ロシア企業、中国との貿易決済問題が深刻化 欧米制裁で=関係筋

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[モスクワ 30日 ロイター] - 一部のロシア企業が中国の貿易パートナーとの間で決済の遅延とコスト上昇に直面しており、数百億元相当の取引が滞っていることが分かった。この問題を直接知る複数のロシア筋がロイターに明らかにした。

ロシア企業・当局者はここ数カ月、対ロ取引を巡る欧米の二次制裁の恐れから中国銀行コンプライアンスを強化したことに伴う取引の遅れを指摘してきた。同筋によると、この問題は今月に入り深刻さを増している。

関係筋によると、中国の国有銀行ロシアとの取引を「一斉に」停止。一部のロシア企業は中国銀行が実施するコンプライアンスチェックを回避するために第三国の仲介業者網を使っており、取引処理にかかるコストは以前のゼロ近くから取引代金の最大6%にまで上昇したという。

ただ、銀行筋によると、ロ中双方の政治的な意思もあり、優先分野での支払いは依然として順調に処理されている。

ロシア大統領府のペスコフ報道官はロイターに寄せたコメントで問題の存在を認めつつ、「ロ中関係の真のパートナーシップ精神により、建設的に話し合い、解決することができる」と述べた。

中国外務省報道官はロイターに対し「中ロ間の通常の貿易は世界貿易機関(WTO)ルールと市場原理に沿っており、第三者による干渉や威圧の影響を受けない」と指摘。「われわれはいかなる違法な一方的制裁や『ロングアーム管轄権』に断固として反対し、正当な権利と利益を守るために必要なあらゆる措置を取る」と付け加えた。