異次元さは桁違い ソフトバンクとオスナの「大型契約」はMLBでも“9人しかいない”規模だった

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小久保新監督(右)のラブコールを受け、ソフトバンク残留を決断したオスナ(左)。その契約金は驚くべきものだった。(C)CoCoKARAnext

 来季に捲土重来を期すソフトバンクが、助っ人と交わした再契約が話題となっている。

 去る11月14日、「スポーツ報知」をはじめとする日本の複数メディアが、ソフトバンクが絶対的守護神であるロベルト・オスナと残留で合意したと一斉に報じた。

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 驚きだったのは契約金額だ。出来高払いなどを合わせて、4年総額40億円規模になるというのだ。これが事実であれば、21年1月に田中将大が楽天復帰の際に結んだ2年総額9億円(推定)を超える日本球界最高年俸となる。

 昨年12月にロッテから年俸500万ドル(当時のレートで約6億6500万円)の単年契約で加入したオスナは、49登板で3勝2敗26セーブ、防御率0.92、WHIP0.69と抜群の数字を記録。現在28歳という年齢を考慮しても、今後の再建に必要不可欠な人材ではあった。

 しかし、守護神もしくは救援投手に対する4年総額40億円のメガオファーは、“野球の本場”であるメジャーで見ても数少ない事例だ。

 米スポーツ界の契約や総年俸のデータを集計、分析する専門サイト『SPOTRAC』がまとめているところでは、今回のオスナと同様の規模で契約を締結している救援投手はわずかに9人だけしかない。

 その顔触れは、まさに多士済々。昨年11月にメッツと救援投手史上最高額となる5年1億200万ドル(約150億円)の契約を結んだエドウィン・ディアスを筆頭に、元阪神のロベルト・スアレス(パドレス)、リアム・ヘンドリックス(ホワイトソックス)、ライセル・イグレシアスなどメジャーリーグでも随一の実力を誇るタレントばかりなのである。

 右ヒジの損傷で長期欠場を余儀なくされたものの、アストロズで守護神を務めるなどメジャー史上最年少100セーブに到達したオスナの実力はメジャー屈指。さらに先述の今季成績を見ても、ソフトバンクの評価は妥当と言えよう。

 とはいえ、だ。米球界でも少ない規模の契約を提示できるソフトバンクの資金力には驚くほかにない。小久保裕紀新監督が10月の就任会見で「いなかったら話にならない」と強調した守護神に対する誠意の証ではあるが、昨オフに「異次元の補強」を展開した常勝軍団は、やはり次元が違う。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]