【週刊現代】柔道・阿部一二三は年収１億円超え…!? 残酷すぎるオリンピアンの「年収格差」
野球やサッカーは、スター選手であれば億万長者になれる夢がある。では、五輪でしか観る機会のない競技でトップクラスの選手たちの懐事情はどんなものか。関係者たちに話を聞いて徹底解明した。
オリンピアンは稼げているのか？
8月12日に閉幕したパリ五輪で、日本勢の金メダルの数は20個に達した。獲得数ランキングではアメリカ、中国に次ぐ3位で、他国での開催では過去最多となった。
普段は観ないスポーツでも応援して盛り上がるのがオリンピックの醍醐味だが、一度はこう考えたことがないだろうか。
「この競技でどれだけ稼げているのか？」
野球やサッカーといったスポーツであれば、どれくらい稼げるのかイメージはしやすい。ただ、バドミントンやスケートボードのように、テレビ中継はおろか、スポーツ新聞にも大きく掲載されていない競技については、その「年収」はほとんど明らかになっていない。
知られざるオリンピアンの赤裸々な懐事情を解き明かしていこう。
まず、日本の「お家芸」とも言える柔道だ。パリ五輪でも、角田夏実や阿部一二三の金メダルをはじめ、メダルを量産した。
スポーツライターの小林信也氏がこう解説する。
「基本的に、柔道選手は一般企業の実業団に所属しています。パリ五輪でいえば、代表14名のうち5名が駐車場運営会社『パーク24』、2名がエレベーターの保守・管理会社『JES』の所属です。彼らはこうした企業から、毎月給与を受け取っていると思われます」
プロ選手と実業団選手の差
前提としてスポーツ選手にはプロ選手と実業団選手がいる。「個人事業主」としてスポーツを職業とし、競技を行うことで所属チームから報酬を貰うのがプロ選手だ。スポンサーからの広告料を含めれば、億万長者も夢ではない。一方で、所属先の企業から「社員」としての報酬（給与）を貰うのが実業団選手だ。安定した収入があることが魅力だが、どれだけ活躍しても給料が大きく上がることはまずない。
これらを踏まえて、柔道選手の年収はいかほどか。小林氏はこう続ける。
「原則的には一般的な正社員と同程度の収入ですが、オリンピック出場選手となると話は変わってくるはずです。メダル獲得が期待される人気スポーツですから、手当が上乗せされる可能性は高いでしょう。さらに、結果を残せば出来高払いがあります。諸々を含めると年収900万~1100万円だと考えられます」
ただ、阿部一二三のような実績のある選手の場合は別だ。近年は実業団所属でも個人でのスポンサー契約を認められるケースもあり、阿部の場合は「エアウィーヴ」や「味の素」などと契約を結んでいる。そのため、小林氏が推測する年収にさらに上乗せされる。
「スポーツの市場規模や当該選手の知名度によってスポンサーとの契約金は変わり、数百万~数千万円まで幅があります。阿部選手ほどの実績と知名度があれば年間で3000万円くらいではないでしょうか。年収1億円を突破していても不思議ではありません」（大手広告代理店幹部）
後編記事『五輪競技の平均年収を大暴露…レスリングの400万円を遥かに上回る「マイナースポーツ」とは』へ続く
「週刊現代」2024年8月24・31日合併号より
