シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:なんくるないささん(大阪府・40代女性)

その日、なんくるないささんは4歳の息子、1歳の娘と初めて電車で遠出していた。

その帰り道、エレベーターに乗って改札に向かおうとする彼女の手を振りほどき、息子が一人で階段を駆け上がっていってしまい......。

<なんくるないささんの体験談>

10年ほど前の話です。4歳の息子と1歳の娘を連れて、初めて電車で遠出した日でした。

帰りの電車を降りて、後は高架の改札までベビーカーでエレベーターへ向うだけという時、息子が「先に行く」と私の手をふりほどき、階段を駆け上ってしまいました。

「地元ではこれくらい当たり前」

ラッシュと重なり、人混みのなか、あっと言う間に行ってしまった息子。

不安な気持ちになったその時、若い男性がパッと私の方を振り向き、「俺、行きます」と息子を追いかけてくれました。

ベビーカーを押した私が後から改札に追いつくと、その人は息子と一緒に電車を見ながら安全な場所で待ってくださっていました。

帰る方向も同じだったので、しばらく話しながら帰ることに。

本当に助かりありがたいとお伝えすると、地方からこられた方で、「地元ではこれぐらい当たり前」と。

この方の振るいに助けられ、疲れが癒やされ、私たち親子の「初めての電車でお出かけ」は素敵な思い出になりました。

その後は、私も困った様子の方に声をかけるようになりました。

私達の町でも、あの方がご出身地から持ってきて下さったバトンが繋がればなと思います。


誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、読者の皆さんに投稿していただいた体験談を、プライバシー配慮などのために編集している場合があります。あらかじめご了承ください)