米バンガード新CEO、債券運用事業を拡大へ

写真拡大

Davide Barbuscia

[ニューヨーク 25日 ロイター] - 米資産運用大手バンガード・グループの最高経営責任者(CEO)に7月就任したサリム・ラムジ氏は25日、債券運用事業を拡大する計画を明らかにした。市場の規模と機会があることを踏まえ、バンガードが株式市場に取り組んだのと「同じ考え方」を債券市場にも採り入れるチャンスがあると表明した。

米ニューヨークで開催された英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の北米資産運用の将来をテーマとした会議で「私たちの顧客はそのような考え方で利益を得ることができる。彼らはもっと良質の債券運用が可能になる」と強調。さらに「いかにコストを削減し、より質の高い運用商品を提供するかという私たちの使命感と目標に立ち戻ることになる」と語った。

過去2年間に債券市場は激しく変動し、先進国市場全体で政策金利が急速に引き上げられたため価格が下落し、利回りは上昇した。同時に、利回りの上昇が多額の資金を引き寄せた。

ラムジ氏は「今日の債券を取り巻く市場環境を10年前と比較すると、債券は非常に重要な位置を占めている」とした上で、「長期の金利動向に関する私たちの見方に基づけば、債券の重要性はさらに高まることになる」と言及した。

資産運用額が約9兆ドルのバンガードは米ブラックロックに次ぐ世界2位で、上場投資信託(ETF)の規模はブラックロックとともに世界最大級となっている。ETFは、主に個人投資家が世界の主要市場に割安に投資する方法となっている。