矢継ぎ早に成功させた10億円超えの契約 数多の争奪戦を制した日本ハムに見る新庄体制3年目への“本気度”

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大型契約を次々と成功させた日本ハム。戦力充実の今季に問われるのはやはり指揮官の手腕だ。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 最下位からのタイトル奪取へ。日本ハムが怒涛の補強を展開している。

 1月12日、日本ハムは2020年から2年間プレーしていたドリュー・バーヘイゲンとの契約を発表した。新庄剛志監督が「素晴らしい投手だとはみんなから聞いていたので本当に嬉しい! 彼がどんな選手か、いまさら説明する必要もないかな」とコメントしたように、待望の実力派助っ人獲得で戦力がより充実する形となった。

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 昨季カージナルスに在籍したバーヘイゲンは、主にリリーバーとして60試合に登板。5勝1敗、防御率3.98、WHIP1.28を記録。確かな実績を残してフリーエージェントとなった今オフもメジャーリーグの複数球団からオファーが舞い込んでいた。

 しかし、日本ハムが出来高払いを含む2年(2年目は選手オプション)総額800万ドル(約11億5900万円)の高年俸のオファーを提示。これに「いつかはまたファイターズに戻ってプレーをしたいという強い思いがありました」と古巣復帰に対する熱意を持っていた33歳の助っ人が応じた。

 青天の霹靂とも言うべきメガディールを締結させた日本ハム。この助っ人獲得に代表されるように、今オフは彼らの新庄体制3年目に対する“本気度”が伺える。

 まず、オリックスからフリーエージェント(FA)となっていた昨季11勝の実力派左腕・山粼福也を、ヤクルト、巨人、DeNA、ソフトバンクなど6球団との争奪戦の末に4年総額10億円で獲得。さらに日米10球団が獲得にスカウティングをしていたという「台湾の至宝」と言われる最速157キロを投げる怪腕スン・イーレイの引き抜きも成功させた。

 また、日本ハムは、今月8日にMLB通算108本塁打を誇る右の大砲フランミル・レイエスと契約合意。DeNAとソフトバンクを含む日米7球団が熾烈な獲得競争を展開していたとされるスラッガーだが、1年100万ドル(約1億4500万円)で口説き落とした。

 チーム得点数(464)と本塁打数(100)と貧打に悩んだ打線の核となる助っ人も補填させた同球団は、FA退団が囁かれた加藤貴之と4年総額12億円での再契約も成立。さらにパトリック・マーフィー、アニュラス・ザバラという投手2枚、俊足巧打の外野手アンドリュー・スティーブンソンも獲得。投打において戦力拡充を図った。

 バーヘイゲンへの最大800万ドルと、レイエスへの100万ドルという大型契約だけでも、球団上層部の“結果”を求める想いが強くうかがえる。フロント陣からすれば、これ以上にない後押しをしたと言えよう。

 これだけの“援護射撃”がされれば、あとは現場が応えるのみだ。24年は自身のインスタグラムでも「今年で3年目 本当の勝負は今年からがスタート 言い訳できない年 必ず やったります」と意気込むカリスマ指揮官の手腕が問われる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]