失踪した夫と交通事故。医師から告げられた「真実」とは:セックスレス・幸恵さんの場合5
日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「私は妻ではなく、お母さんになっちゃったんです」と振り返るのは主婦の幸恵さん(仮名・49歳)です。単身赴任先で出社せず、行方不明になた夫。上京した幸恵さんが見た「現実」とは? 詳しく伺いました。
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崩壊していた夫の生活。「私はどこまで手助けすべき?」
経済的にも生活面でも、幸恵さんに頼りっぱなしだった夫。東京で単身赴任生活をすることになった夫でしたが、40歳を過ぎてからの初めてのひとり暮らしはとても辛そうでした。
電話で毎日愚痴ばかりこぼされて辟易していたところ、夫がなんと行方不明に。急遽上京した幸恵さんでしたが、夫の両親の他人任せな態度にも呆れ果てたといいます。
「人に頼ってばかりで、自分でなにも行動しない。それで相手をイラつかせるというのは、家庭だけでなく職場でも同じだったみたいです。どうも夫の上司の話を聞くと、夫は周りの人ともトラブルが耐えなかったそう。それで先月配置換えがあったということも、このとき初めて知りました。家のなかもゴミ屋敷と化していて、なにもかも崩壊しかかっていたんでしょうね。ただもう40歳すぎのいい大人です。職場の中のことは自分でなんとかして欲しいというのが正直な気持ちでした」
迷惑をかけたという自覚がない夫にうんざり…
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埼玉の警察署につくと、夫が社有車でガードレールにぶつかる単独事故を起こしたということ、夫にはケガはないけれど車は全損になっているという説明をされました。
「幸い、人様にケガをさせたわけではなかったし、会社の車も保険に入っていたので、ガードレール代30万くらいを弁償するだけですみました。それも仕事中の事故だったので、会社が出してくれることに。原因は本人のスピードの出しすぎ。本人は無傷なのに、事故処理もしないで呆然と立ちつくしていたところ、後続からきた車の人がびっくりして、警察やレッカーを呼んでくれたというのです」と幸恵さん。
しかも心配してきてくれた会社の上司に向かって「全部お前らのせいだ。俺は死にかかった」などの悪態をつく始末。幸恵さんは泣きながら、みんなにただ頭を下げて謝り続けるしかありませんでした。
病院で医師から突きつけられた「真実」
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その後、警察や会社の上司のすすめもあり、夫の精神面をみてもらいに病院へ連れていくことになりました。
「医師から言われたのは『おそらくご主人は結婚したときから奥さんの息子。なんでもやってもらえる、助けてもらえる、守ってもらえる、そういう人生だった』ということでした。改めて突きつけられて、私も心にズシンとくるものがありました。この人と対等な関係を結ぶこと自体、無理だったんだとあきらめもつきました」
思わぬタイミングでまた一緒に暮らすことになって
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夫はすぐに単身赴任が解除となり、名古屋の自宅に戻ることに。思いがけないタイミングでまた一緒に暮らすことになったのですが、夫は変わらず幸恵さんを困惑させるばかり…。
「ストレスの原因だった“東京での仕事”や“慣れない一人暮らし”から離れたことで、夫の精神面はすぐに落ち着きました。ただこっちの家に帰ってきてすぐ私に言ってきたのが『家のタブレットとスマホを連動させたいんだけれど、どうすればいいの?』っていうゲームをするための話で…。私はこの人のために仕事も休んで、散々いろいろな人に頭を下げてきたのに、自宅に帰って第一声がこれかって、ため息しか出ませんでした」
それでもすぐに離婚はせず、娘が成人するまではなんとか夫婦関係の維持を図ろうと思ったといいます。
「もう一緒は無理!完全別居か家庭内別居か選んで」
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ただ幸恵さん自身も、すでに我慢の限界を超えていました。
「結婚してもう10年以上…。もっと早く言うべきだったのかもしれないけれど、このとき初めて『私はあなたのお母さんじゃない。対等なパートナーとしてやっていけないなら、これ以上一緒にはいられません。完全別居か家庭内別居か選んで欲しい』って言いました」と幸恵さん。
すると夫は「なら家庭内別居にする」と即答したそう。続けて「ごはんはつくってくれるんでしょ?」とも言ってきました。幸恵さんはあきらめの境地で「わかりました」とだけ返答したといいます。
このような理由から夫との家庭内別居生活がスタート。その後、レス解消の糸口が見えるどころか、娘と夫の関係まで悪化していたお話については、また次回したいと思います。