コスプレイヤーのまひさん

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【画像19枚】美人コスプレイヤー・まひさんの圧倒的完成度を誇るSPY×FAMILY「アーニャ」姿他

コロナワクチン接種後、後遺症に

第1回【「頭のてっぺんから足のつま先まで蕁麻疹が出て……」秋田県在住「美人コスプレイヤー」が明かす“コロナワクチン後遺症”の現実】からの続き

 2020年から始まった新型コロナウイルス騒動。それを解決する切り札として、2021年に接種が始まったのがコロナワクチンである。政治家をはじめ、感染症の専門家などがテレビに出演し、ワクチン接種を呼び掛けた。ところが、当初は2回で良いと言われていたものが、何回も接種することになった。そして、接種開始の直後からSNS上には体調不良を訴える人が相次いだ。

コスプレイヤーのまひさん

 秋田県に住む「まひ」さん(29歳)は、高校生の頃からコスプレを楽しんできた女性である。ところが、2022年にコロナワクチンを接種後に深刻な副作用が起こり、現在も後遺症に悩まされながら通院の日々を送っている。仕事にも支障が出始め、長年勤めた職場を退職した。ワクチン後遺症と診断される前、地元の病院を何軒もまわったものの、どこの病院でも医師から「わからない」「異常なし」と言われてきたという。

 筆者はワクチン後遺症に苦しむ人の実態を明らかにすべく、まひさんにインタビューを申し込んだ。今回は、まひさんがワクチン後遺症と診断された経緯と、現在の後遺症の状況について話を聞いた。まひさんは「自分と同じ悩みを抱え、苦しんでいる人がほかにもいるかもしれない。少しでもワクチン後遺症の辛さを知ってもらえれば」と訴える。

(全2回のうち第2回)

たまたま行った病院でワクチン後遺症と診断

――まひさんがワクチン後遺症と診断されたのはいつですか。

まひ:2023年3月に、県内の病院でワクチンの後遺症だと診断されました。漢方外来に行ったら、おじいさんの先生が私を見るなり、「漢方薬は一応出すけれど、あなたはそういう問題じゃないからね」「あなたはワクチン後遺症ってご存じですか」と聞かれたのです。

――それまで、ワクチン後遺症というものについて知っていましたか。

まひ:いいえ。私はワクチン後遺症なんて言葉自体も知らなかったので、それってなんだろうと驚きました。意識したのは、この先生にはっきり言われてからです。ネットで調べてみたら、自分の症状に当てはまることが多すぎて、ああ、自分はワクチン後遺症なんだと確信したんですよ。

病院の対応に不信感が募る

――その後もまひさんは秋田県内の病院を回り、そのたびに違った診断をされたり、もしくは「異常なし」と言われるなどして、医療不信が募っていったそうですね。

まひ:秋田県内の病院を2年間で何十カ所と回りましたが、患者に対して親身ではないなと感じました。話を聞いてもらえない病院も多いし、お帰りくださいと言われたこともあります。ある個人クリニックでは「寝ることができれば解決する」と言われて、強い睡眠薬を出されたこともありましたが、まったく解決せず、「無理です」「僕は全然知らないんで」と言われたことも、一度や二度ではありません。患者と向き合おうという気持ちがないし、何より勉強熱心な医者が少ないなと思います。

――大学病院には行きましたか。

まひ:個人のクリニックで、「自分のところでは手に負えないから」と言われて大学病院を紹介されて行きましたが、大学のなかでもいろいろな科をたらい回しにされました。大学では、研修医が白衣のポケットに手を突っ込んで、だらしない感じで患者の話を聞いているのを見て、こんな人が医者になっていいのかなと思いました。しゃべり方もおかしかったですし。ある医者は教授なのだそうですが、診察室で私と目を合わせないで話をするし、こっちは一生懸命症状の話をしているのに、聞くそぶりも見せず、パソコンをずっと打っているんですよ。

――大学病院は私も何度も取材していますが、狭い世界で仕事をしているからなのか、常識のない医者が多い印象です。患者にそうした態度をとるのは問題だと思います。

ワクチン後遺症の認定が進んでいない

――コロナワクチンの後遺症に関しては存在そのものを否定する医師もいますし、認定が進んでいる状況とはいえません。

まひ:打ってすぐにアナフィラキシー(重篤な全身の過敏反応)が出たら、ワクチンが原因じゃないかとわかりますよね。私のように遅れて症状が出た人は空白期間があるので、ワクチンが原因かどうか、わからないと思います。「あなたが疲れていてそうなったんじゃないの」と言われたら、そうなのかと思うしかない。見分け方が確立されていないと思いますし、いまだに自分が後遺症だとわかっていない人もたくさんいると思う。

