の気持ちのまま突っ走りたい。全都道府県ツアーとかやってた頃、“自分の住んでる街で観たよ”という人とかに、今のSOPHIAを観てもらえたらすごく嬉しい。2025年はもしかしたらウチらがあなたの街へ行くかもしれないから、そのときはぜひ会いに来てください。でもその前に、まずは横浜の<Symphonic Night>に来てください。何度も言うようだけど、これはもう今後できないから。絶対に観てほしい。

豊田:ファンのみんなにも、スタッフの皆さんにも、メンバーにも言いたいんですけど、体調管理をしっかりと、コンディションを整えて俺らと過ごせば、確実に笑顔になると思う。とにかく元気な姿でみんなと会いたいなと思ってます。

松岡:やりたいことはたくさんある。みんながやりたいこと、メンバーがやりたいこと、僕がやりたいことが、SOPHIAファンのやりたいことになってくれたらいいな、と思いながら30周年をやりきりたいと思います。

取材・文◎東條祥恵
撮影◎小松陽祐 (ODD JOB LTD)

■30th Anniversary第二弾 <スターライト>復活+<シンフォニックナイト>再演


▼<SOPHIA Premium Symphonic Night in 横浜BUNTAI>
10月30日(水) 神奈川・横浜BUNTAI
open17:30 / start18:30

▼<SOPHIA LIVE 2024 “スターライトヨコハマ”>
10月31日(木) 神奈川・横浜BUNTAI
open17:30 / start18:30

▼<SOPHIA LIVE 2024 “スターライトコウベ”>
11月04日(月/祝) 兵庫・神戸国際会館こくさいホール
open16:00 / start17:00

【チケット】
・一般指定席:11,000円
・着席指定席:15,000円
一般発売(先着):10/5(土)10:00〜 ※予定枚数に達し次第、販売終了
・mu-mo TICKET:http://r.y-tickets.jp/sophia2402
・イープラス:https://eplus.jp/sophia/
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/sophia/
・ローソンチケット:https://l-tike.com/sophia/

■ミニアルバム『Boys and』


▲『BOYS and』ジャケット


▲初回限定盤付属ミニポスター

2024年10月23日発売
【初回限定盤(CD+DVD)】
TFCC-81109〜81110 \5,500(税込)
CD 全7曲収録
DVD:『blue on blue』(「Eternal Flame」「KURU KURU」+ Private in Rome)
【通常盤(CD)】
TFCC-81111 \2,420(税込)
CD 全7曲収録
▼CD収録曲
1. State of love
2. Like forever
3. あなたが毎日直面している 世界の憂鬱
4. Secret Lover's Night
5. Kissing blue memories
6. Believe
7. I & I Wish
https://sophia-eternal.jp/contents/856330

■ライブ映像作品『SOPHIA Premium Symphonic Night in 大阪城ホール』

2024年秋リリース予定

■『SOPHIA 30th Anniversary × JOYSOUND直営店コラボキャンペーン』

実施期間:10月2日(水)〜12月1日(日)
※キャンペーン開始時間および終了時間は各店舗の営業時間に準じます
キャンペーンサイト:https://shop.joysound.com/campaign/sophia_2024/






関連リンク

◆SOPHIA オフィシャルサイト
◆SOPHIA オフィシャルTwitter
◆SOPHIA オフィシャルYouTubeチャンネル
◆SOPHIA オフィシャルファンクラブ「Eternal」

◆インタビュー【1】へ戻る
◆インタビュー【2】へ戻る