シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Mさん(埼玉県・20代女性)

中学生のころ、Mさんは埼玉へ引っ越すことになった。東日本大震災で被災し、自宅で暮らすことができなくなったからだった。

まずはMさんと小学生の妹だけで祖父母宅に預けられることになり、新幹線で向かっていたのだが......。

<Mさんの体験談>

私は東日本大震災で被災しました。家族全員無事でしたが自宅には住むことができなくなりました。

避難所生活などを経て、私たち家族は最終的に祖父母がいる埼玉に引っ越す決断をしました。

しかし、母や父は仕事の関係や家の片付けなどですぐには引っ越せず、私と妹は先に祖父母の家に預けられることになりました。

行きの新幹線で妹が泣き出して...

その行きの新幹線も2人きりでした。

私は中学生でしたが、妹はまだ小学生になったばかり。不安と寂しさとで泣き出してしまいました。

すると隣の老夫婦が話しかけてくださり、妹に飴をくださいました。

身の上を話すとおばあさまが「お姉ちゃんも頑張りすぎたらダメよ」とジュースまで買ってくださったのでした。

あの時お礼をキチンと申し上げられたか覚えていないのですが、あの時お二人が優しくしてくださったことは、辛いことが起きるといつも思い出していました。

あのあと、無事に家族と一緒に暮らすことができました。妹も成人しましたし、私は来年結婚します。

あの時は本当にありがとうございました。


誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、読者の皆さんに投稿していただいた体験談を、プライバシー配慮などのために編集している場合があります。あらかじめご了承ください)