関東で唯一のスノーピーク直営キャンプ場「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」に泊まってきた
栃木県鹿沼市に、関東地方では初となるスノーピークの直営キャンプ場「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」があります。今回、1泊2日のキャンプ体験をしてきました。
「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」とは?
まずは「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」(以下、鹿沼CF)がどんなキャンプ場なのかを紹介します。
関東初で唯一のスノーピーク直営キャンプフィールド
鹿沼CFは、関東地方初にして唯一のスノーピーク直営キャンプフィールド(CF)。首都圏から車でも鉄道でも2〜3時間程度で行けるアクセスの良さは、これまでのスノーピーク直営CFにはない魅力です。
サイトは「フリー」「区画」「住箱」の全91サイト
キャンプ場で、テントを張ったりチェアやテーブルを設置したりするエリアを「サイト」といいます。鹿沼CFのサイトは、設営場所を自由に決められるエリア「フリーサイト」が67サイト、場所を指定されるエリア「区画サイト」が20サイト、簡易な屋内に泊まれる「住箱」というサイトが4サイトで、計91サイトとなっています。
洗い場、温泉、直営ストアなど館内施設が充実
洗い場やゴミ捨て場などの館内施設が充実しているため、初心者でも気軽にキャンプを楽しめます。キャンプ場としては珍しく、温泉施設や大きなストア、飲食店といった施設もあるため、アウトドアに慣れていない人でも快適に過ごすことができるでしょう。
レンタルプランで「手ぶらキャンプ」も可能
「手ぶらキャンププラン」を利用すれば、キャンプに必要な道具を全てレンタルで用意してもらえるうえ、設営や撤収もスタッフがレクチャーしてくれます。キャンプが初めてという人はもちろん、「電車・バスを使うので最小限の荷物で行きたい」という場合にも便利です。
スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパのサイトを紹介
それでは、鹿沼CFの各サイトを順に紹介していきましょう。
フリーサイト
フリーサイトは「A」「B」「C」「D」「G」の5サイトになっており、現地到着の先着順に空いている場所を利用することができます。
各サイトの内部まで車を乗り入れることはできず、それぞれのサイトに隣接した駐車場に車を停めてから荷物を運ぶことになります。これは一見不便なようですが、駐車場とキャンプエリアは数mほどの近さですし、いったん設営を終えてしまえば「サイト内を走っている車がない」「キャンプ中に車が視界に入らない」という状態になるので、快適な面もあります。
フリーサイトA
キャンプフィールドの入口から最も近い、サイトA。ストアや温泉施設からも近いのは便利な点といえるでしょう。
フリーサイトB,C
サイトAの奥に進むと、サイトBとサイトCがあります。どちらも少しだけ小高い場所にあるため、車を停める場所によってはちょっとだけ斜面を上がる必要がありますが、それだけに見晴らしがよく、遠くの山々も見どころです。
フリーサイトD
キャンプフィールドの中央に位置するサイトD。もっとも広いサイトで、駐車スペースとの高低差もないため荷物の搬入がしやすくなっています。
フリーサイトG
フリーサイトの中でもっとも奥に位置するのが、サイトG。それほど広くないので、駐車スペースからすぐに荷物を運び込むことができます。サイトの背面が深い森になっているため、そちら向きにチェアやテントを設営すれば、深い森の中でキャンプしているような気分に浸れます。
電源区画サイトE,H
サイトE,Hには、区画ごとに電源コンセントが設置されており、2つのコンセントを利用できます。最大出力が1500wと大きめなので、安価なポータブル電源では使えないような消費電力の多いきい暖房器具などが使えるのはありがたいところ。
「区画サイト」とは、決められたスペース(区画)を占有できるサイトのこと。お隣との干渉を気にしたくない人に適しています。また、サイトE,Hでは車を自分の区画に横付けして停められるため、荷物の積み下ろしが楽なのもメリットです。
林間区画サイトF
