「2023 第36回小学館DIMEトレンド大賞」のベストキャラクター賞を受賞したお笑いコンビ「ウエストランド」(画像は井口浩之の公式Xより)

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芸能プロダクション・タイタンに所属する芸人が、ここ最近注目を集めている。設立当初は実質的に「爆笑問題」の個人事務所といった雰囲気だったが、後に続く芸人たちも着実に力を付けている印象だ。一体なぜここにきて、タイタン所属芸人が好調なのだろうか。

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今や“言わずと知れた”という扱いになりつつあるが、昨年大きく飛躍した芸人といえば、井口浩之と河本太によるお笑いコンビ「ウエストランド」だろう。「あるなしクイズ」を通してあらゆるものに噛みついていく漫才が人気を博し、2022年の「M-1グランプリ」で優勝に輝いたことは記憶に新しい。

その後バラエティ番組などへの出演が激増すると、井口は毒舌キャラとしても存在感を発揮。ちなみに彼らが優勝した年の「M-1グランプリ」で、同じく決勝に進出したお笑いコンビ「キュウ」もタイタン所属の芸人だ。

また土岡哲朗とぐんぴぃのお笑いコンビ「春とヒコーキ」も、ここ数年で急成長したタイタン所属芸人と言えるだろう。中でもぐんぴぃはABEMA NEWSの街頭インタビューで放った「バキバキ童貞です」という言葉がネット上で拡散され、「バキバキ童貞」を略した「バキ童」というあだ名で大ブレイクを果たした。なおYouTubeに開設された「バキ童チャンネル」は、12月19日時点で登録者数125万人を記録している。

もはやネットミームになっているぐんぴぃのキャラクター性に加えて、土岡もいわゆる「サイコパス」キャラとして人気を博しており、とにかくネットでの活動が強い印象。オタクカルチャーに詳しいYouTuberとして、すでに盤石の地位を築きつつある。

タイタンの最近の動向といえば、2018年10月に設立されたお笑い養成所「タイタンの学校」も見逃せないところ。実際に春とヒコーキは同養成所の芸人コース2期生で、今ではしっかり「バキ童」として大活躍している。そろそろ他の「タイタンの学校」出身芸人も、頭角を現してくるかもしれない。

よくアイドル業界ではグループ全体のことをまとめて「箱」と呼んでいるが、タイタンの強みはまさにこの“箱感”が事務所の中で作られていることにある。吉本興業などと比べるとまだ規模は劣るものの、所属タレントが少数だからこそのアットホーム感が一つの武器になっているのだ。ちなみにタイタンは太田光の考えもあり、「芸人にネタのダメ出しをしない」という基本方針があることも知られている。

この“箱感”の形成には「タイタンの学校」もそうだが、2022年9月に開設されたYouTubeチャンネル「爆笑問題のコント テレビの話」も一役買っているように思える。

同チャンネルでは、「爆笑問題」が中心となったコントが定期的に投稿されており、『SMAP×SMAP』などの人気番組を手掛けてきた有名放送作家・鈴木おさむが監修を担当。スペシャルゲストやゲスト作家などが参加する一方、タイタン所属の芸人たちが活躍する場ともなっている。いわばネット上に開かれた、タイタンの劇場のような機能を果たしているのだ。

コントの内容はいい意味であまり“ネットカルチャー的”ではないものの、地道に数字を伸ばしており、数十万再生を突破する回もちらほら出ている。今後さらに人気を伸ばすことができれば、「タイタン箱推し」のようなファン層がもっと増えていくだろう。テレビやライブだけでなくネットでの活動に力を入れている点も、今の世の中に適した戦略と言えそうだ。

今後もますます勢いを増していきそうなタイタンの所属芸人たち。将来的には他の大手お笑いプロダクションに肩を並べることも、夢ではないかもしれない。

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