――まひさんは現在も後遺症に悩まされているわけですが、今になって思うことはありますか。

まひ:2年経っても症状が治らないので、もう諦めつつあります。いつ死んでもおかしくないし、今の状況を受け止め始めています。焦ってもしょうがないし……という感じで日々を過ごしていますね。今までは、家にいると不安になるし、運動も歩くこともできなかったから、自分の中で考え込んでしまい、負の連鎖になってしまっていました。すべてのことが恐怖に感じられてしまう。葛藤が生まれて複雑な気持ちになるんですよね。いつ治るんだろう、何をすればいいんだろうと、追求してきたんです。でも、症状がつら過ぎて、どんどん悪くなっているから、もう受け入れるしかないなと。

鍼灸院の先生が救いに

――受け入れることで心境は変わりましたか。

まひ:自分の心を変えていくしかないと考え、今は頭が痛くても体調が悪くても動こうと思うようになっています。美術館で絵を鑑賞するようにゆっくりと歩くようにしていますし、運転できそうなときは運転して病院に行こうと。途中でダメになったら救急車を呼べばいいと。倒れることを恐れていたらダメだと思って、前向きに後遺症と向き合っています。

――現在は鍼灸院に通っておられるそうですね。

まひ:通っている鍼灸院の先生には、必ず治るから、大丈夫だからと言って励ましてもらっています。先生はものすごく勉強熱心ですし、いろいろな患者さんを診ている方なので、希望はありますね。鍼灸を馬鹿にする医者もいますが、私は鍼灸の治療を受けた後に楽になるのは事実。こんなに凄いものはないと思っています。

――まひさんはXで自身の後遺症について発信しています。X上ではワクチンについて賛否両論様々な意見が飛び交っていますよね。いろいろなメッセージが来るのではありませんか。

まひ:後遺症だと告白してから、訳の分からない治療機器の勧誘がたくさん来るようになりました。あと、東京で医者をやっているという人から、「お金に困っているなら一緒に住まないか」とメッセージをもらったこともあります。もちろん断りましたけれど。ちなみに、彼氏とは6年間付き合っていたのですが、私がこんな状態だし、一緒にいても相手も辛いだろうということで、友達のような関係になりましたね。今、恋愛についてはあんまり考えていないかもしれない。別にいいや……という感じですかね。

コスプレが生きがい

――まひさんは秋田でコスプレイヤーとしても活動し、イベントにも参加されています。

まひ:高校3年生、18歳の時、友達がボカロ(注:「初音ミク」などのボーカロイドのこと)好きだったので、私が鏡音リン、友達はレンのコスプレをして一緒に地元のお祭りに行ったのがコスプレの始まりです。本格的に始めたのは地元の調理師の専門学校に行ったときで、そこで出会った友達がコスプレをしていて、私も熱が入って一緒に県内のイベントに参加するようになりました。

――もともと、アニメや漫画などはお好きだったのですか。

まひ:小学校の時からゲーム好きで、特に「ポケモン」が凄く好きでしたね。高校生の時に「ニコニコ動画」にはまって、ニコ生主をやったり、“歌ってみた”の動画を投稿したりしたこともあります。あと、仕事の1時間の休憩中に、ヒトカラに行くくらいカラオケも好きでした。最近は体調が悪くてゲームもできていないのですが……。

――そんなまひさんにとって、コスプレはどのようなものですか。

まひ:生きがいですね。自分ではない誰かになれる。現実から離れられる。コスプレのおかげで生きているって感じです。コスプレに対する思いは、ワクチンを打って、具合が悪くなってから強くなりましたね。元気だったころはカラオケが趣味でしたが、病気になってからやれることがなくなった。2022年の頃は何もできず、家でアニメをなんとなく見ている日常を送っていたのですが、学生時代にコスプレをしていたことを思い出して、衣装を着てみたら、しっくりときたんです。それに、コスプレをやっていたら後遺症の症状が忘れられる。その間だけ痛みが緩和する、と思ったんです。

――コスプレがもつ力は凄いですね。

まひ:そう気づいてから、少し体調がいいときにコスプレをやってみようと思いました。コスプレを再開してから、だいぶ前向きになりました。アニメも見たいし、イベントに行きたいし……夢も大きくなりましたね。私はコスプレを仕事にしなくても、誰かのために役立てるような活動をしたい。例えば、自分の地域を活性化したいと思ったときに、公式キャラを作って公認レイヤーになったりとかね。イベントでコスプレもできるし、一石二鳥じゃん、と。とにかく、コスプレをしているときは生きている実感が得られて、前向きになれるのです。

