「脳梗塞」とは?症状・原因・治療法についても解説!【医師監修】

写真拡大

中性脂肪を下げる食べ物は何がある?Medical DOC監修医が血液検査の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。

監修医師:
木下 康平(医師)

防衛医科大学校卒業
聖マリアンナ医科大学病院呼吸器内科にて専門研修
自衛隊病院にて呼吸器内科・一般内科診療に従事。
資格:内科認定医

健康診断・血液検査で「中性脂肪が高い」と診断されたときに考えられる原因と対処法

健康診断の血液検査で中性脂肪が高いと言われたことはないでしょうか?
この中性脂肪とは血中に流れる脂質の一つで体にとって必要なエネルギーになります。
ただし、過剰に中性脂肪が余ると内臓脂肪として蓄積していき、肥満や生活習慣病のリスクとなります。
今回は中性脂肪が高い原因とそのリスクについて解説いたします。

健康診断で中性脂肪が高いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

まず健康診断で中性脂肪の値が高いと診断された場合、必ず除外しなくてはならないものが原発性高中性脂肪症になります。これは生活習慣とは無関係であり、遺伝的要因で中性脂肪が高くなってしまう病気です。この病気は遺伝的要因によるために、幼少期から中性脂肪の値が高く、重症なものでは幼少期から膵炎をきたすこともあります。
ご家族の中で若年のときからコレステロールが高いと言われている方がいる場合は、原発性高中性脂肪症の可能性があります。

健康診断でコレステロール値と中性脂肪が高いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

健康診断でコレステロール値と中性脂肪の高値を指摘された場合、もっとも多い原因として生活習慣による高コレステロール血症が考えられます。
この場合は、まず生活習慣の改善と減量を指示しますが、それでも改善しない場合は内服治療を行うことがあります。中性脂肪が高いままであると膵炎や心筋梗塞などのリスクとなりえます。

医師が薦める「中性脂肪を下げる食べ物・飲み物」とは

中性脂肪が高い患者の場合、米や麺類などの炭水化物が過剰となっていることが多いです。そのため炭水化物を減らすことが重要です。ただし過剰に減らすことは心臓疾患のリスクを上げることがあるため、あくまでも現在の量から減らすことが重要です。
お菓子類や糖分含有飲料を避けることをおすすめしています。
脂質の摂取量も減らすことを勧めており、これにより体重も減量することが可能です。
特に脂質のなかでも飽和脂肪酸を減らし不飽和脂肪酸を増やすことをおすすめします。

「中性脂肪を下げる食べ物」

中性脂肪を下げるためには不飽和脂肪酸を多く含むいわしや秋刀魚などの青魚類を多く摂ることを勧めています。これらの不飽和脂肪酸は心疾患のリスクを減らすことが報告されています。
ただし、注意点として、今の食事に加えて青魚を追加するのではなく牛肉や豚肉などの飽和脂肪酸を含んだ食事から置き換えることが重要です。

「中性脂肪が上がってしまう食べ物」

過剰な炭水化物の摂取は中性脂肪上昇のリスクとなります。そのため食事中の炭水化物、具体的には米やパンの量を減らすことをおすすめいたします。
また食事以外の間食での炭水化物を減らすために、糖類含有のおやつや飲料は控えることをおすすめいたします。

「中性脂肪を下げる飲み物」

特定保健用食品として認可されているものに中性脂肪を下げる効果があるとされている成分があります。
烏龍茶に配合されているポリフェノール、緑茶に含まれているカテキン、食物繊維としての難消化性デキストリンなどです。
トクホといわれてコンビニなどに売られている飲料がこれらの成分を含んでいます。
ただし、効果は限定的であり、あくまでも生活習慣改善の補助としての位置づけです。

健康診断・血液検査の「中性脂肪」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「中性脂肪」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

脂質異常症(高脂血症)

ほとんどが生活習慣によるものですが、一部家族性のものも含まれます。
家族性のものは早期発見と早期治療が必要ですが、健康診断で発見されることが多く極度に心配する必要はないでしょう。
生活習慣による高脂血症に関しては食生活や運動不足による肥満が原因となることが多いです。まずは生活習慣改善を指示し、それでも検査結果の値の改善がなければ内服薬治療を行うことが多いです。
高脂血症は放置すると膵炎や心血管異常をきたすことが多いため、治療の継続が重要になってきます。

ネフローゼ症候群

腎臓からタンパク質が尿とともに流れ出てしまう病気で、血液検査で高中性脂肪も同時に見られます。
いくつか種類がありますが、小児期に起こるものが有名で、この場合は学校検診や浮腫の症状などで見つかることが多いです。
ネフローゼ症候群にもいくつかの種類があるため、腎臓内科にて腎生検を行い、確定診断のもと治療を開始します。治療中は食事制限が必要となることが多いです。

