【ミニレビュー】手が届きやすいライカ。「D-LUX8」でオーディオショウを動画撮影してみた
ライカのコンパクトデジタルカメラ「D-LUX8」
カメラ好きでなくとも一度は耳にしたことがあるだろうブランド「ライカ」。リーズナブルなモデルでも約100万円と非常に高額で、おいそれと手を出せないブランドでもある。しかし、そんなライカから30万円以下と比較的手の届きやすい価格のコンパクトデジタルカメラ「D-LUX8」が登場した。静止画だけでなく動画も撮影できるモデルなので、そんなD-LUX8を手に超弩級のスピーカーが集まる「東京インターナショナルオーディオショウ」に突撃。高級スピーカーの数々を動画で収めてみた。
D-LUX8は、7月20日に発売されたライカのレンズ一体型コンパクトデジタルカメラ。価格は286,000円とコンデジとしては高価な部類だが、同じくライカのレンズ一体型カメラ「Q3」は990,000円、モノクロ機の「Q2モノクローム」でも946,000円なので、ライカとしてはかなり手の届きやすい価格帯のモデルとなっている。世界的に需要が多く、公式オンラインストアでは「お届けまでに大変長くお待ちいただくことになる見込み」と案内されている人気ぶりだ。
レンズは使用時に伸びる沈胴式
本体背面
有効画素数1,700万画素の4/3型CMOSセンサーを搭載。レンズはライカDCバリオ・ズミルックス f1.7-2.8/10.9-34mm ASPH.(35mm判換算24~75mm相当)を採用している。背面には3.0型のタッチモニター、解像度236万ドットの有機EL電子ビューファインダーも備える。
最大4K/30fpsの動画撮影ができる
静止画/動画で背面表示が変化する
DNG(RAWデータ)やJPEGの静止画撮影はもちろん、最大4K/30pの動画撮影にも対応。動画はH.264のMP4形式で保存でき、光学式手ブレ補正も利用できる。最長連続撮影時間は29分。記録メディアはSDカード。
ライカのコンデジ「D-LUX8」で動画撮影してみた
今回は、そんなD-LUX8を借りて動画撮影に挑戦。7月26日~28日に東京国際フォーラムで開催された「2024東京インターナショナルオーディオショウ」に展示されたスピーカーたちをVlog風に撮影してみた。あくまでD-LUX8で動画を撮ることがメインで、スピーカーの音を集音する、いわゆる“空気録音”がメインではないので、その点はご承知おきを。
D-LUX8で高級スピーカーたちを撮影してみた
実際に使ってみて印象的だったのは、色の鮮やかさ。スピーカーの木目の色合いや、展示スペースに置かれている植栽の緑などが色濃く撮れる印象で、このあたりは「ライカらしい色味だな」に感じられた。
電源OFFでレンズが収納されているとコンパクトでカバンにもしまいやすい
ボディもコンパクトながら手に馴染みやすく、グリップしやすい。それでいてシャッターボタンやシャッタースピードダイヤルなどの操作感も高級感があり、見た目の満足感も高い。重さもバッテリーを含めて約397gと軽量なので、カバンに常に忍ばせて置ける軽量コンパクトさだった。
スマホアプリ「Leica FOTOS」を使えば、リモート撮影ができる
今回は屋内撮影がメインだったものの、背面モニターは明るさ十分で視認性にも不満はなし。チルト式やバリアングル式の背面モニターを採用していれば、より柔軟な撮影が可能だが、スマートフォンアプリ「Leica FOTOS」と連携させれば、スマホから画角を確認できるため、そこまで不便さは感じなかった。
ちなみに手持ちでの自撮り撮影も試してみたが、D-LUX8のレンズは最広角端でも35mm判換算24mmと、手持ち自撮りには画角が狭すぎて使いにくかった。動画撮影の場合、風景や家族、友人などを被写体にするほうがいいだろう。
また作例動画でも言及しているように、内蔵手ブレ補正はそこまで強くは感じられなかった。ズーム時の手ブレを補正するには十分なものの、手持ちで動画撮影しながらズカズカと歩くと、その振動が映像にも残ってしまう。移動しながら撮影したい場合は、なるべくカメラを揺らさない歩き方を心がけるか、他社製のジンバルなどを組み合わせたほうが良いかもしれない。
コンデジとしては高級だが、所有欲をしっかり満たしてくれる1台
ライカといえば、やはり写真。どちらもカメラ任せのオートで撮影しているが、“それっぽい”雰囲気が味わえる
今回は動画撮影メインで、静止画はほとんど撮影しなかったが、なんとなく撮った空や我が家のパピー犬も“それっぽく”撮れているような気がして写真を撮るのが楽しく感じられた。
軽量コンパクトで持ち歩きやすく、静止画・動画ともにしっかりとした描写力を備えているD-LUX8。286,000円はコンデジとしては高額で、モデルによってはミラーレスカメラを一式揃えられてしまう価格だが、「憧れのライカ」を手にできると考えると「実はコストパフォーマンスが高いのでは?」と思ってしまうのが、ライカというブランドの怖さなのかもしれない。