OpenAIのサム・アルトマンCEOがAIチップ製造工場の建設を計画しており、工場建設に向けて数兆円規模の資金調達を目指していることが報じられました。報道によると、アルトマンCEOはソフトバンクやG42との交渉を進めているとのことです。

OpenAI CEO Sam Altman Looks to Raise Billions for Network of AI Chip Factories - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-01-19/altman-seeks-to-raise-billions-for-network-of-ai-chip-factories





OpenAIはチャットAI「ChatGPT」や画像生成AI「DALL·E」などのAIサービスを提供していますが、これらのAIサービスを提供するには高度な処理性能を備えたAIチップが大量に必要です。しかし、AIチップを必要とする企業はOpenAI以外にも数多く存在するため、AIチップの十分な確保は困難。このためアルトマンCEOは「AIチップの十分な確保」を最優先事項として位置付けており、2023年10月には「OpenAIが独自チップの開発を計画している」と報じられるなど、AIチップの供給改善に向けて取り組みを進めていることが明らかになっていました。

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新たに海外メディアのBloombergが入手した情報によると、アルトマンCEOは複数の半導体製造工場からなる「AIチップ製造工場ネットワーク」の構築を目指しているとのこと。BloombergはアルトマンCEOが数兆円規模の資金調達に向けてソフトバンクやアラブ首長国連邦に拠点を置くAI企業「G42」と交渉を進めているとも報じています。

関係者は、アルトマンCEOはG42から80億ドル〜100億ドル(1兆2000億円〜1兆5000億円)の資金を調達するべく交渉していると証言しているそうですが、記事作成時点での交渉状況は不明。BloombergはOpenAI、ソフトバンク、G42にコメントを求めましたが、各社は返答を控えたとのことです。

なお、「アルトマンCEOがAIチップの製造に向けて資金調達を計画している」と報じられたのは今回が初めてではありません。例えば、アルトマンCEOの解任騒動があった2023年11月には「アルトマンCEOが退社直前までAIチップ開発企業設立プロジェクト『Tigris』を実現させるために資金調達に取り組んでいた」と報じられていました。

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