スーパーに行くと、豊富な調味料がずらり。ホームセンターでは便利な調理道具につい心が躍ってしまいます。でも、際限なく増やしてしまうと、どうしても無駄が生まれてしまうもの。3DKの団地にひとりで住み、節約家でもある美術エッセイストの小笠原洋子さんに、調味料や調理道具のもち方について語ってもらいました。

調味料やレトルト食品は必要最小限に

みなさんは冷蔵庫にどれくらいの調味料が入っていますか? 頻繁に使う調味料がある一方で、もしかしたら、あまり使わないチューブやビン入りの調味料などがが、冷蔵庫の奥に潜んでいるかもしれません。私はそのような無駄が生じないように、日頃から気を使っています。

【写真】キッチンの備えつけ収納に入る分だけ

と言っても、私が常備している調味料類はごく少ないです。しょうゆ、みそ、塩、砂糖、お酢という栄養バランスに欠かせない基本的なものくらいです。いわゆるソースやドレッシング類などはありません。

スーパーで見る調味料のコーナーは豊富ですよね。ウスターソースに中濃ソースにとんかつソース、カレーパウダーを筆頭に多彩な芳香を彷彿とさせる香草スパイス。そして便利なチューブ入りカラシやワサビなどずらり。マヨネーズ、ドレッシングにケチャップ、バルサミコ酢にトウバンジャンにタルタルソース…など。この分ですと、もし調味料にハマれば果てしないコレクションにつながっていくようですので、私はほとんど手に取ることもなく、棚をながめて過ぎます。

パスタソースや混ぜご飯などのレトルト食品は、私も非常食用に購入しますが、あくまで限度を超えないように気をつけ、新商品を探したりするためには、このコーナーに近づかないことにしています。

いかに便利で魅力的な商品が多いことはわかりますが、節約家としては、誘惑に負けないというのも大切なことです。

調味料や調理道具は限られた収納場所にしまう

ところで、だれかのキッチンで、調味料を入れて並べる透明容器や、スパイス用の飾り棚なども、インテリアとしてカッコイイ台所装飾だなとあこがれを抱いてしまいます。きっと、「よし! おいしい料理をつくろう」という気持ちが高まるのでしょう。でも節約家なら駆り立てられてはなりません。

現実的には、キッチンに見せるように調味料を出しておくと、調理工程でうっかり汚してしまったりと、清潔に保つのが大変なものです。つまり掃除の手間も生じます。そういうことを避ける私は調味料類は戸棚や冷蔵庫で保存します。そこに置くと、スペースが限られるだけに、調味料が増え続けることもないので、節約になります。

同じようなことが調理具にも言えます。壁面に整然と提げられたお玉やフライ返しやザルや鍋類を、雑誌などで目にします。調味料と同様、素早く料理するためにも、また手っ取り早く乾かすためにも、壁にかけておくのに最適ですが、やはりそれなりの清潔度や雑然感が気になるので、私はすべて戸棚にしまいます。そして自ずとそれが、ごく少数の調理具でまかなう節約の手立てに結びつくと思っています。

わずかな調味料や調理道具なら、収納がラクですっきり見せられます。賞味期限も見逃しにくい。そして誘惑に勝つ節約に結びつくと思っています。