ファンの声援を背に打席に立つT−岡田(撮影・坂部計介)

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 「オリックス2−9西武」(24日、京セラドーム大阪)

 オリックスのT−岡田外野手、安達了一内野手、小田裕也外野手が引退試合に臨んだ。

 T−岡田、安達は有終の安打が生まれた。七回の第2打席。今井に追い込まれながらもアウトローの変化球を豪快に引っ張り込んだ。打球は痛烈なライナーとなって一、二塁間を破り右前へ。スタンドからは大歓声が沸き起こり、ボールはオリックスベンチに届けられた。直前には代打で2ランを放った杉本とネクスト付近で熱い抱擁をかわしていた。

 五回に代打でT-岡田の名前がコールされると、最後の勇姿を見届けようとスタンド中に詰めかけたファンが一斉にタオルを振り回した。ケツメイシの「カーニバル」が流れる中、打席へ向かった。

 2死一、三塁の絶好機。強烈な岡田コール、応援歌が鳴り響く。今井が初球に投じた154キロ直球を強振した。高く上がった飛球は中堅・長谷川のミットに収まり、凡退。柔和な表情でT-岡田はベンチへ戻り、その後一塁守備に就いていた。

 そして九回2死、田村との対戦となった第3打席ではカウント1ボールから変化球に空振り。ベンチから全選手がその姿を目に焼き付けようと食い入るように見つめる中、捉えた打球は右翼ポール際への特大ファウルに。思わず本人も打球を見つめて苦笑いを浮かべ、スタンドはため息につつまれた。最後は空振り三振も、スタンドから惜しみない拍手が送られた。

 安達は八回先頭の第2打席に魅せた。1ボールからボーが投じた直球を捉え、打球は遊撃方向に。遊撃・源田の送球との競争となったが、内野安打を勝ち取った。

 六回1死で中嶋監督が代打を告げると、スタンドから大歓声がわき起こった。スタンドには阪神・西勇、そして宗ら後輩たちが見つめる中、積極的にスイングをしかけていった。

 2ストライクからきれいにストレートを捉えたが、西武・西川のスライディングキャッチにあった。それでも安達は長谷川に向かって拍手を送るなど、人柄をにじませたワンシーンだった。

 チームは西武にシーズン負け越しが決定。大敗を喫し、借金も今季ワーストの16に広がった。