3回2死一塁、森下翔太が左中間適時二塁打を放つ(カメラ・馬場 秀則)

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◆JERAセ・リーグ 阪神7―6DeNA(29日・甲子園)

 阪神は4点を追う7回に一挙5点の大逆転勝利となった。1点差に迫った大山の右前適時打、佐藤輝の逆転2点三塁打はいずれも逆方向に運び、執念を感じた。だが、その2人を差し置いて最も評価したいのは、お膳立てをした3番の森下だ。

 高い集中力とボール球を振らない自制心で、2死二塁のフルカウントから四球を選んだ。3回の適時二塁打も見事だったが、V逸決定の翌日にもかかわらず、一番気持ちを切らさずに最初からゲームに入れているように見えた。その気迫が、大山、佐藤輝に火をつけたのではないだろうか。

 才木、東のエース対決となったCS第1ステージの“前哨戦”としては、やや大味のゲームだった。特にDeNAは攻守に甘さがあった。だが、打線はやはり強力。CSで対戦すれば、怖いオースティンもスタメンに加わる。阪神は投手陣を援護するため、この試合のように各打者がつなぎの意識を持って臨みたい。(スポーツ報知評論家)