女性アイドルグループ・SKE48の元メンバーで、現在はフリーアナウンサーとして活躍する後藤楽々さん。幼少期に始めたゴルフの腕は芸能界屈指の腕前で、ベストスコアはなんと70台。そんな後藤さんに、これまでのゴルフ遍歴から練習方法まで、余すことなくゴルフ愛を語ってもらった。


後藤楽々さんのベストスコアはなんと79! Photo by Takahiro Idenoshita

【練習が好きになれなかった幼少期】

――幼少期の頃からゴルフを始められたんですよね。きっかけは?

後藤楽々(以下同)「ゴルフが大好きな祖父の影響です。父も母もゴルフが好きなので、小さい頃から家族でゴルフコースに行っていて。7歳くらいだったかな、「楽々も始めてみる?」みたいな感じで、私のゴルフライフがスタートしました。

 始めたばかりの頃は、なかなか楽しさに気づけなくて。練習があまり好きじゃなかったんです。でも、ラウンドはすごく楽しかった! だんだんのめりこんでいって"100切り"のために、週一回のスクールにも通うようになったんです」

――いくつの時に100を切ることができたんですか?

「たしか、小学校6年生の時だったと思います。学校の友だちでゴルフを習っている子が試合に出ていて。その姿を見て、私も一回だけ出てみようと、すごく頑張ったら100を切ることができました。

 嬉しかったですね。100切れるかどうかスレスレのラインってすごく緊張するじゃないですか。そのプレッシャーに今まで負け続けてきて......、やっと勝った!って感じですね。

 でも、100を切ったことで満足してしまって、一回ゴルフをストップしちゃったんです。燃え尽きたというのもあるのですが、アイドル活動をスタートしたので、時間が取れなくなっちゃって。15歳から20歳の5年間はゴルフから完全に離れてしまいました」

――アイドルを辞めてから、再スタートしたんですね?

「辞めたら青春が欲しくなっちゃって(笑)。大学に友だちが欲しい!思い出を作りたい!って思って、通っていた青山学院大学のゴルフ部に入部しました。球拾いをする代わりに無料で打たせてもらえる、青学ゴルフ部御用達の練習場があったんです。ゴルフ部の学生はみんなそこに通っていました。

 私は週3、4日通っていました。ゴルフをこんなに練習できる環境って二度とないと思ったんです。コロナ禍もあって時間ができたので、集中して取り組むことができました」

――どんな練習をされていたんですか?

「ひたすら打つ、ですね(笑)。自分のスイングの動画を撮って見直すこともやってました。ここがダメだっていうところがすぐにわかるので、同じようにやっている子は多いと思います。

 ゴルフ部の上手な子たちがやっていたのは、好きなプロ選手の動画を見て、それを真似すること。青学にはコーチがいなかったので、自分でやるしかないんです。上手な人に聞いたりもして、コツコツ地道にやってました」

【大学3年でベストスコア79を記録】


愛用のクラブセットと並ぶ後藤楽々さん Photo by Takahiro Idenoshita

――ゴルフ部に入ろうと思った時には、5年のブランクがあったんですよね。再スタートした時のスコアはどのくらいでした?

「ゴルフ部に入って初めてのラウンドが117だったんです......。久しぶりにやってみたら、すっかり腕が鈍ってて悲しくなりました。そこから、100を切るようになるまで猛練習。10ヤードはこのくらい、20ヤードはこのくらい、と正確性を上げる細かい練習を徹底してやりました。

 でも、練習しない方がうまくいく時期もあるんです。練習してないけど、良いスコアで回れちゃうとか。でも、絶対に悪い時期がやってくる。その時に、練習してないからだってことに気づくんです。正直、練習へのモチベーションが下がる時もよくあって。猛暑だったり、真冬で寒すぎたりすると「もうできない」ってなっちゃう。身体が「ゴルフをするなって」って言ってるんですよね(笑)。その時は休憩して、またやる気が出たら始めます。長くやり続けるというよりは、一定期間集中してやるタイプです」

――ベストスコアをその時期に?

