絵が苦手でも楽しめて外出するのが楽しみになるという、大人の学び直しにぴったりな「スケッチ」。その魅力を、ノート術についての本の著者で、ライターの三條凛花さんが語ります。新しい趣味や習い事を始めたいと思っている方必見です。

大人の学び直しに「スケッチ」がおすすめな理由

年のはじめは新しいことに挑戦してみたくなりますよね。
今は多種多様なオンライン講座を受講することができ、習い事のハードルが低くなったように思います。

【実際に描いた絵】最もおすすめのスケッチ術「ジェスチャードローイング」

 

私は今、絵を習っています。さまざまなジャンルの絵をかじってみましたが、大人の学び直しには「スケッチ」をおすすめします。ハードルが低く、しかも楽しいのです!

●理由1:道具はほぼ不要

今は少しお金をかけていますが、最初は家にあった使いかけのノートからスタートしました。
スケッチブックと鉛筆は、100円ショップでも手に入ります。

 

●理由2:手仕事に活かせる

日記や手帳、自分史など、文字だけで書いていたものに彩りを添えることができます。家族への言づけメモも、イラストがあるだけでわかりやすくなりますよね。 

 

●理由3:外に出るのが楽しくなる

風景、人、もの。目につくものすべてが興味深い。「送り迎えの道や公園、スーパーなど当たり前の光景の見え方ががらりと変わりました。
「ものを受け取るときって少し前かがみになるんだ」「階段を上る仕草も人によって全然違う」など、毎日が新鮮な発見にあふれています。

おすすめは「ジェスチャードローイング」

スケッチのなかでも私がとくにおすすめしたいのは「ジェスチャードローイング(以下、ジェスドロ)」と呼ばれるジャンルです。

ジェスドロは「人を見て感じた印象を描く」スケッチです。
「印象とは?」と思われる方も多いかもしれません。たとえば「カクカクした動き」「ぐーんと反っているポーズだ」「リラックスしている」など相手を見て感じたことを指します。自分が感じたことなので正解はありません。

感じた印象を軸に、ほんの数分間で人の全身をラフに描ききります。
ここからは実例を紹介します。

これは雪に飛び込む息子を描いたものです。
まずは反っている直線を描きました。手足をピシッと伸ばして反っている印象を感じたからです。
美しく丁寧に細部を描きこむのではなく、1、2分で(3)の状態までザクザク描きます。違和感があれば自分が感じた印象が伝わるにはどう描いたらいいのだろう? と考えてアレンジを加えたりします。

私はオンライン講座や書籍で勉強しました。導入におすすめの書籍は、砂糖ふくろう先生の『10%の力で描く「はじめてのジェスチャードローイング」』です。

 

ジェスチャードローイングをやって生まれた「いいこと」

ジェスチャードローイングを始めてから、改めて気がついた魅力もあります。

●「描ききれた!」という達成感を何度も味わえる

始めてから2か月間、毎日挑戦し続けています。1日20〜30分程度で、これまでに800体もの絵を描けました。

 

●忙しくても負担にならない

9体を描くのにかかった時間はたったの13分です。忙しい方でもスキマ時間に楽しめると思います。

 

●絵が苦手でも気負わずできる

ジェスドロの面白いところは、左の「線1本」の状態でも一つの絵にカウントできること。これならハードルが低いですよね。

 

今年はまだまだ始まったばかり。あなたも学び直しに挑戦してみませんか?
なにげない日常の見え方ががらりと変わり、描くだけでも無心になれてとっても楽しいですよ。