オール電化住宅を建てたあとで「ガス乾燥機」を導入。工事内容やコスト、生活の満足度は？
光熱費の高騰や災害の対応にメリットがある、オール電化住宅が人気です。ただ、ガスが使えないことで制約も。4年前にオール電化住宅を建てた日刊住まいライターは、ガス乾燥機を導入するために、結局2年後に、ガスの引き込み工事をすることとなりました。しかし、増える洗濯物や家族の花粉症、ペットのアレルギー問題が解決、結果的に快適に生活できるように。気になる工事の内容とランニングコストなどをレポートします。
家の要望は日あたりのいいベランダとオール電化
わが家は夫婦と娘2人（10歳と6歳）の4人家族。そして、ネコ2匹と暮らしています。4年前にハウスメーカーで、オール電化住宅を建てました。家は総2階で、延床面積は約35坪。切妻屋根の南側に太陽光パネル4.455kWが載っています。
もともと洗濯物は外干ししていた筆者。日当たりのいい土地を探し、洗濯物がよく乾く南側にベランダがある家を建てました。オール電化住宅にした理由は、光熱費を節約でき、火を使わないので火事の不安がなくなると思ったからです。
ランドリールームはつくりませんでした。ですから、ベランダに干す、取り込むといった手間はあります。しかし、それまでも同様の暮らしをしていたので、面倒だと感じませんでした。
ちなみに、天気の悪い日は室内に干せるよう、2階の廊下に室内物干し竿を設置しています。
家族の花粉症、愛猫のアレルギーで外干しをやめることに
住んで2年ほど過ぎたころ、愛猫のなめ壊し（同じ場所を頻繁になめることで毛が薄くなり起こる皮膚炎のこと）がひどくなり動物病院へ。結果は重度のアレルギーとのことでした。
また、家族の花粉症もひどくなり、家の中に極力アレルゲンを入れないよう、外干しをやめることにしたのです。
しかし、室内干しスペースは、あくまで天気が悪いとき用のもの。家族の洗濯物も増えているので、常時干すにはスペースがたりません。また、室内で干してもお日さまにあてたような、カラッと乾いた感じがせずモヤモヤ。
オール電化の家ですから、まず発電した電気を使える、ドラム式洗濯乾燥機を検討しました。洗濯から乾燥まで全自動でやってくれて、入れ替えの手間がないというのは魅力的です。
しかし、運転を始めると終了するまでに時間がかかります。それに一度に乾燥させることのできる量は、洗濯容量の半分程度。毎日、時間をかけて何度も洗濯機を回さなければいけなくなりそうなことが気になりました。
ガス乾燥機を設置しても導入費用に差がないことが判明
最後に候補にあがったのがガス乾燥機でした。ガスで乾燥させるため、短時間でカラッと乾くこと、洗濯機と別で稼働するため、1日に何度も洗濯機を回すことも可能。さらにSNS上でもガス乾燥機のためだけに、ガスを引いたという人を発見。実際に満足していることもわかりました。
ただ、オール電化住宅である筆者にとって、「ガスを引き込む」ことは、やはり大きなハードル。ガス引き込み工事と、毎月のガス代がどれくらいになるか、とりあえず見積もりを取ることに。
すると、工事費を含めても30万円強でできるという見積もりが。この金額はドラム式洗濯乾燥機を購入するのと大差のない金額。ガス乾燥機を設置することに決めました。
ガス管の引き込み工事は2日間で完了
ガス乾燥機を設置する前に、ガス管を引き込む工事が必要です。わが家の場合、敷地の前まで都市ガスの管が来ていたため、そこから敷地内に引き込む工事となりました。
工事は2日間にわたり行われました。内容は、以下のとおりです。
1日目：重機を使って地面を掘り起こし、ガス管を埋設する工事
2日目：家の基礎に沿ってガス管を立ち上げ、ガス乾燥機設置場所まで管を延ばし、家の中に引き込む工事
わが家は、前面が駐車場で砂利敷き。地面を掘り起こす際もスムーズに進みました。
そして、ガス管を立ち上げ、ガス乾燥機設置場所まで管を延ばして、引き込み工事は完了。
その2週間後にガス乾燥機が納入されました。このときの工事では、まずガス管を引き込むための穴をあけ、ガス栓を設置。さらに天井近くに、排湿筒（乾燥させる際に発生する湿気を、屋外に排出するためのダクト）の穴をあけました。
そして、既存の洗濯機の上に、ガス乾燥機用の専用台をすえつけたら、ガス乾燥機を載せて完了（写真）。ほぼ1日かかりましたが、次の日からなんの支障もなく使えました。
かかった費用は工事費とガス乾燥機本体で約37万円
ガス管引き込みとガス乾燥機本体の金額は、以下のとおりです。
・ガス引き込み工事：約16万円（税抜）
・ガス乾燥機代（専用台、その他必要備品、設置費用込み）：約17万円（税抜）
税込みで総額36万7000円（写真）でした。
ほぼ見積もりどおりの金額。引き込みとガス乾燥機購入の費用を合わせても、ドラム式洗濯乾燥機と大差のないものでした。ちょうどキャンペーンをやっていて、ガス乾燥機代が少し安くなっていたことも大きかったのかもしれません。
ガス乾燥機導入で気になる光熱費は？
筆者が購入したガス乾燥機は乾燥容量9kg。これなら、8kgの縦型洗濯機いっぱいの洗濯物が、1回で乾燥完了（それもかかる時間は小一時間）。
気になるガス代ですが、平日1回、土日2回の使用で、毎月2500〜3000円で推移。基本料込みで計算しても1回90円程度で、大量の洗濯物を乾かせている計算です。今までの洗濯にかかる労力や時間を考えると、決して高くない金額だと思っています。
ガス乾燥機を導入してからは、洗濯物を干さない生活が始まりました。想像していた以上にラクです。
今までは洗濯物をベランダに干す、取り込む作業が必要でした。それに加え、天気を気にしなければいけません。働いている筆者にとっては、これがストレス。
また、花粉の時期は、取り込む際に払う手間が必要になります。それだけでなく、干すとハンガーやピンチを定期的に掃除する必要も。これらがすべてなくなり、乾燥機へ入れる、取り出すのみの作業に。
最大乾燥容量9kgのガス乾燥機を選んだことも正解でした。使っていた縦型洗濯機の最大容量（8kg）よりも大きいので、洗濯物を1回で乾燥させることができます。それもわずか1時間で乾くのもびっくりでした。
乾燥したての洗濯物は暖かくてフワフワ。ほおずりしたくなるほどの気持ちよさです。とくにタオルはパイルが立ち、ボリュームを増しました。もちろん生乾き臭もありません。ガス乾燥機を導入して、ほんとうによかったと思っています。
