ESSEonlineで2023年12月に公開された記事のなかから、ランキングTOP10入りした記事のひとつを紹介します。

お金の不安を解消するために、なにをしたらいいの? 大切なお金はどう使ったらいいの? 年齢を重ねて、これから先の暮らしについてそう考えることが増えたのではないでしょうか。そこで60代以上のお金としっかり向き合って、心豊かに暮らしている方に密着します。今回は、ひとり暮らしのユーチューバー・ロコリさん(72歳)に、「年金+アルバイトの月8万円で心豊かな生活を満喫できる理由」について教えてもらいました。ロコリさんが伝えたいことは、「何歳からでも、人生の扉は開く!」というものでした。

記事の初出は2023年12月。内容は取材時の状況です。

私の財産は若いころに苦労したことと母親ゆずりの好奇心

「35歳のとき、2000万円の借金を抱えたんですよ」
大変な話題を、ロコリさんはこともなげに話します。

「地元・北九州の婦人服専門店や東京のニットメーカーで働いたあと、福岡に戻ってブティックを開いたんです。25歳でした。それが10年後、近くに新しいファッションビルができて廃業に。累積赤字もあり、負債だけが残りました」

友人たちの支えもあり、デパートの販売員として再起。実家でひたすら生活を切り詰めながら、20年以上かかって返済しました。
「ほっとしたのもつかの間、母が認知症を発症。60代は、仕事と在宅介護に明け暮れた10年でした」

69歳のときお母さまが他界。勤めていた百貨店も閉店、無職に。
「落ち込んでばかりいられない、とウォーキングに出てみたら、近所に新しいマクドナルドができていて求人広告が出ていたんです。"70代の人も活躍中!"って。そこで思いきって、アルバイトすることにしたんです」

節約しながら工夫して暮らすのは、借金時代に鍛えられたので慣れっこなんですよ、とロコリさんは笑います。

「母親ゆずりの新しもの好きで、仕事に迷うとつい、ほかの可能性を探して、パソコンを勉強したりブログを書いてみたり...そんな寄り道がすべて、今の自分につながっている気がします」

ロコリさんの暮らしを楽しむ工夫

廊下の手すりに下がっているのは古いルイ・ヴィトンのバッグ。100円ショップで買ったフェイクグリーンを飾っています。
「長年ほったらかしでカビだらけだったのを洗ってみたらきれいになったんです。今の私には大きすぎるし、だったら再利用しようと思って」

「節約ばかりしていると、心も生活もどんどん小さくなってしまう」
お母さまを元気づけるためにサブスクで購入していたお花は、今も継続中です。