「大学3年の時に79を出しました。今でもこの79の壁が高くて。あの時の調子はなかなか戻ってこないですね。今の平均スコアは84くらい。調子がいいと82で回れます。で、練習をサボってしまうと、99くらいになっちゃう。やっぱり練習が大切だってことに気づかされます。

 最近は朝の生放送のレギュラー番組が終わった後に、打ちっぱなしに行って練習しています。長く集中力が続かないので、一時間で130球くらい打つ感じですね。正しいスイングをどれだけ体に覚えさせるかを一番に考えています。練習しないと正しい姿勢が抜けちゃうので」

――意識しているスイングのポイントってありますか?

「私はオーバースイングになりやすいんです。クラブを90度まで上げているつもりでも、すごく後ろにいっていたり。頭で思っていることと、実際にやっている動作が違うことが多くて。テイクバックの位置は意識するようにしています。

 頭を動かさないことも意識していますね。"ボールの行方は打ってから見る"を心がけています。うまくいかない時ってボールを目で追っちゃってるんです。ボールの行方が気になる気持ちを抑えて、振り切ってから見る。これが大切。一人で黙々と試した結果、頭が動いている時は絶対にボールが右に行ってしまって、うまく飛ばないんです。

 あと、先日プロゴルファーの金谷多一郎さんと番組でご一緒して、 "つま先重心に構える"ことも学びました。つま先に重心を意識しただけで、一気に調子が上がったんです! ボールの当たり方も全然違う。アマチュアの方は足を踏み直す時に踵から踏み込んじゃうらしいんです。でも、プロや上手な方はつま先から踏むんですって」

【おじいちゃんが組んでくれた特別なアイアン】


お気に入りのプロギア(PRGR)のウェッジと後藤楽々さん Photo by Takahiro Idenoshita

――愛用中のクラブは昔からお使いのものですか?

「そうですね、長年使っているものが多いです。このアイアンは4年くらい前に祖父からプレゼントされたプロギア(PRGR)のもの。祖父が趣味でゴルフショップを経営していて、そこで私に合うように組み合わせてくれたセットです。ちゃんと私のスイングを見て、組んでくれたので、すごく使いやすいんですよ。

 8年くらい前から使用しているピン(PING)のユーティリティもお気に入りの一本。めちゃくちゃ振りやすい。キャロウェイ(Callaway)「パラダイム(PARADYM)」シリーズのドライバーも調子がいいです。ヘッド部分が小さめで私好み。実はドライバーだけ調子が上がらなかったので、今年これを新調したんです。やっぱり最近のドライバーは楽にいい球が出せることが多いので、他のクラブも替えたくなっちゃいますね」

――クラブ以外にもいろいろなグッズをお持ちですね。

「テーラーメイド(TaylorMade)のラインが入ったボール『ツアーレスポンス ストライプ ボール』はおすすめしたいアイテムです。パッティング時に、ラインを意識して真っ直ぐに打つと入りやすい。

 ティーやボールを入れておける先輩からいただいたポーチも愛用中。あと、イーグルビジョン(EAGLE VISION)の距離計ですね。以前は望遠タイプのものを使っていたのですが、毎回取り出すのが、ちょっとめんどくさくて......。時計タイプのものであれば、身に着けて
おくだけで、すぐに見ることができてとても便利です」

――最後に、ゴルフ初心者は何から始めればいいか教えてください。

「アプローチ練習ですね。このくらい打ったら10ヤード、このくらい打ったら20ヤード飛ぶっていうことを感覚的に覚えることをやっていくのがいいと思います。始めたての頃って、どのくらい飛ぶのかわかっていないので、最後のグリーン周りであっちこっちにボールが行ってしまうことって多々あるんですよ。なので、10から50ヤードくらいまでだけでもわかっておけば、残り30ヤードくらいになった時に自信を持って打つことができますよ」

【PROFILE】
後藤楽々(ごとう・らら)/2000年7月23日、愛知県生まれ。2015年、女性アイドルグループ・SKE48第7期生オーディションに合格し、芸能界デビュー。2019年9月に卒業。現在はフリーアナウンサーとして、日本テレビ「Oha!4 NEWS LIVE」、「ZIP!」などで活躍中。