木立の中でキャンプできるサイトF。より自然と触れ合える環境であるほか、木立のおかげでお互いの視線が気になりにくいというメリットもあります。
大型のテントやタープが張りづらいこともあるので、ある程度設営に慣れた人に適しているといえるでしょう。
モバイルハウス 住箱サイトI
最後に紹介するのは、スノーピークのキャンプフィールドではお馴染みの「住箱」サイトIです。
住箱とは、スノーピークが販売するトレーラーハウスのこと。キャンプ場というよりはホテルの一室のような感覚で泊まることができます。
住箱サイトでには専有できる屋外スペースも用意されており、タープを張ったりチェアやテーブルを設置するなどして「アウトドア」をしっかり楽しむことも可能です。
住箱サイトは高い位置にあるので、キャンプフィールド全体や遠くの山々を見渡せるいちにあります。広い窓や、張り出した縁台のおかげで、室内からでも豊かな自然を感じることができるのです。
充実した館内設備
サイトだけでなく、キャンプを支える館内設備が充実しているのも、スノーピーク直営CFの大きな特徴。キャンプ初心者やアウトドアの苦手な人でも快適にキャンプを楽しめます。
サニタリー棟
「洗い場」「トイレ」「ごみ捨て場」「灰捨て場」など、よく使う設備は「サニタリー棟」という建物に集約されています。サニタリー棟はキャンプフィールド内に複数設置されているため、どのサイトからもすぐに行けて便利です。
洗い場ではお湯も出ます。シンクが深いので大量の洗い物もしやすく、蛇口ごとにシンクが独立しているのでお互いの排水が混ざらず衛生的。
コンセント付きの棚で、スマホやランタンなどの充電ができます。
鹿沼CFの館内には本格的な温泉施設もありますが、24時間使える無料のシャワールームもあります。お風呂に入るのは面倒だけどちょこっと汗は流したい、という場合にも便利。男女別になっており、女性用はカードキーがないと入れないので安心です。
なんと洗濯機までも用意されています。洗剤が無料なのもありがたいところ。連泊の場合でも、必要な着替えを減らすことができます。
自然に包まれる温泉施設
鹿沼CFには本格的な温泉施設があります。多くのキャンプ場では車を運転して近くの日帰り温泉施設などに行かなければなりませんが、それをしなくてすむのはとても快適です。大浴場・露天風呂・サウナ・水風呂などを備えた、本格的な温泉施設です。
外気浴スペースでは、目の前に鹿沼市の7割を占めるという森林が広がり、遠くには山々を望むことができます。奥にある石のベンチは、鹿沼特産の「深岩石」を利用したもの。
スノーピークCFのサウナは、サウナ好きの間でも定評があります。鹿沼CFのサウナも、セルフロウリュで温度・湿度を高められる本格的なもの。
直営ストアと特産品の販売
管理棟にあるのが、スノーピークの直営ストア。キャンプ場の受付によくある小さな売店とはまったく異なる、しっかりとした規模のアウトドアショップになっています。
スノーピーク製品が豊富に揃っており、キャンプをしながら欲しくなったものを物色する、といったことができます。買い忘れの多い、氷や薪を販売しているのも嬉しいところです。
スノーピークCFの直営ストアには、お楽しみが2つ。それは「限定グッズ」と「ご当地特産品」です。各地のスノーピークCFでは、そのCFだけで売っているカップやアパレルなどの限定グッズががあります。また、その土地の特産品を販売しているコーナーもあるのです。
たとえばシエラカップのようにいくつあってもいい器具を、全国のCFを訪れるごとに集めていくというのも面白いかもしれません。
特産品コーナーには、鹿沼特産の食品や地酒、工芸品などがたくさん販売されています。イチゴなど季節によって登場する製品もあるので、訪れるたびに新しい発見があるかもしれません。
地元ならではの飲食店
鹿沼CFには、2軒の飲食店があります。
「キャンプの醍醐味は自炊!」というキャンパーも多いとは思いますが、「調理や片付けに時間をかけずにキャンプを楽しみたい」という場合には、飲食店の存在はありがたいことです。
鹿沼CFのある上南摩地区は、蕎麦の栽培が盛んな土地でもあります。しかし蕎麦屋というものはなく、新そばの収穫時に地元で開催される「上南摩そば祭り」で提供されるだけでした。その「上南摩そば」を味わえるのが、鹿沼CFのオープンとともに開店した「竜がい」なのです。
なお「竜がい」という店名の由来になった「竜蓋山」は、キャンプフィールドからも北側に見えるので、ぜひ探してみてください。