糖尿病

2型糖尿病患者は肥満であることが多く、高中性脂肪血症を併発していることが多いです。どちらも生活習慣改善が第一に必要ですが、糖尿病はとくに厳格な食事制限が必要です。糖尿病が悪化した場合は腎障害や網膜障害が起こることがあり、最悪の場合失明も起こり得ます。
健康診断で指摘されることがほとんどであり、指摘された場合はまずは内科へ受診するようにしましょう。

膵炎

中性脂肪が高いままで放置すると膵炎を合併することがあります。
膵炎は膵臓という脂肪を分解する臓器に炎症が起こる疾患で、強い腹痛が症状として多いです。放置すると腹膜炎まで悪化することがあり、最悪の場合死に至ります。
中性脂肪が高い方で、今まで経験したことないほどの腹痛が出現した場合はすぐに内科または救急に受診するようにしましょう。

甲状腺機能低下症

甲状腺は体の活動性を上げるホルモンを分泌する組織ですが、甲状腺の機能が低下するとエネルギーである中性脂肪が消費されないため中性脂肪の値が高くなります。
中性脂肪の値が高いことで症状が現れることはほとんどありませんが、甲状腺ホルモンが低くなることで活気がないなどの症状が出現することがあります。
甲状腺の超音波検査などを行ったのちに甲状腺ホルモンの補充を行うことがあります。

「中性脂肪が高い」ときの正しい対処法・改善法は?

中性脂肪が高いと医師に言われた場合、まずは食生活と運動習慣を見直すようにしましょう。食生活では、食事の中で炭水化物の割合を減らすようにしましょう。
単純にご飯などの主食の量を減らすとリバウンドしやすいため、減らした炭水化物をサラダや豆腐などに置き換えることをおすすめいたします。
また肉を多く摂っているようであればサンマやいわしなどの青魚に置き換えることも効果的です。青魚に含まれる不飽和脂肪酸は中性脂肪を下げる効果があり、治療薬としても使われることが多いです。
また肥満防止のために食事は夜遅くに摂らないようにしましょう。夜間に食事を摂るとカロリーが消費されずに内臓脂肪となり肥満の原因となります。
加えて飲酒も内臓脂肪を蓄積させる効果があるため、できるだけ控えることをおすすめいたします。
運動は激しい運動を行う必要はなく、散歩などの軽く息が上がる運動(有酸素運動)をおすすめいたします。

「中性脂肪を下げる食べ物」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「中性脂肪を下げる食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

中性脂肪を下げる食べ物のランキングを教えてください。

木下 康平(医師)

青魚が最もおすすめです。また食物繊維の含まれる海藻類や野菜も中性脂肪を下げる効果があります。

納豆を食べると血液中の中性脂肪は下がりますか?

木下 康平(医師)

報告例はなくはないですが、特段中性脂肪を下げるとは考えません。

ナッツで中性脂肪を下げることはできますか?

木下 康平(医師)

不飽和脂肪酸を多く含むため中性脂肪を下げる効果はあると思います。ですが高中性脂肪症の患者は基本的に肥満であることが多いため、おやつなどを控えるかナッツに置き換えるなどの方法がいいでしょう。
むやみやたらにナッツをとっても肥満が進行するだけです。

痩せているのに中性脂肪が高い人はどんな食事に注意すべきですか?

木下 康平(医師)

青魚や野菜類を多く摂ることをおすすめいたします。
またおやつなどの間食を控えることをおすすめいたします。

中性脂肪が高い人におすすめの飲み物はありますか?

木下 康平(医師)

ジュースなどの清涼飲料水を控えることをおすすめいたします。
特定保健用食品(トクホ)などの中性脂肪を下げる効果がある飲み物を飲むよりは、継続的に水またはお茶を飲むことをおすすめいたします。

まとめ 「中性脂肪を下げる食べ物」は海藻類や野菜類!

中性脂肪を下げる食べ物として海藻類や野菜類が挙げられます。
ただし、中性脂肪を下げる食べ物を増やすよりも、まずは全体の食事量を減らし運動量を増やすことをおすすめいたします。
その際に減らした分を野菜や青魚に置き換えることをおすすめいたします。

「中性脂肪が高い」ときに考えられる病気

「中性脂肪が高い」から医師が考えられる病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

心筋梗塞脳梗塞

中性脂肪が高い状態が持続することで上記疾患を引き起こす可能性があります。一過性に高いだけではなることはありません。

参考文献

動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症医療のエッセンス

動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版