「2023年第1四半期まで会社にとどまれば、2022年の目標ボーナスの50%を支払う」とX(旧Twitter)が約束したにもかかわらず、そのお金が支払われなかったとして元従業員が提訴していた裁判で、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は元従業員の訴えを認めました。

ORDER GRANTING IN PART AND DENYING IN PART MOTION TO DISMISS

(PDFファイル)https://www.courthousenews.com/wp-content/uploads/2023/12/schobinger-v-twitter-order.pdf

Judge rules that Twitter violated contract when it withheld millions of dollars in bonuses | Courthouse News Service

https://www.courthousenews.com/judge-rules-that-twitter-violated-contract-when-it-withheld-millions-of-dollars-in-bonuses/



Twitter violated contract by failing to pay millions in bonuses, US judge rules | Reuters

https://www.reuters.com/legal/twitter-violated-contract-by-failing-pay-millions-bonuses-us-judge-rules-2023-12-23/

Suit Against Twitter Over Unpaid Bonuses Gets Go-Ahead From Judge - The New York Times

https://www.nytimes.com/2023/12/24/business/twitter-x-employee-bonuses-lawsuit.html

2023年5月にXを退職した元報酬担当シニアディレクターであるマーク・ショビンガー氏は、2023年6月にXを提訴しました。

ショビンガー氏の主張は「イーロン・マスク氏がTwitterを買収した2022年11月前後に、『2023年の第1四半期まで会社にとどまれば、2022年の目標ボーナスの50%である数百万ドル(数億円)を支払う』とXが約束したにもかかわらず、退職の際にボーナスが支払われることはなかった」というものです。

ショビンガー氏とXの間で結ばれた約束は口頭だけのものでしたが、ショビンガー氏は「2023年第1四半期まで会社にとどまっていたのは、ボーナスを受け取れると思っていたから」と主張。また、ショビンガー氏によると、この約束があったために他の企業からのスカウトを断っていたとのこと。一方でX側の弁護士は「口頭での約束は正式な契約ではなく、強制力は発生しない」と反論しています。



またX側の弁護士は「カリフォルニア民法第1646条の『契約は履行される場所の法律と慣習に従って解釈されるべきである』という規定に基づいて、テキサス州法で判断すべき」との主張を行いました。

最終的にカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のヴィンセント・チャブリア判事は「ショビンガー氏はカリフォルニア州法に基づく契約違反の主張をもっともらしく述べました」と語り、Xはショビンガー氏に対しボーナスを支払う必要があるという判断を下しました。

チャブリア判事は「ショビンガー氏に対するXの『2023年の第1四半期まで会社にとどまれば、2022年の目標ボーナスの50%を支払う』という申し出は、カリフォルニア州法の下では拘束力が発生します。そして、Xはショビンガー氏に約束のボーナスを支払っていないため、Xはその契約に違反しています」と述べています。



ショビンガー氏の弁護士であるシャノン・リス=リオーダン氏は「私たちは裁判所の決定に非常に満足しています。裁判所は、書面による合意がない場合でも、口頭での約束は法的拘束力を持つという私たちの主張に同意しました。今回のケースでは、Twitterの買収後に会社にとどまった従業員に対し、2022年の目標ボーナスが適切に与えられる可能性があることが認められました」と述べました。

なお、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所による今回の判決に関して、Xはコメントを控えています。