――素晴らしいですね。まひさんは今年に入ってから、県内のイベントにたくさん参加され、コスプレを通じて交流を図っています。

まひ:相変わらず体調が悪い日が続いていますが、コスプレは家でもできるし、これからも少しずつ画像をUPしていきたいですね。今は、「2か月後にあなた死にますよ」と言われても、だったらイベントに行ってコスプレでもしておこうかなと思える。一度死にかけたくらいだから、今やろうと思ったことをどんどんやっていこうと考えています。

――ずっと落ち込んでいたまひさんの心を変えたのが、コスプレなのですね。ちなみに、好きなキャラを教えていただけますか。

まひ:「原神」のナヒーダみたいな幼女や、ショタ系のキャラが好きかもしれない。あと、「SPY×FAMILY」のアーニャは一番コスプレをしているし、周りからも好評でしたね。8月に秋田市内でコスプレのイベントがあるのですが、ここでも私がアーニャをやって、友達がヨルさんをやる予定です。今、その日に向けて頑張って準備をしているところです。行けるかどうかは体調次第ですが……、でも、コスプレをしていると本当に別人になったような気持ちになれるんです。後遺症を忘れられるコスプレが、今は一番の楽しみですね。

――最後に、まひさんの現在のワクチン後遺症の症状を教えてください。

まひ:東洋医学的には血虚と言うそうで、血のエネルギーが常に足りない状態になっています。大学病院でも、麻酔科の先生から「こんなに身体が硬直している根本の理由がわからない」と毎度言われていて、県外の病院へ行くことを勧められています。やはり睡眠は相変わらず大変で、顔面硬直がひどくなっていますね。最近は左の三叉神経が痛くなることが多く、毎日痛み止めばかり飲んでいて、やばいなぁ……と。思考力低下もひどくてぼーっとしていることが多く、耳も聴こえ方がおかしくなったり、聴こえなくなったりすることもあって、まさに神経系全般がやられている感じです。

――大変ななか、インタビューに回答いただきありがとうございました。

国策で進められたコロナワクチン接種事業

 まひさんをはじめ、ワクチン後遺症で苦しんでいる人は全国にいる。だが、そもそもワクチン後遺症の存在自体がメディアで報じられることが珍しいため、そういったものがあること自体、知らない人も少なくない。医者の間でも認知されているとは言い難いため、報告も上がりにくいだろう。そのため、潜在的に後遺症を抱えている人は多いだろうし、今後も患者は増え続けると考えられる。であるにもかかわらず、ワクチン後遺症を否定する声は根強くあるのが現実だ。

 そもそも、医薬品にはトラブルがつきものである。人体を相手にするため、実験室で得られた結果通りにならないこともあるのは歴史が証明している。それゆえ、本来なら“安全です”という言葉は安易に使うべきではない。最低限、“現時点では”という枕詞をつけねばならないし、医師も副作用について十分な説明責任を負うべきである。しかし、コロナワクチンの接種事業は国策として推進されたため、接種が始まった頃は「絶対に安全だ」という論調で語られることが多かった。

 しかし、ハンセン病の例を挙げるまでもなく、かつては正しかったと考えられていた科学的知見が、後になってひっくり返ることはよくあるのだ。異なる意見を中傷する姿勢は、決して科学的とはいえないだろう。

責任を取らない医師や政治家

 ワクチン接種後に体調不良になった人は、まひさんのように、病院をたらいまわしにされるケースが多い。予防接種法に基づくと、万が一、ワクチンに問題があった場合は国が責任をとることになっている。しかし、医師も接種を煽ってきたのだから、少なくとも被害を訴える人々に対して真摯に向き合うべきであろう。
 
 3年以上にわたって社会を大混乱に陥らせたコロナ騒動を総括する意味でも、日本人一人一人がワクチン後遺症の問題に真摯に向き合う姿勢が求められるのではないかだろうか。

第1回【「頭のてっぺんから足のつま先まで蕁麻疹が出て……」秋田県在住「美人コスプレイヤー」が明かす“コロナワクチン後遺症”の現実】では、美人コスプレイヤー・まひさんが、コロナワクチンを接種した後に、身体に異常をきたし、日常生活が送れなくなっていった様子を克明に語る。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部