ローカル開催で積極的に狙いたい種牡馬は? 開催別成績を比較してみた
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【グリーンデザート】
ダンジグの後継種牡馬のなかではデインヒルに次ぐ存在。現役時代にイギリスでジュライC(G1・芝6ハロン)など4つの短距離重賞を勝ちました。英2000ギニー(G1・芝8ハロン)は2着。このときの勝ち馬はダンシングブレーヴです。
スピード型の種牡馬として大成功を収め、オアシスドリーム、インヴィンシブルスピリット、ケープクロスなどを通じて父系を発展させました。わが国でもシンコウフォレスト(高松宮記念)、メジロダーリング(函館スプリントS、アイビスSD)が重賞を勝っています。スピードの絶対値が高く、競走に対して前向きな気性を備え、芝であれば馬場を問いません。
オアシスドリームとインヴィンシブルスピリットはこの系統らしいスピードを伝えており、後者はキングマン、アイアムインヴィンシブルの父となりました。イギリスやオーストラリアの短距離路線で主力級の勢力を保っています。ケープクロスはシーザスターズ、ゴールデンホーンなど12ハロンを苦にしない大物を出し、中距離血統に変質しつつ発展しています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答
「上位種牡馬のなかでローカル向きの種牡馬は?」
3世代以上の産駒がデビューしている主な種牡馬の芝連対率を、中央開催とローカルで比較してみました。
中央開催 ローカル
キタサンブラック 23.0% 20.2%
ドゥラメンテ 21.8% 19.2%
キズナ 21.7% 18.2%
ロードカナロア 21.3% 20.2%
エピファネイア 19.5% 17.7%
モーリス 19.4% 18.2%
ルーラーシップ 18.2% 16.3%
ハービンジャー 16.4% 15.3%
オルフェーヴル 15.1% 17.0%
ドレフォン 13.0% 14.6%
上位種牡馬は総じて中央開催で産駒が活躍しています。オルフェーヴルとドレフォンの2頭は、中央開催よりもローカルの数値が優っています。いずれもダートが得意なタイプで、瞬発力よりもスピードの持続力に特長があるため、小回りコースのほうが持ち味を活かしやすいのでしょう。ローカルの舞台で積極的に狙いたい種牡馬です。