パートナーに先立たれたり、要介護になっても、今の自宅に住み続けますか? 最後まで心穏やかに過ごせる“終の棲家”について、今から考えておきましょう。高齢期の住み替え資金アドバイスを行う「高齢期のお金を考える会」を主宰するファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに高齢者施設の種類と必要なお金の違いについて教えてもらいました。

高齢者施設の種類と費用が知りたい

高齢者施設は、種類によって入居条件や受けられるサービスなどが違います(下表)。

【画像】高齢者施設の種類と費用

気になる費用は、自立型なら、ケアハウスが月額7万〜10万円程度(※)と最も割安。敷金だけで入れるサ高住も、比較的手頃です。介護型も、費用が安いのはやはり介護型のケアハウス。介護付有料老人ホームは数が多く、費用も高いところから比較的安いところまで幅広い選択肢があります。探すときは、自分が出せる予算を見積もって絞り込むと見つけやすくなります。

※おもな所得が遺族年金の場合

「特養」は意外と安くない?

安いと思いがちですが、2016年度から資産基準が導入され、夫婦で1500万〜1650万円、単身者で500万〜650万円以上の資産があると、月額利用料は約13万〜25万円に。地域によっては、介護付有料老人ホームと変わらない場合も。

いくらお金が必要かどうやって計算すればいい?

まず準備できる老後資金を計算しましょう。目安は、今の貯蓄に年間の貯蓄×65歳までの年数と退職金をたした額。仮に今60歳で貯蓄750万円、年間貯蓄50万円、退職金1000万円なら、2000万円です。

老後は年金で暮らしながら、たりない分を貯蓄から補います。施設に使えるのは、入居時に残ったお金。先の例で、65歳から毎年50万円生活費を補てんして80歳で住み替えた場合、使えるのは1250万円に。ざっくりでいいので、自分のケースで試算を。

老後資金はどうつくればいい?

高齢者施設は、入居一時金を支払って入り、月額利用料を支払うのが一般的です。月額利用料は年金の範囲、多くても年金+1万〜2万円に抑えたいもの。おひとりさまになったら入りたい場合は、夫の遺族年金の目安を知っておきましょう(下参照)。

入居中はほかにも、日用品代などの生活費、介護保険の自己負担分、医療費や葬儀代などの予備費も必要です。入居一時金は、貯蓄からこれらの費用も取りおいたうえで、出せる額に抑えましょう。