「キレたら何するか分からない」 指名手配の八田與一容疑者 学生時代の友人が語る“人物像” 大学生2人死傷ひき逃げ事件
大分県別府市で起きた大学生2人死傷ひき逃げ事件。警察庁は9月8日付けで、逃走中の八田與一容疑者を重要指名手配に指定しました。道交法違反での指定は全国初のケースとなります。一方で、遺族側が八田容疑者を殺人容疑で21日にも刑事告訴することがわかりました。
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いまだ逃走を続けている八田容疑者は一体どんな人物なのか?容疑者の学生時代の友人は「明るい性格の半面、キレると怖い一面もあった」と語ります。
八田與一容疑者(27)は石川県生まれで千葉県や栃木県、大分県杵築市を転々とし2年前、大分県日出町に移り住みました。
容疑者を知る友人:
「基本的にみんなと和気あいあい、性格が明るい方なので人見知りもしないし、にぎやかで楽しかったが、キレたりしてちょっと怖いなと感じたりもしたし、この人キレたら何するのか分からないなという感じがした」
こう語るのは八田容疑者の学生時代の友人です。学生当時、八田容疑者は千葉から熱海まで100キロを超える距離を自転車で走破するなど行動的な一面があったと振り返ります。一方で、気に入らないことがあると相手に詰め寄ったり声を荒らげたりする姿をみせたそうです。
容疑者を知る友人:
「びっくりしたのと同時にありえなくはないなと思った。体力はあると思うのでどこでも生きていけると思う。生きることに執着があると思うので山にこもってるのかなとか、ほかの県にも歩いて行って別のところで住んでいるかもしれない」
大分県警察はこれまでに県外にも捜査員を派遣しているほか、八田容疑者が以前住んでいて土地勘のある千葉や栃木などの警察にも協力を依頼し、広域で捜査を行ってきました。また、公式ツイッターに八田容疑者の動画を投稿し情報を求めています。
また、今回私たちは被害に遭って生き残った男子大学生を単独取材しました。これまで一切、テレビメディアの取材に応じていませんでしたが、「自分が事件の本当の真相を話すことで、解決に繋がるのであれば」と今年6月取材に応じ、当時の状況について証言しました。
目が合ったら、いちゃもんつけてきた
別れの日は、突然訪れました。
被害にあった男子大学生:
「昼ぐらいから湯布院に2人でバイクで行って帰ってきて、ここで買い物をしていました」
男子大学生と亡くなった男性は商業施設で買い物を終え、それぞれが駐車場の別々の出口から出ようとしました。亡くなった男性側の出口に突然現れたのが八田容疑者でした。
「亡くなった友だちが誰かと話しているのが見えたので待っていました。遠目からだったので友だちと話しているのかなという感じで。本当にもう15秒~30秒もないぐらいの会話だったので気にも留めずそのまま合流しました」
「合流したときに、『あれ誰やったの?友達?』と聞いたら、『変なやつに絡まれたんよね』という話でした。八田容疑者がスピーカーで爆音で音楽を流しながら歩いてきたらしくてパッと目が合ったんですかね。向こうが多分いちゃもんつけてきた」
「僕の友だちはすぐ謝ったらしいんですけど、そこから『ここ原付通ったら悪いんじゃね』みたいな、よく分からない文句をつけてきて…ぐらいの話だったらしいですね」
背後からアクセルベタ踏みの音 10m以上飛ばされる「絶対アイツや」
「その友だちと八田容疑者は知り合いにしては、ちょっと年齢が高すぎるかなと。不審に思った点はありますが、その前後で不審な出来事は全くなかったですね」
「その後犯人は僕とすれ違って商業施設の駐車場の方に行きました。車にどう乗ったかなどは見てないです。普通の一般人だと思って見ていたんで全然怪しまず、気にも留めず…まさかこんなことになると思わなかった」
合流した2人は、商業施設から500メートルほど一緒に走行をし、交差点で信号待ちをしていました。
「さっきの犯人について『どうせ変なやつやから気にせんどき』って、会話をひと言ふた言をしながら信号を待っていたら、すごいアクセル踏むエンジンの音がした」
「ベタ踏みの音がして、なんやろ?と思って、バイクのミラーで見たら、もうヘッドライトがすぐ近くに迫ってきていて、これやばいと思って、友達にそのことを伝えようとしたんですけど、パッと見た瞬間、目が合った瞬間にもう、後ろから突っ込まれた」
