マシンガンズ「今のこの幸せがずっと続いてほしい」/テリー伊藤対談(4)

写真拡大

テリー 今日話してみて、2人はすごく真面目だし、いい人じゃないですか。あんなに不満ばっかり言って怒ってる漫才の時とは違って。

西堀 そうなんですよね。漫才以外だと普通の人になっちゃうんですよ。

テリー そのギャップは何とかしたいよね。やっぱり、リングで「テメェ、ぶっ殺すぞ」って言ってるレスラーには、俺なんかは普段からそうであってほしいと思うんですよ。

滝沢 なるべく延長線上にいたいと思うんですけどね。

西堀 その辺は出し方が難しいんですよね。

テリー だから、さっきの話じゃないけど、やっぱり俺はたけしさんなんだと思う。

西堀 ああ、敵を作るっていう。

テリー そうそう。「昨日、家に帰ったらカミさんが茶碗割っちゃって、メシが食えなかったんだよ」ってさ、誰もそんなこと聞いてないし、茶碗なんか他にもあるはずだからメシ食えないわけないんだけど、たけしさんって必ずそんなこと言うんだよ。で、自分を弱い立場にするの。

西堀 そうか、すごいですね。親近感湧くもんなぁ。

テリー でしょう。だから、トークショーとかで何か聞かれても「そんなことより昨日、カミさんが茶碗割っちゃってさ」みたいな話をするといいのかもしれない。

滝沢 何を聞かれても「そんなことより昨日ね」っていう(笑)。

テリー そうそう。その方が面白くない? 「やっぱりマシンガンズってこんなことばっかり言ってるんだ。しょうがねえ奴らだな」って思われるよ。

西堀 で、スベったら、「テリーの野郎、絶対ウケるって言ったのに」って言えばいいんですよね。

テリー アハハハハ。そうそう、それでいいと思う(笑)。

西堀 ありがとうございます。今日来てよかったな。

テリー あと最近、ナイツの塙(宣之)さんが会長をやってる漫才協会に入ったんでしょう。これは?

西堀 最初はあんまり入る気なかったんですよ。でも、あいつがズルいのは、ラジオの生放送中に電話かけてきて、「入りますか、入りませんか」って言われたんですよ。そんなの「入りません」って言えないじゃないですか。

テリー でも、漫才をやる場所が増えるのはいいことだよね。

西堀 そうですね。いい機会なので、新ネタも作ろうと思ってます。

テリー 他にこれからやりたいことは?

西堀 何だろうな。僕は今のこの幸せがずっと続いてほしいですね。去年だったら考えられないですよ。目の前にテリー伊藤がいるなんて。だから、こういうのがすべて新鮮で最高なんで、これが1秒でも長く続くといいなと思います。

滝沢 僕は小さい場所でもいいから、2人でしゃべるみたいなこともやりたいですね。普通の人がしゃべったらそんなに面白くないけど、うちらがしゃべったら面白いみたいな感じに昇華したいんですよ。それを番組でやれたらいいですけど。

西堀 夢がデカいな(笑)。でも、確かに言われてみると、それはやってみたいですね。まだちょっと「冠番組をやりたい」とは、胸を張って言えないところもありますけど。

テリー 十分可能性あるよ。

滝沢 僕らテリーさん、ドンピシャ世代なんで、何かプロデュースしてほしいっていうのもありますね。

テリー 考えますよ。

滝沢 ほんとですか? じゃあ、我々はテリー伊藤公認芸人でいいんですかね。

西堀 これからはテリーさんの弟子みたいなもんだと思って活動していきます。

◆テリーからひと言

 さすがベテラン、面白かったな。どんなに売れても守りに入らず、いつまでも毒のあるマシンガンズでいてくださいよ!

ゲスト:マシンガンズ 滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)1976年、東京都生まれ。西堀亮(にしほり・りょう)1974年、北海道生まれ。池袋のカルチャースクールで出会った2人が意気投合し、1998年にコンビ結成。「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)などに出演し、人気に。2007年から2年連続で「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)準決勝進出。今年5月、「THE SE COND 〜漫才トーナメント〜」(フジ系)で準優勝し、再び注目を集める。滝沢は「このゴミは収集できません」(角川文庫)ほか著書多数。西堀の初の著書「芸人という病」(双葉社)が発売中。