中国への輸出規制に準拠する中国専用のRTX 4090相当品「RTX 4090 D」をNVIDIAが発表しました。価格はRTX 4090と同じですが、CUDAコアとTensorコア数が少なくなっています。

Nvidia launches China-specific RTX 4090D Dragon GPU, sanctions-compliant model has fewer cores and lower power draw | Tom's Hardware

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NVIDIA GeForce RTX 4090 D GPU Launched In China: Reduced Cores, Similar Gaming Performance For $1599 US

https://wccftech.com/nvidia-geforce-rtx-4090-d-china-launch-same-performance-as-4090-1599-usd/

従来のRTX 4090と比較して、RTX 4090 Dは映像処理の指標を示すCUDAコア数が1万6384から1万4592に減少していて、AI処理のTensorコア数も512から456に減少。一方で消費電力は450Wから425Wへと微減し、ベースクロックが2230MHzから2280MHzへと微増しています。

トランジスタ数、メモリバス、L2キャッシュなどその他の性能はRTX 4090から変化していません。NVIDIAの公式発表によると、RTX 40シリーズの描画技術「DLSS+RT」が本領を発揮することで、RTX 4090 DはRTX 3090 Tiと比較して「Alan Wake 2」などのゲームで最大3.5倍のパフォーマンス向上を実現するとのことです。



RTX 4090 Dは中国限定販売で、価格は1万2999元(約26万5000円)です。ちなみに日本でRTX 4090が発表された際の価格は税込29万8000円でした。なお、台湾のPCパーツメーカー・MSIや中国のGALAXなどがすでにRTX 4090 D搭載のグラフィックカードを準備中です。



アメリカに拠点を置くNVIDIAは、アメリカ政府が進める中国への半導体輸出規制の影響を真っ向から受けています。2022年から2023年にかけて行われた規制によりNVIDIAは自社製チップの「H100」などを中国に輸出できなくなり、それでも巨大な市場を逃すまいと、規制に準拠した中国専用モデルを製作するなどして対抗しています。

反面、こうした民間企業の施策をアメリカ政府は疎ましく思っており、商務長官は「規制された製品を再設計した新製品は直ちに追加の制限の対象となる」と発言するなどし、NVIDIAをけん制する動きを見せています。

アメリカがNVIDIAに中国向けチップの製造をやめるよう警告 - GIGAZINE