「本当に0.5~1秒たたないぐらい。気づいてから一瞬でした」
軽乗用車に追突された2人は、10メートル以上はね飛ばされました。本人は軽傷。友人の男性は病院で死亡が確認されました。
「飛ばされた直後、周りがガヤガヤしているのが聞こえて、もうろうとしながら友だちのことを気にかけて行こうと思ったんですけど、はうことしかできなくて、そこで意識が飛びました。意識が戻った時には救急車の中でした」
「スピードが本当に異常だったんで、もうぶつけられた瞬間に『絶対アイツや』って思いました。そのぐらいなんかもう、殺しに来ているなっていうのはすごい感じました」
「赤信号でとまる車が出すような音じゃないアクセルの踏み方。僕らを見つけた瞬間、踏んだかのような感じで来たのはすごく覚えています」
八田容疑者は車を現場に放置して逃走。防犯カメラの映像には八田容疑者が走って逃げる姿や街中を裸足で歩きまわり、時折後ろを振り返る様子などが映っています。
現場から約2キロ離れた別府北浜ヨットハーバーでは事件から2日後に、八田容疑者が脱ぎ捨てた黒いTシャツが発見されていますが、その後の足取りはわかっていません。
被害にあった男子大学生:
「悔しいし、腹立たしいです。人をひいて僕の大事な人を殺めて、それでもなお逃げるっていう、本当に人として最低かなと思います。人じゃないですよね」
「見つけたら僕がこの手でやっちゃいたいぐらい、すごくもうムカつく。自分がしたことをわかっているんだったら自首してほしいですし、ここまで逃げる根性にイラッときます」
「八田容疑者のそういう行動にもすごい腹が立つし、何もできない自分たちにもすごい悔しさもあるし、本当に怒りももちろんありますけど、悔しいです」
2人の夢は経営者「もし今となりに彼がいたら…」
「一回忌の葬儀に行ってきたんですけど、彼はまだこの世にいるんじゃないかなと正直思っています。本当に実感が湧かない。すごく会いたいです。叶わないですけど…」
「彼はとにかく優しく常に笑っている感じで、でも芯がしっかりしている。すごく良いやつでした。大学のイベントでたまたま会ったのがきっかけで服や音楽やアウトドアの趣味が合ったので2人で湯布院に行ったり、キャンプしたり」
「僕は友だちを選んでしまうタイプで…でも彼はそんな僕に、すっと入ってきてくれた。心を許し合った1人でした。どんどん仲良くなって、これからの大学生活を一緒に歩んでいく仲だったと思う」
「僕も彼も将来の夢が経営者でした。僕はグローバルに活躍したいと思っていたので留学して英語も中国語も勉強して活躍したいんだと伝えて、彼もすごく熱心に勉強していた。ライバルじゃないですけど、尊敬しているし一緒に夢を競い合える仲間で大切な1人でした」
「事件がなく、いま隣に彼がいたら…?そうですね、間違いなく親友です。2人でいろんなところに行っていたと思うし、もしかしたら2人で何かビジネスを始めたいなとか、そういうふうに思っていたかもしれない」
「彼のこれからの未来が事件で潰されたってのは、すごく腹立つし悔しいですけど…何かそこで止まっていても多分、彼に天国で笑われていると思うんで。彼の分まで僕が頑張らなきゃなっていう決意はすごく強いです」
いつまでも下を向いてられない――。1年という月日が、気持ちと行動に変化をもたらし始めています。
事件前までは、「自分がいい暮らしして、自分だけがいい思いする」ために経営者になりたかったと話す男子大学生は友人や関係者の支えによって、「自分のためじゃなくて、人のために何かしてあげたい」という気持ちで経営者を志すようになりました。“話す気になれなかった”メディアの取材にも、「自分が話すことで解決に繋げたい」と応じることを決めました。
被害にあった男子大学生:
「この事件は地方ではたくさん放送されて事件の認知度もすごく高くなっていると思うんです。けれど、都会や中心部に行くにつれて認知されていないと思うので、もっと全国的に取り上げてほしいと思っています」
「とにかく忘れてほしくない。多くの人に知ってもらうことが犯人逮捕への一番の近道だと思うので私も頑張ります。捕まるまで、ずっとやる」
情報提供先:【大分県別府警察署】0977-21-2131
