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 ◇セ・リーグ DeNA−広島(2024年3月29日 横浜)

 DeNAのドラフト1位ルーキー・度会隆輝外野手(21=ENEOS)が29日、広島との開幕戦に「1番・右翼」でデビュー。第2打席で12球団1号となる同点3ランを放った。

 3点を追う3回、1死一、二塁から九里が投じたスライダーを強振。打球はぐんぐん伸びて右翼スタンドへ入り、値千金の同点3ラン。場内はどよめきと大歓声に包まれ、度会はド派手なガッツポーズを決めて吠えた。

 球団では大洋時代の60年、黒木基康が放って以来64年ぶりとなる新人開幕本塁打。「チャンスの場面だったので『自分はやれる!』と信じて打席へ向かいました。角度も良く捉えられ同点に追いつくことができうれしいです。自分の思い描いていた通りのスイングができた」と喜びを爆発させた。

 初回の守備では先頭・菊池の右前への打球に対応したが、照明に視線をさえぎられて捕球できず(記録は右前打)。それでも体ごとで打球を前に落とし、長打は許さなかった。

 初打席では父で元ヤクルト・博文氏の現役時代の登場曲「アース・ウインド&ファイアー」の「レッツ・グルーヴ」で入り、初球をフルスイング。2球目の外角球を打ちに行ったが、二ゴロだった。

 5回の第3打席は右飛、7回の第4打席は二ゴロに終わったが、チームを勢いづけた。8回に一丸で1点をもぎとって競り勝ち、5年ぶりの開幕戦勝利を飾った。

 昨年ドラフトで3球団が競合した度会。オープン戦では16試合53打数23安打、打率・434と打ちまくり、ドラフト入団の選手では14年の井上(ロッテ)以来、10年ぶり2人目の「新人首位打者」を獲得した。

 56打席で12球団最多の23安打を積み上げ、3割打者さえいない中での4割超えをマーク。安打数、出塁率、長打率、OPS(長打率+出塁率)と5部門で12球団トップをたたき出し、三浦大輔監督はオープン戦最終戦直後に「度会は1番でいきます」と明言。09年の松本啓二朗以来、球団では15年ぶりとなる新人の開幕1番打者としてデビューを果たした。