鹿沼市や日光市で展開する人気カフェ「日光珈琲」の6店舗目が鹿島CFにオープンしました。自家焙煎のスペシャリティコーヒーのほか、ハンバーガーやポテトなども提供しています。テイクアウトのみですが、キャンプフィールドのさまざまな場所で、購入したコーヒーやハンバーガーなどを味わってみるのも楽しいものでしょう。
アクセス
鹿島CFは関東で唯一のスノーピーク直営CFであるということで、ここでは首都圏からのアクセスを紹介します。
1. 車で行く
自前の道具でキャンプしたいという場合には、車で行くことが多いでしょう。鹿沼CFは、東北自動車道の都賀西方スマートICから約20分。東京23区から鹿沼CFまで2時間程度でアクセスできます。
2. 公共交通機関で行く
「手ぶらキャンププラン」を利用したり、最小限の手荷物を持って電車で行く場合、鹿沼CFの最寄り駅は東武日光線新鹿沼駅か、JR東日本鹿沼駅。どちらも駅からタクシーで15〜20分です。
なお、JR鹿沼駅から鹿沼CFには「リーバス」という路線バスが運行しているため、本数は少ないもののタイミングが合えば格安で利用できます。
鉄道利用時のオススメは、浅草−新鹿沼間の東武鉄道。特急を使わなくても2時間程度で到着でき、料金は1225円(IC利用)と格安です。ただし指定席ではなく、座席もロングシートです。
ちょっと贅沢したければ「スペーシアX」を使いましょう。料金は2935円(IC利用)ながら1時間24分で到着でき、移動中はラグジュアリーな空間を味わうことができます。せっかくのキャンプなら、この機会にスペーシアXの車窓も楽しんでほしいところ。
「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」の魅力まとめ
ここまで、スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパを案内してきました。最後に、その魅力をまとめてお伝えしておきましょう。
首都圏から近い
これまで、関東地方からスノーピークのキャンプフィールドに行くには、近くても福島や新潟、大阪などでした。それが100km圏内、2〜3時間で行ける場所にできたというのは大きな魅力で、1泊2日でも十分楽しめます。
どのサイトからも管理棟やサニタリー棟が近い
全体としてはそれほど広いキャンプ場ではないので、一番奥のサイトだとしても温泉施設やストアのある管理棟までは楽に歩いて行きます。また、トイレや洗い場などがあるサニタリー棟は複数あるため、どのサイトからも歩いてすぐの場所にあります。キャンプあるあるの「たくさん飲んでトイレ行きたくなったけど面倒だからギリギリまで我慢する」をしなくてすむわけです。
キャンプやアウトドアに慣れていなくても楽しめる
多くのスノーピーク直営CFに共通していえることですが、快適に過ごすための施設が充実しています。
たとえば住箱サイトと温泉を活用すれば、キャンプの知識がゼロでも快適に過ごすことができす。それでいて、屋外でごはんを食べたり、自然に囲まれて時間を過ごすなど、キャンプの醍醐味は十分に味わえるような構造になっているのです。
鹿沼の豊かな自然と特産物に触れられる
鹿沼市は、周囲に日光や宇都宮といった有名都市があるせいで見逃されがちではありますが、イチゴや組子細工といった特産品や、豊かな里山など、魅力に溢れた地域です。2024年度竣工予定の南摩ダムには、ダム湖上を渡るジップラインなど全国的にも珍しいアクティビティのあるアスレチック施設も併設されます。
実は鹿沼CFは、そうした鹿沼の魅力を知ることのできる場所でもあります。
キャンプフィールド全体が周囲の自然を感じられる造りになっており、鹿沼の豊かな里山や森林を感じながら過ごすことができます。また、館内のストアには鹿沼を中心とした地方の特産物があり、説明のポップも立っているので、知らず知らずのうちに鹿沼の特産品を知ることになるのです。
拠点を作ったらその地方とともに成長していくというスノーピークの理念が、この鹿沼CFでも発揮されていると感じました。
これまで、スノーピークの直営キャンプ場というものに行ってみたいけど近場になくて…と思っていた首都圏の方はもちろん、キャンプ慣れしていないがやってみたいと思っている方、そしてキャンプ好きのすべての方におすすめできるのが、「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」なのです。