慶應高優勝メンバー・丸田湊斗が高校球児へ日焼け対策のススメ「長丁場の甲子園を戦い抜くために」
開催中の夏の甲子園。夏の風物詩である一方で、近年は酷暑が問題視され、大会運営の形が盛んに議論されている。
休憩時間である「クーリングタイム」や一部日程で導入された午前と夕方の「2部制」と、熱中症対策が実施されているが、甲子園経験者は「酷暑と甲子園」について、どう思っているのだろうか。
昨夏、甲子園を107年ぶりに制した慶應高の優勝メンバーであり、「美白王子」などとも呼ばれ日焼け対策で話題を集めた丸田湊斗(現・慶應大1年)に話を聞いた。
慶應高のリードオフマンとして活躍し、昨夏の甲子園優勝に貢献した丸田湊斗
ーー高校の時よりも胸板も厚くなり、体のサイズがアップした印象です。
丸田湊斗(以下同) たしかに、そうかもしれないですね。
ーーウエイトトレーニングの回数が増えましたか?
そうですね。週3〜4回はやっていると思います。夏休み中は午前か午後でグラウンド練習をして、あとの半分はいくつかの班に分かれてウエイトをやっています。
ーーグラウンドでの練習は半日なんですね。
この暑いなか、さすがに一日中はやってられないです(笑)。
ーー昨夏は丸田選手の日焼け対策も注目を集めました。今も変わらずですか?
はい、(日焼け止めを)塗ってます。暑さ対策は大事だと思います。大学ではコンディショニングスタッフが氷を持ってきてくれたりいろいろとサポートもしてくれるので、暑さに十分気をつけながら練習してます。
ーーやはり高校球児たちも日焼け対策をするべき?
するべきだと思います。やっぱり日焼けによって体力を使ってしまうとコンディションを整えるのも難しいですし。
僕らの年も他県の強豪校が地方大会で敗れるような波乱が多かった。もちろん全部が全部、日焼けのせいというわけじゃないですけど、地方大会の初戦から甲子園の決勝までは2ヶ月にわたる長丁場。これを戦い抜くとなると、できることはすべてやっておかないと体力がもたないと思います。
【甲子園はハマスタより涼しい?】ーー昨年から熱中症対策として「クーリングタイム」が採用されています。昨夏の慶應の試合でいうと、準々決勝の沖縄尚学戦で"ミスターゼロ"の異名を持つ東恩納蒼(ひがしおんな・あおい/現・中央大)投手をクーリングタイム直後に攻略し勝利。球児の命運を分けるような新制度がどんどん導入されています。
クーリングタイムもやったほうがいいと思いますね。僕らの試合でクーリングタイム後に攻略できたケースもたしかにありましたが、やらなかったらやらないで投手の調子がガラッと変わるかもしれない。年々暑くなっているのだから、何かしらの対策はやらないといけないと思います。
ーーさらに今夏は、開幕から3日間、午前と夕方に分けた「2部制」も導入されました。その他、ドーム球場での開催を提案する声もありますが、実際に甲子園で戦った当事者の丸田選手の考えを教えてください。
僕個人としては、中学時代とかはとくに甲子園に対する強い憧れがあったわけじゃないですけど、それでも甲子園は特別感がありました。甲子園という球場名が大会の通称になっているくらいだから、(別の球場での開催は)どうなんでしょうね......。
ただ、僕らの感覚では(神奈川県大会で使用される)「ハマスタ」(横浜スタジアム)のほうが人工芝で照り返しがあるから暑かったですね。甲子園ももちろん暑かったですけど、天然芝だし、みんな「ハマスタよりは涼しい」と言ってました。
ーー後編では、現在の大学生活について話を伺います。
後編<昨夏甲子園優勝の慶應・丸田湊斗が語る、プロ入りと目指す人物像「いい教育者になりたい」の真意とは?>を読む
前編<夏の甲子園・慶應フィーバーの過熱報道に「怖さあった」 丸田湊斗が明かす夢の舞台の裏側>を読む
【プロフィール】
丸田湊斗 まるた・みなと
2005年、横浜市生まれ。小学3年から野球を始め、日限山中時代は横浜泉中央ボーイズでプレー。慶應高では2年春からベンチ入りし、2023年には春夏ともに甲子園に出場。全国制覇を果たした夏は1番・センターとして5試合で打率4割超、決勝で先頭打者本塁打を放った。2024年、慶應大法学部に進学。東京六大学春季リーグで5試合にスタメン出場した。