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 本来カルロ・アンチェロッティ監督は、先発メンバーを基本的には固定して臨むことを好む指揮官だ。だが現在のレアル・マドリードにおける離脱状況からそうもいかず、いくつかの実験的な起用も避けられない事態にまで陥っている。だがそこでむしろ光明となっているのが、両足を巧みに操るブラヒム・ディアスだ。最近採用されている4−4−2システムにおいて、24歳のアタッカーは先日のグラナダ戦で、まず前列の2列目でプレーし、次に最前列において右から中央に移動し、クロースからのお膳立てから先制ゴール。

 さらに後半にもロドリゴに今度は追加点をお膳立てし、全2得点に絡む活躍で2−0の勝利に大きく貢献した。アンチェロッティ監督は、改めて「今、彼は非常にいいプレーを見せているね。非常に多くの仕事をこなしてくれているよ」と絶賛。「どのポジションで起用しても、そこで彼は常に自分の役割を果たしてくれる」と「大きな満足感」を示している。「当初はあまり機会が巡ってこない状況だったが、それを今ではそのクオリティをもって活かしているところだ」

 最近のレアル・マドリードの公式戦5試合において、ブラヒム・ディアスは4回先発メンバーに名を連ねており、少なくとも65分間、最長で88分間にわたってプレー。そしてその中で同じポジションでプレーしたことはただの1度もなく、その柔軟性はとりわけ、ヴィニシウス・ジュニオール離脱など不測の事態に陥ったチームにとって、大いに救いとなるものだ。逆に今こそブラヒム・ディアスにとっては先発定着に向けてアピールのチャンスが到来したということでもあり、その相乗効果がまさにチームに好影響となって現れている。