50号2ランを放ち、「50−50」を達成。鳴りやまない拍手に応えるドジャースの大谷翔平(9月19日、片岡航希撮影)

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 米大リーグ・ドジャースは日本時間あす6日、パドレスとの地区シリーズでポストシーズンの戦いを始める。

 50本塁打・50盗塁という夢のような記録を楽々と達成した大谷。ポストシーズンで「夢の続き」として期待されるのは、史上初の「7本塁打・7盗塁」。チームが勝ち進めば十分に可能だろう。(デジタル編集部)

 ポストシーズンの記録を、主要記録サイトの「ベースボール・リファレンス」や大リーグ公式サイトなどで調べてみた。本塁打の最多記録は、2020年のランディ・アロサレナ(レイズ)で10本。昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)メキシコ代表で、準決勝の日本戦では、フェンス際でホームラン性の打球を捕り、腕組みポーズを見せた、あの選手だ。

 7本塁打以上を記録したのは11人。現在はレンジャーズに所属するコリー・シーガーはドジャース時代の2020年に8本、通算最多本塁打を記録しているバリー・ボンズ(ジャイアンツ)も最多は8本だった。

 過去の日本選手では、2009年にヤンキースの松井秀喜が4本塁打を放った。ワールドシリーズの6試合だけで3本塁打を放ち、見事、最優秀選手(MVP)に輝いた。

最多盗塁は「11」

 さて、盗塁の最多記録はどうか。1989年のリッキー・ヘンダーソン(アスレチックス)、95年のケニー・ロフトン(インディアンス、現在のガーディアンズ)が11個を記録している。89年は優勝決定シリーズとワールドシリーズだけしか行われておらず、ヘンダーソンはわずか9試合で達成。ロフトンは15試合での数字だ。

 7盗塁以上を記録したのは12人で15度。走攻守3拍子揃った名二塁手だったロベルト・アロマーは、1992年、93年とブルージェイズで2年連続8盗塁を記録した。

絶体絶命の場面で盗塁決めたロバーツ監督

 ポストシーズンの盗塁と言えば、思い起こされるのは、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督だ。レッドソックスがヤンキースに3連敗の後4連勝した2004年のア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦、1点を追う九回に代走で起用されると警戒をかいくぐって二盗に成功し、シリーズの流れを変えた。ただ、ロバーツ監督のポストシーズン最多盗塁数は、意外にも「1」。プレーオフには4度出場したが通算でも2個だけだった。

ポストシーズンも大谷の「記録」でワクワクしたい

 歴代10傑に当たる7本塁打と7盗塁。これをどちらも達成している選手は、まだいない。最近では、2004年のカルロス・ベルトラン(アストロズ)が8本塁打・6盗塁、2008年にはB・J・アップトン(レイズ)が7本塁打・6盗塁で「6−6」をマークしているのが最高だ。

 大谷は9月17日から27日までの10試合で7本塁打、9盗塁を記録した。ポストシーズンは、地区シリーズが5回戦制、リーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズが7回戦制だからワールドシリーズまで進めば少なくとも11試合、最多で19試合ある。プレーオフでは、盗塁や本塁打の難易度は格段に増すだろうが、「7−7」達成の可能性は十分にあるだろう。

 ポストシーズンの出場チーム数、つまり試合数は徐々に増えてきていて、過去の記録との単純な比較はできない。ただ、常に、様々な「記録」でファンを興奮させてきたのが大谷。夢に見た大舞台で、チームを勝利に導くとともに、ワクワクさせるような記録の達成も期待される。